shiotch7 の 明日なき暴走

ビートルズを中心に、昭和歌謡からジャズヴォーカルまで、大好きな音楽についてあれこれ書き綴った音楽日記です

Highway X / B'z

2022-08-13 | B'z
 このお盆はコロナがヤバいのでステイホームを決め込むつもりだったが、そんな中で唯一のお出かけ予定が B'zの LIVE-GYM 2022 –Highway X- ツアーのライブビューイングだった。火曜日にアマゾンから新作が届いてテンション爆上がりで明日のライブをそれこそ指折り数えて楽しみにしていたのだが、昨夜遅くに公式サイトから公演延期の発表があって大ショック(>_<)  それも稲葉さんがコロナ陽性の疑いというのだからこれはえらいこっちゃである。
 B'zの看板ヴォーカリストとして日本中をツアーしながらマスクなしで歌い続け、しかもステージを所狭しと走り回ってアスリート顔負けの全力パフォーマンスを見せてくれる稲葉さんの呼吸量はハンパないだろうからコロナに羅患する確率はどうしても高くなってしまうのだろう。それにしてもツアー・ファイナル2公演を残しての離脱は、人一倍プロ意識が高くてストイックに体調管理されているご本人が一番ショックだったろうし、確か喘息をお持ちだったと思うので、そういう意味でもファンとしては非常に心配である。日本の至宝と言うべきヴォーカリストなのだから、ここはじっくりと療養して是非また元気な姿を我々ファンに見せてほしいと思う。とりあえずこのお盆休みは手持ちのブルーレイでも観ながら渇きを癒すとしよう。
【B’z】B’z LIVE-GYM -At Your Home- DIGEST


 ということで、当初はライブビューイングの感想をブログに書こうと思っていたのだが、急遽予定を変更して新作「Highway X」のレビューをすることにした。前作「NEW LOVE」から3年ぶり、コロナ禍の真っただ中にリリースされた INABA/SALASの「Maximum Huavo」からも2年以上の月日が経っており、満を持してのリリースという感じだ。アルバム全体を通してまず気が付いたのは、コロナ禍の影響が歌詞に色濃く反映されていることで、聴く人を勇気づけるような内容の歌が多いように思う。そういう意味では世相を反映したというか、一昨年の「5 ERAS」、そして昨年の「UNITE」と、ライヴでその真骨頂を見せるB'zがコロナ禍をファンとともに乗り越えてきた足跡が刻まれた内容と言える。
 サウンド面ではサポメンを一新してグルーヴィーな色合いを強めており、アレンジ面でも随所に工夫や遊び心が見られるが、太~い根っこの部分は不動不変のクラシック・ロックで、ゼップやパープル、AC/DCといった王道ハードロックのフォーマットから外れることなく安心安定のB'zワールドを展開しているのが何よりも嬉しい。
 まずはアルバム冒頭を飾る①「SLEEPLESS」、これがもうめちゃくちゃカッコ良い(^o^)丿 無音状態からいきなり空気を切り裂くように鳴り響くエッジの効いたギターはゼップの「Kashmir」を想い起こさせるし、そこからオリビアの「Jolene」のギターをヘヴィーにしたような高速リフ攻撃で一気にたたみかけるスリリングな展開がたまらんたまらん(≧▽≦) 稲葉さんが得意とする言葉の速射砲もバックのサウンドと一体化して、まさにこれぞB'z!という感じ。トドメは松本さんの歌心溢れるギター・ソロでB'zらしさの刻印を押すという、1曲目からこちらの期待の遥か上を行くスーパー・ウルトラ・キラー・チューンが炸裂だ。
B'z / SLEEPLESS


 このアルバムの中でも①と並ぶ超愛聴曲が⑩「UNITE」だ。この曲は去年ミスチルやグレイとの夢の共演を果たしたライヴの時に初めて披露されたものだが、更にアレンジを煮詰めて今回のアルバム用に仕上げられている。パープルの「Black Night」を裏返しにしたようなリフは思わず一緒に口ずさめる親しみやすさで、今後のライヴでもめちゃくちゃ盛り上がること間違いなしの神曲だ。B'zの凄いところはゼップやパープルといった70'sハードロックのエッセンスを換骨奪胎して自家薬籠中のものとし、そこに昭和の邦楽っぽい味付けをしてザ・ワン・アンド・オンリーなB'zのロックに昇華させていることで、私にとって今現在の音楽界でこれほどキャッチーで心にビンビン響くロックを聴かせてくれるアーティストは世界中どこを探してもB'zをおいて他にはいないのだ。
B’z “UNITE” TEASER


 昭和の邦楽、つまり私の世代の日本人が聴いて育った昭和歌謡的なDNAを色濃く感じさせてくれるのが③「COMEBACK -愛しき破片-」だ。彼らのアルバムの中でも一二を争うくらい愛聴している名盤「MAGIC」の流れをくむ名曲で、特にジュリーの「勝手にしやがれ」を想わせる稲葉さんの “アァ~♪” は “あの時代” に育った者にとっては涙ちょちょぎれること必至のフレーズだろう。それにしても今のこの時代にこんな濃い曲をサラッと作っちゃうなんて、松本さんってホンマに昭和歌謡が好きなんやなぁ...
B'z / COMEBACK -愛しき破片-


 ノリがハンパない⑧「リヴ」も大好きなトラックだ。レニー・クラビッツへのリスペクトを前面に押し出したギター・リフが強烈なインパクトを残しながら爆裂しまくるわ、稲葉さんの絶好調ヴォーカルが縦横無尽に駆け回るわ、バンドが一体となって生み出すグルーヴが凄まじい勢いで迫ってくるわで、聴いてて思わず身体が揺れてしまうこと間違いなしのロック魂溢れるナンバーだ。
B'z / リヴ


 2年前の「SHOWCASE 2020 -5 ERAS-」で初お披露目された④「YES YES YES」はどこかはっちゃけた雰囲気を持った、B'zにしか作れないようなファンキーな曲。何度も繰り返し聴くうちにすっかりハマってしまう中毒性を持ったナンバーで、“市中引き回し”“はりつけ獄門” といった時代劇フレーズが飛び出す歌詞が実にユニークだ。サビの “ママの言葉思い出そう~♪” というフレーズを聞いて思わずスプリームスの「You Can't Hurry Love」を思い出してしまうのは私だけかな?
B'z 【YES YES YES】


 ②「Hard Rain Love」は昔のB'zを想い起こさせるようなポップなナンバーで、21世紀版「お出かけしましょ」という感じ。いつも思うことだがB'zってホンマにホーン・セクションの使い方が上手いなぁ。アルバムタイトル曲⑤「Highway X」はAC/DCの「Hells Bells」への松本さん流オマージュだろう。後半「Real Thing Shakes」がチラチラ見え隠れするのにはクッソワロタ(^.^) ラストの⑪「You Are My Best」は「Ocean」や「永遠の翼」路線のスロー・ナンバー。良く言えば安心安定の、悪く言えばワンパターンな展開なのだが、いかにもB'zらしいバラッドという意味ではアルバムのクロージング曲として相応しい1曲だと思う。
 とまぁこのように今回もまた期待を裏切らない素晴らしい出来のアルバムを届けてくれたB'z。「LOVE PHANTOM」で衝撃を受けて以来かれこれ30年近く彼らの音楽を聴いてきたが、これだけクオリティーの高い作品を出し続けるってホンマにすごいことだと思うし、この分だとまだまだ楽しませてくれそうだ。彼らに終わりはないんじゃないかな。
 尚、付属しているDVDには今回のツアー前半のステージからこの新作中6曲のステージ・パフォーマンスを収録したもので、サポメンのプレイも含めてどの曲も抜群にカッコ良くて大満足(^o^)丿 多分今回延期になった横浜公演を映像化してブルーレイ発売する予定だったのではと思うが、とにかくどの公演のものでもいいので今回のツアーのフル・ショウ版を映像化してほしいと思わせるほどクオリティーの高いパフォーマンスだ。
【LIVE-GYM】B'z LIVE-GYM 2022 - Highway X - New Touring Members【サポートメンバー】


 それともう一つ、今回はタイアップ・ヴァージョンやライヴ音源を収録したカセットテープが付属しているのだが、正直言って “何でカセットなん?” と思わざるを得ない。私は隣室で埃をかぶっていたナカミチのカセットデッキを引っ張り出してきてCDレコーダーに繋ぎ CD-Rに焼いて事なきを得たが、最初からCDにしといてくれたらこんな手間をかけずにすんだのにと思う。この “カセットテープ” というチョイスは大いなる謎なのだが、世間の動きに疎いというか全く興味が無いので今の流行りがよくわからない。ひょっとして令和のこの時代に再ブレイクでもしてるのかな???
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