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shiotch7 の 明日なき暴走

ビートルズを中心に、昭和歌謡からジャズヴォーカルまで、大好きな音楽についてあれこれ書き綴った音楽日記です

イナバサラスのライヴ・チケット当選\(^o^)/

2025-02-23 | B'z
 ついにイナバサラスのライヴ・チケットの抽選が当たった! イナバサラスとはもちろんB’zの稲葉さんがギタリストのスティーヴィー・サラスと組んだプロジェクトのことで、ニュー・アルバム「Atomic Chihuahua(アトミック・チワワ)」を引っさげて全国5会場8公演がこの3月に行われるのだが、1/6にファンクラブ・サイトでこのライヴ・ツアーの告知がされた時、5年前にコロナ禍が拡大して彼らの 2ndアルバム・ツアーが中止になった苦い思い出がある私は(←ちょうど緊急事態宣言が出た頃で、当時は家から出るのすら怖かった...)今回こそは絶対に行くぞと不退転の決意で臨むことにした。
INABA / SALAS “AISHI-AISARE”

INABA / SALAS “Demolition Girl”


 しかしそんな強い気持ちとは裏腹に “チケット取れるんやろか...” という不安が大きかったのも事実。悲しいことにB’z関連のライヴ・チケットはこれまで何十回と応募してきたにもかかわらず、まだ1回も抽選に当たったためしがないのだ。B’zはチケット転売対策がガチガチに厳しいので、ポールやクイーンの時のようにチケット流通センターを利用してサクッと手に入れるというわけにもいかず、結果としてビーパ(←ファンクラブの略称)やチケぴの抽選に賭けるしかないのだ。
 今回のチケット販売は、①ビーパ先行一次受付、②ビーパ二次受付、③チケぴ最速先行受付、④セブン-イレブンWEB抽選先行受付、⑤一般販売、の5回に分けて行われたのだが、③は「ぴあカード」を持ってないと応募できないので(←あんな糞ぼったくり・カードはさすがに作る気がしない...)チャンスは4回きりということになる。
 そもそもライヴ・チケットって何でわざわざ「〇〇先行受付」とか「△△リザーブ受付」とかいって何度も何度も抽選をせにゃならんのだ??? 人数の枠とか一体どーなっておるのだ??? 私が学生の頃はもっとシンプルなやり方でチケットが買えたものだったが、いつの間にか購入システムが複雑化してしまい、もう何が何だかサッパリわからないというのが現状だ。自分が落選したにもかかわらず席がまだ残っていて次の販売に回されて再度抽選という仕組みはどう考えても納得がいかない。
 まぁ文句ばかり言ってみてもしゃあないので、とりあえずは抽選に当たるまでトライし続けるしかない。狙いは当然 Zepp Namba といきたいところだが、キャパが極端に小さくて倍率がヤバそうなのと水曜開催ということで仕事とモロにバッティングしてしまうこともあって、第1希望を3/16(日)の神戸ワールド記念ホール、第2希望を3/15(土)の同ホール、そして Zepp Namba は第3希望で抽選に応募することにした。
 ファンクラブ受付分の結果発表は①が1/17、②が1/24の正午で、どちらも勤務時間の真っ最中。トイレへ行くふりをしてこっそりスマホで確認すると黒字で「落選」の2文字が目に飛び込んできてガックリ。あぁ、やっぱり今回も厳しいなぁ... 大晦日に紅白に出て話題になったから余計に倍率上がったんちゃうかなぁ... などと悶々としながら過ごしていたら、2/7に ”チケットが取れなかった人のために全国の映画館でライブビューイング開催決定!” とのメールが届いたのだが、まったく縁起でもない...(>_<)
 セブン-イレブンWEB抽選先行④の結果発表は2/13の午後6時。たまたま母親の整形外科への送り迎えと重なったのだが、駐車場で待っている車の中で(←病院の待合室はジジババだらけで気が滅入るから居たくない...)はやる心を抑えながらこわごわスマホを確認すると、そこには赤地に白抜きで「当選」の2文字が!!! “うおぉぉぉ!” と思わず声を上げて大コーフンしているところへちょうどおかんが戻ってきて “あんた、一体どないしたん?” と怪訝な顔をされてしまったが、とにかくありがとう、セブン-イレブン! これからはもっとセブンを利用させてもらいますわ。因みに職場でも1月半ばからずっと“イナサラ、イナサラ...” を連発して笑われていたので、翌日当選報告をしたら仲良しの同僚さんたちがみんなで祝福してくれた。そういえば昨日もMステにイナサラが出演するので大騒ぎしていたら、“Shiotchさんって本当に人生を満喫してますね~” と羨ましがられてしまった。
 ということで、念願のイナサラ・ライヴまでちょうどあと3週間。当然今週リリースされる新作からのナンバーが中心になると思われるが、私は 1st「CHUBBY GROOVE」も 2nd「Maximum Huavo」も大好きなので、どの曲が選ばれてどんな感じのステージになるのか、初めて行く神戸ワールド記念ホールへの期待とともに、今から大いに楽しみだ。
INABA / SALAS "EVERYWHERE"

B'zの “歌謡ロック” 名演集

2025-01-19 | B'z
 前回ほんの思いつきでB'zのハードロック編をやってみたら思ってた以上に楽しかったので、今回は一般ピープルも楽しめる歌謡ロック編をやることにした。好きな曲が多すぎて曲を絞り込むのに苦労したが、それもまぁ贅沢な悩みということで、最終的に納得のいく4曲を選べだと自負している。

①孤独のRunaway (1991→2000)
 私の友人H氏は私と同じようにハードにロックするB'zが大好きなのだが、彼の奥さんはデビューから95年ぐらいまでのポップでダンサブルなB'zの方が好きで、「Real Thing Shakes」や「Fireball」以降のハードロック路線はNG(←オンナコドモに多いパターン...)なのだそうだ。そこでこの「孤独のRunaway」だが、1991年にリリースされたミニ・アルバム「MARS」の1曲目に入っていたこの曲は適度にハードでありながらキャッチーで聴き易さも抜群という “踊れるハードロック” になっており、そのせいかハード派とポップ派の両方から支持を受けている稀有な1曲なのだ。元々は女性ギタリストの安宅美春に提供したインスト曲(←「代表取締役刑事」のオープニングテーマ)に詞を付けたセルフカバーなのだが、多くの人が “B'z” という名前からイメージするであろう曲調そのもので、何でこれをシングルにしなかったのか不思議なくらいの名曲名演だ。歌詞の “物を置かない主義のおまえの部屋に残されていたサボテンが街を笑い~♪” という謎なラインを聴くたびに “サボテンが笑うのか...” と気になって仕方ないが、“愛を殴ってみよう... 義理を蹴飛ばしてみよう~♪” というラインの独創性に作詞家稲葉浩志の天賦の才を感じる。尚、よりロック色を強めて再レコーディングされたヴァージョンが2000年リリースの「B'z The "Mixture"」に収録されているのだが、これがもうマイケル・シェンカーみたいにゴリゴリ弾きまくるハードなギターが超絶カッコ良いヴァージョンで、私はB'z全曲の中で五指に入るくらい愛聴している。
B'z 孤独のRunaway 【夜のヒットスタジオ出演時の貴重な映像】

代表取締役刑事 孤独のRunaway 安宅美春 オープニングテーマ


②RUN (1992→1998)
 1992年にリリースされたアルバム「RUN」のタイトル曲で、同アルバムに入っている「ZERO」やその前に出た「BLOWIN'」といったシングル・ヒット曲に勝るとも劣らないキラー・チューンだ。とにかくサビのメロディーがカッコ良くてテンションが上がりまくりなのだが、この曲の最大の魅力は何と言っても “死ぬならひとりだ... 生きるならひとりじゃない~♪” や “荒野を走れ 傷ついても 心臓破りの丘を越えよう~♪” といったそのポジティヴな歌詞がキャッチーなメロディーに見事に乗って歌われているところ。この曲はライヴ終盤で演奏されて大盛り上がりするイメージが強く、そのせいもあって私はB'zのアンセム的な1曲だと思っている。ファン投票によって選曲された1998年のベスト・アルバム「B'z The Best "Treasure"」(銀盤)には新たにレコーディングし直したニュー・ヴァージョン(「RUN -1998 style-」)が収録されているのだが、エンディング・パートの英語コーラスを引用したリフレインでフェイド・インしてくるイントロの斬新なアレンジといい、野太いギターにワイルドなヴォーカル、そしてドライヴ感抜群のドラムの相乗効果でパワーアップしたバンド感といい、曲が終わった後に入っている隠しトラック「HOME(ヴォーカルとアコギのみというシンプルさがたまらん!)」への絶妙な繋がり方といい、私的には「1998 style」の方が気に入っている。このヴァージョンは日産アベニールのCMでガンガン流れていたので(←稲森いずみ可愛かったな~)ご存じの方も多いはずだ。
日産アベニールCM (Long 30s)♪B'z:RUN ♪ NISSAN Avenir

B'z RUN


③YOU & I (1995→2000)
 この「YOU & I」はシングル「ねがい」の2nd beat(B面曲)だが、B面にしておくのが勿体ないくらい良く出来た曲だ。とにかくイントロのタッピング・ハーモニクスから高速リフ、そしてギターの咆哮が響き渡るAメロへとなだれこむ怒涛のような展開が超絶カッコ良いし、“いぃなくなってしまえ~♪” のフレーズがめちゃくちゃ耳に残って脳内リフレイン不可避なんである。“い~なく...”ではなく“いぃなく...” とメリハリを付けた歌い方でインパクトを強めリスナーの心に言葉を刻み込む稲葉さんのヴォーカリストとしてのセンスに脱帽だ。この曲はオリジナル・アルバムには未収録で(←後に2008年のベスト盤「B'z The Best "ULTRA Treasure"」に収録)、上記の「孤独のRunaway」同様にロック色を強めて再レコーディングされた "Mixture Style" が2000年リリースの「B'z The "Mixture"」に収録されているのだが、ギター・リフがより強調されていてロック好きにはたまらないヴァージョンに仕上がっている。
B'z「YOU & I」B'z LIVE-GYM 2015 EPIC NIGHT


④ピエロ (2006)
 この曲もシングル「ゆるぎないものひとつ」の2nd beat(B面曲)なのだが(←後にアルバム「MONSTER」に収録)、私としてはハードなのに歌メロでしっかり聴かせるB'z本来の “歌謡ロック” として屹立しているこの「ピエロ」の方がA面にピッタリで、“噛めば噛むほど味が出る”スルメ系の「ゆるぎないものひとつ」の方がB面向きなんじゃないかと思う。「ピエロ」と言えばB'zのシングルと同日発売になった上木彩矢のカヴァーが有名でそちらもも決して悪くはない出来なのだが、本家と聞き比べてしまうとどうしても薄っぺらく感じてしまうところがB'z作品の完成度の高さを物語っている。この曲は何と言っても “ゲラウェイ ゲラウェイ 俺はピエロ ひたむきで滑稽な逃亡者~♪” と稲葉さんが歌うサビのインパクトが強烈で一度聴いたら頭から離れないし、“怪物に心を バリバリ食い散らかされて 思わずあなたを 奪っちまったんだよ~♪” なんて歌詞は稲葉さんにしか書けないユニークなものだ。松本さんのソロもめっちゃエエ感じで、哀愁をまき散らしながら疾走するところがたまらない(≧▽≦)  B'zを聴いているとこういう “歌謡ロック” の良さがわかる日本人に生まれて良かったと思えるのだ。それにしても先の「YOU & I」といい、この「ピエロ」といい、これくらいハイ・レベルな楽曲をさりげなくB面に入れて涼しい顔のB'zってホンマに凄いですな。
B'z「LIVE-GYM 2006 MONSTER'S GARAGE」TOUR【ピエロは10:52~】

ハードロック・ファンのための B'z名演集

2025-01-12 | B'z

 ヤフーニュースの下に表示される “タイムライン” 欄には AIがユーザーの興味関心に沿って選んだコンテンツが掲載されるらしいのだが、それまで大谷ドジャーズと F1関連のニュースばかりだったものが、大晦日以降は B'zの記事だらけになってしまった(笑) ファンとしてはまぁ嬉しいことなのだが、その内容はと言うと、NHKサプライズ演出の裏側だとか、「ultra soul」の掛け声 “ハイ” or “ヘイ” 問題だとか、どれもこれもしょうもないゴシップ記事ばかりで肝心かなめの音楽に言及したものがほとんどないのが残念だ。私は 70's 80'sのハードロックに拘り続ける彼らの音楽性が大好きで30年間ファンをやっているので、このブログで B'zのロック魂が炸裂している名演をいくつかピックアップしてみることにした。

①BAD COMMUNICATION 000-18(1995)
 B'zがブレイクするきっかけとなった名曲「BAD COMMUNICATION」はシングル曲ではなくミニ・アルバムのタイトル曲で、1989年当時の流行(←バナナラマとかカイリー・ミノーグとかのストック・エイトキン・ウォーターマン系)を反映したロック・ダンスビート・ナンバーだったが、その6年後、今度は打ち込みのデジタル・ビートを完全排除してアコギの高速ストロークでネチこいリズムを刻み、まるでトム・ジョンストン在籍時の全盛期ドゥービー・ブラザーズを想わせるようなグルーヴィーなロック・チューンにリメイクしてアルバム「LOOSE」に収録。縦横無尽にロックする稲葉さんのハイ・テンションなヴォーカルに絶妙なタイミングで絡みつくブルース・ハープがノリノリのグルーヴ感に拍車をかけている。尚、タイトルの 000-18 というのはこの曲で松本さんが弾いているアコギ「マーティン000-18」から取ったものだ。

②F・E・A・R(1999)
 私は B'zファン歴30年だが F1歴はそれより更に長くて、セナがチャンピオンを獲った1988年鈴鹿のレースを真夜中に偶然テレビで観てそのカッコ良さに痺れて以来37年間見続けてきたガチのファンである。B'zのロックも F1レースもその圧倒的なパフォーマンスが生み出す高揚感が私を虜にしているのだが、そんな私が狂喜したのが1999年から2年間 F1中継のテーマ曲にこの「F・E・A・R」が使われたことだった。アルバム「Brotherhood」の1曲目に収められたこの曲はキレッキレのギターとマシンガンのようなヴォーカルが絡み合いながらバンドが一体となって疾走する超強力なハードロック・ナンバーで、ガンズやスキッド・ロウにも通じるアグレッシヴなロック魂を感じさせる。これこそまさに B'zの真骨頂!と言えるキラー・チューンだ。
B'z 「F・E・A・R」 LIVE-GYM '99 -EXTRA-


③儚いダイアモンド(2003)
 B'zは90年代半ばから「LOOSE」(1995) 「SURVIVE」(1997) 「Brotherhood」(1999)とどんどんハードロック色を強めていき、ロック好きの私は大喜びしていたのだが、21世紀に入ると「ELEVEN」(2000) 「GREEN」(2002)とややポップなアルバムが続いたこともあって、“悪くはないけど、出来ればもっとロックなアルバムが聴きたかったなぁ...” と少々欲求不満な部分があった。しかし2003年に出た「BIG MACHINE」はそんな私の不満を吹き飛ばすように打ち込み音や管弦楽器の類を極力排したシンプルなバンド・サウンド中心のアルバムになっていて “ロックンロール命” の私は大満足... そんな中でも私が特に気に入ったのがこの「儚いダイアモンド」だ。アグレッシヴにガンガン攻めまくるギター、躍動感に満ちたドラムス、切れ味鋭いヴォーカルと、どこを切っても文句なしのカッコ良さ。“キャッチーなメロディーでギンギンにロックする” という高難度なことをサラッとやってのけてしまうから B'zは凄いのだ。
【B'z】儚いダイヤモンド-BANZAI IN NORTH AMERICA-


④FRICTION(2007)
 この曲との出会いは2007年にリリースされたシングル「SUPER LOVE SONG」の 3rd beat(←B面みたいなもの)としてで、初めて聴いた時から A面曲よりもこっちの方が断然気にっていた。この曲は元々「バーンアウト・ドミネーター」というカーアクション・ゲームのために書かれたアッパーなハードロック・チューンで、上記シングルの B面に採用された後、アルバム「ACTION」にギター・フレーズが異なる別ヴァージョンが収録されている。この曲は何と言っても猛烈な勢いでギンギンに突っ走るところが一番の魅力で、歌詞が全て英語ということもあってどんどん加速していくようなスピード感を存分に味わえるのがロック好きにはたまらない。尚、“Shouting out my name~♪” のラインが “シャリがウマいねぇ~♪” に聞こえてしまうソラミミ曲としてもファンの間では有名だ。
B'z - Friction


⑤Epic Day(2015)
 ハードロック・ファンならこの曲を一聴してすぐにディープ・パープルの「Burn」が思い浮かぶのではないか。イントロのギター・リフ、畳み掛けるような勢いでに疾走するヴォーカル、そして様式美とも言えるギターとオルガンのソロ・リレーと、聞きようによってはパープルよりもパープルらしい(?)1曲だ。アンチの連中はここぞとばかりにパクリだ!と言うだろうが、松本さん自身がインタビューで “パープルやレインボーを意識して作った” と語っていることからもわかるように、これは “リスペクトに溢れた遊び心” 以外の何物でもない。そもそもパクリというのはバレないようにこっそりと盗用することであって、インタビューで堂々と公表して、しかも “わざと” 似せて作るわけがないのは少し考えれば誰にでもわかることだ。全盛期パープルの “あの音” を21世紀の今、リアルタイムで聴きたいと願うロックファンは私だけではないと思うが、パープルが作り上げた “型” に現代的センスを融合させて応えてくれたのが B'zのこの曲であり、的外れなパクリ論争に対して “それがどーした ソー・ホワット?” と胸を張れるだけの完成度がここにあるのだ。

⑥SLEEPLESS(2022)
 「Epic Day」がディープ・パープルならこの「SLEEPLESS」はもう一方の雄であるレッド・ゼッペリンへのリスペクトに溢れるオマージュだ。具体的には「Physical Graffiti」の頃の、ハードロックの可能性を極限まで広げたゼップの “拡散美” を21世紀に再現したのがこの曲だ。曲想の根底にあるのは「Kashmir」だろう。空間を切り裂くようなイントロのギターは「Custard Pie」を想わせるし、稲葉さんのシャウトはまるでロバート・プラントが乗り移ったかのようだ。それでいて古さを全く感じさせない “2022年のロック” として屹立しているのが B'zの凄いところ。やっぱり B'zは最高やね(^o^)丿
B'z / SLEEPLESS

B’z LIVE-GYM Pleasure 2023 -STARS-

2025-01-01 | B'z

 新年あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。2008年にこのブログを始めて今年で17年目に突入しますが、ツイッターやインスタグラムのような双方向コミュニケーション・ツールではなく(←自分は自己承認欲求がゼロなのであの手のSNSは超苦手...)自分がその時々にハマってる音楽や映画についての忘備録的ブログにしたのが長続きしている理由かなと思ってます。まぁ欲しいレコードは大体手に入れたしお金もあんまり無いしで最近はあんまりレコードを買ってませんが、去年で言えばクイーンやヘイ・ブルドッグ、中島みゆきみたいにマイブームが次から次へとやってくるのでネタには事欠かないです。それでは早速2025年の暴走スタート!
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 あれは確か先週のことだったと思うが、いつものようにパソコンを開くとヤフーのニュース欄に「B'z 紅白初出場決定!」という文字が躍っていた。私は B'z は三度のメシよりも好きなのだが紅白は大嫌いときている。幼い頃にお茶の間で家族と一緒に観ていて気持ち悪いくらいハイテンションな司会者や取ってつけたような寒~い演出など、あのこそばゆい偽善的な雰囲気に対して子供心に激しい抵抗を覚え、それ以来もう50年以上一度も観ていないのだ。しかも大晦日は CSで5時間にわたって F1総集編が放送されるので当然そっちが優先だ。私はとりあえず裏番組録画しておいて、F1を観終わった後に B'zの出演シーン以外をすべて部分削除することにした。
 そして大晦日の晩、F1が終了した後すぐに、録っておいた紅白を超高速早送りで B'zのシーンを探し当てて早速再生。私はクイーン&アダム・ランバートの時と同じようにどうせどこか別の場所で前もって撮影した演奏シーンを流すだけだろうとタカをくくっていたのだが、いざふたを開けてみると、1曲目の「イルミネーション」こそ別スタジオでの事前録画収録だったものの、演奏終了後いきなり NHKホールのメインステージにサプライズ登場して「LOVE PHANTOM」と「ultra soul」の2曲を生で演ってくれたのだからたまらない(≧▽≦) 最初の30秒ほど稲葉さんの声が小さいというトラブル(←マイクがオフなのに地声だけであの音量を出せるってある意味凄い...)も何のその、30年にわたって LIVE-GYMで鍛え上げた稲葉さんの喉はそんなハンデをものともせず、“B'zの LIVE-GYMにようこそ!” とばかりにロック魂溢れるヴォーカルで圧巻のステージを見せてくれたのだ。
【B'z】「ultra soul」NHKホールの観客も総立ち【紅白】|NHK


 私はテンション爆上がりで録ったばかりの映像を何度も何度も再生して観ていたが、そのうちそれだけでは物足りなくなってきて、新年早々真夜中の1時だというのに去年買ったブルーレイ盤「B's Pleasure 2023 Stars」を引っ張り出してきてコンサートをフル視聴! 1日経ってもまだコーフン冷めやらず状態なので、このブログの新年1発目に取り上げることにした。
 このブルーレイ盤は2023年9月24日の大阪ヤンマー・スタジアム長居で行われた “B'z LIVE-GYM Pleasure 2023 -STARS-” ツアー・ファイナルのステージを収録したもので、チケットが取れずに参加できなかった悔しさを胸に去年の4月に購入。新しい職場の水が合わない私のストレス解消に大いに貢献してくれたのだが、クイーン来日特集やら901さんとのオフ会再開特集やらのどさくさで、このブログにはまだ書いていなかったものだ。
 中身の方は期待通り、いや期待以上の内容で、まるでライヴ・エイドのクイーンを彷彿とさせるような神パフォーマンスで5万人のオーディエンスを熱狂させる二人。B'zのライヴを観ていて私が一番凄いと思うのは膨大なレパートリーの中から毎回毎回異なったコンセプト・選曲でセット・リストを決めていることで、音楽監督である松本さんのファンに対する誠実さがそのあたりにも如実に表れているように思う。ポールの2015武道館の「Another Girl」の例を挙げるまでもなく、ファンにとっては新鮮なセトリほど嬉しいものはない。仮に「LOVE PHANTOM」や「ultra soul」を演らなくても、「バッコミ」「愛まま」「コマチ」など、ライヴで盛り上がる名曲がゴマンとあるのが大きな強みだろう。
 このブルーレイを観てもうひとつ気が付いたのは、昔の曲を演るにしても単なる再演ではなくライヴの度に曲が “進化/深化” しているように感じられること。B'zのライヴのサポート・メンバーは数年に一度くらいの割合で一新されるのだが、ベーシストやドラマーが変わると曲の表情も大きく変化する。ベーシストを例にとると、ガンガン・ベースか、ブンブン・ベースか、それとも粘ちっこいグルーヴ・ベースなのかで当然曲の印象が大きく変わってくるのだ。これまでになかった躍動感をバンドに持ち込んでくれた現ベース担当の清さん(♀)なんかはその成功例と言えるだろうが、これは楽曲の出来が素晴らしいからこそ可能なこと。例えるなら美人は洋服を着ようが和服を着ようが化粧をしようがすっぴんであろうが関係なしに美しいということだ。
 私が物心ついてからず~っと聴いてきたAC/DC、エアロスミス、キッスといったハードロック系アーティストたちも既に70歳を超え、次々とライヴ活動からの引退を表明している。ヴァン・ヘイレンやエイジアのようにその中心人物が亡くなってしまって二度と観れないバンドも少なくない。そんな中でこの2025年という今の時代に古き良き “スタジアム・ロック” を現在進行形で、しかも最高にカッコ良く聴かせてくれるアーティストは B'z をおいて他にいない。
 元旦の今日、B'zの公式サイトで彼らが2025年冬に全国ドーム・ツアーを行うという発表があった。私はこれまで何度もチケット入手に失敗して未だに生で観れていないので、今度こそは何としてもチケットを手に入れて B'zのライヴを生体験したいと思う。英語のことわざに “See Naples and die.(ナポリを見て死ね)” というのがあるが、今の私は “See B'z and die.” の心境だ。
B’z / DVD & Blu-ray「STARS」DIGEST

Highway X / B'z

2022-08-13 | B'z
 このお盆はコロナがヤバいのでステイホームを決め込むつもりだったが、そんな中で唯一のお出かけ予定が B'zの LIVE-GYM 2022 –Highway X- ツアーのライブビューイングだった。火曜日にアマゾンから新作が届いてテンション爆上がりで明日のライブをそれこそ指折り数えて楽しみにしていたのだが、昨夜遅くに公式サイトから公演延期の発表があって大ショック(>_<)  それも稲葉さんがコロナ陽性の疑いというのだからこれはえらいこっちゃである。
 B'zの看板ヴォーカリストとして日本中をツアーしながらマスクなしで歌い続け、しかもステージを所狭しと走り回ってアスリート顔負けの全力パフォーマンスを見せてくれる稲葉さんの呼吸量はハンパないだろうからコロナに羅患する確率はどうしても高くなってしまうのだろう。それにしてもツアー・ファイナル2公演を残しての離脱は、人一倍プロ意識が高くてストイックに体調管理されているご本人が一番ショックだったろうし、確か喘息をお持ちだったと思うので、そういう意味でもファンとしては非常に心配である。日本の至宝と言うべきヴォーカリストなのだから、ここはじっくりと療養して是非また元気な姿を我々ファンに見せてほしいと思う。とりあえずこのお盆休みは手持ちのブルーレイでも観ながら渇きを癒すとしよう。
【B’z】B’z LIVE-GYM -At Your Home- DIGEST


 ということで、当初はライブビューイングの感想をブログに書こうと思っていたのだが、急遽予定を変更して新作「Highway X」のレビューをすることにした。前作「NEW LOVE」から3年ぶり、コロナ禍の真っただ中にリリースされた INABA/SALASの「Maximum Huavo」からも2年以上の月日が経っており、満を持してのリリースという感じだ。アルバム全体を通してまず気が付いたのは、コロナ禍の影響が歌詞に色濃く反映されていることで、聴く人を勇気づけるような内容の歌が多いように思う。そういう意味では世相を反映したというか、一昨年の「5 ERAS」、そして昨年の「UNITE」と、ライヴでその真骨頂を見せるB'zがコロナ禍をファンとともに乗り越えてきた足跡が刻まれた内容と言える。
 サウンド面ではサポメンを一新してグルーヴィーな色合いを強めており、アレンジ面でも随所に工夫や遊び心が見られるが、太~い根っこの部分は不動不変のクラシック・ロックで、ゼップやパープル、AC/DCといった王道ハードロックのフォーマットから外れることなく安心安定のB'zワールドを展開しているのが何よりも嬉しい。
 まずはアルバム冒頭を飾る①「SLEEPLESS」、これがもうめちゃくちゃカッコ良い(^o^)丿 無音状態からいきなり空気を切り裂くように鳴り響くエッジの効いたギターはゼップの「Kashmir」を想い起こさせるし、そこからオリビアの「Jolene」のギターをヘヴィーにしたような高速リフ攻撃で一気にたたみかけるスリリングな展開がたまらんたまらん(≧▽≦) 稲葉さんが得意とする言葉の速射砲もバックのサウンドと一体化して、まさにこれぞB'z!という感じ。トドメは松本さんの歌心溢れるギター・ソロでB'zらしさの刻印を押すという、1曲目からこちらの期待の遥か上を行くスーパー・ウルトラ・キラー・チューンが炸裂だ。
B'z / SLEEPLESS


 このアルバムの中でも①と並ぶ超愛聴曲が⑩「UNITE」だ。この曲は去年ミスチルやグレイとの夢の共演を果たしたライヴの時に初めて披露されたものだが、更にアレンジを煮詰めて今回のアルバム用に仕上げられている。パープルの「Black Night」を裏返しにしたようなリフは思わず一緒に口ずさめる親しみやすさで、今後のライヴでもめちゃくちゃ盛り上がること間違いなしの神曲だ。B'zの凄いところはゼップやパープルといった70'sハードロックのエッセンスを換骨奪胎して自家薬籠中のものとし、そこに昭和の邦楽っぽい味付けをしてザ・ワン・アンド・オンリーなB'zのロックに昇華させていることで、私にとって今現在の音楽界でこれほどキャッチーで心にビンビン響くロックを聴かせてくれるアーティストは世界中どこを探してもB'zをおいて他にはいないのだ。
B’z “UNITE” TEASER


 昭和の邦楽、つまり私の世代の日本人が聴いて育った昭和歌謡的なDNAを色濃く感じさせてくれるのが③「COMEBACK -愛しき破片-」だ。彼らのアルバムの中でも一二を争うくらい愛聴している名盤「MAGIC」の流れをくむ名曲で、特にジュリーの「勝手にしやがれ」を想わせる稲葉さんの “アァ~♪” は “あの時代” に育った者にとっては涙ちょちょぎれること必至のフレーズだろう。それにしても今のこの時代にこんな濃い曲をサラッと作っちゃうなんて、松本さんってホンマに昭和歌謡が好きなんやなぁ...
B'z / COMEBACK -愛しき破片-


 ノリがハンパない⑧「リヴ」も大好きなトラックだ。レニー・クラビッツへのリスペクトを前面に押し出したギター・リフが強烈なインパクトを残しながら爆裂しまくるわ、稲葉さんの絶好調ヴォーカルが縦横無尽に駆け回るわ、バンドが一体となって生み出すグルーヴが凄まじい勢いで迫ってくるわで、聴いてて思わず身体が揺れてしまうこと間違いなしのロック魂溢れるナンバーだ。
B'z / リヴ


 2年前の「SHOWCASE 2020 -5 ERAS-」で初お披露目された④「YES YES YES」はどこかはっちゃけた雰囲気を持った、B'zにしか作れないようなファンキーな曲。何度も繰り返し聴くうちにすっかりハマってしまう中毒性を持ったナンバーで、“市中引き回し”“はりつけ獄門” といった時代劇フレーズが飛び出す歌詞が実にユニークだ。サビの “ママの言葉思い出そう~♪” というフレーズを聞いて思わずスプリームスの「You Can't Hurry Love」を思い出してしまうのは私だけかな?
B'z 【YES YES YES】


 ②「Hard Rain Love」は昔のB'zを想い起こさせるようなポップなナンバーで、21世紀版「お出かけしましょ」という感じ。いつも思うことだがB'zってホンマにホーン・セクションの使い方が上手いなぁ。アルバムタイトル曲⑤「Highway X」はAC/DCの「Hells Bells」への松本さん流オマージュだろう。後半「Real Thing Shakes」がチラチラ見え隠れするのにはクッソワロタ(^.^) ラストの⑪「You Are My Best」は「Ocean」や「永遠の翼」路線のスロー・ナンバー。良く言えば安心安定の、悪く言えばワンパターンな展開なのだが、いかにもB'zらしいバラッドという意味ではアルバムのクロージング曲として相応しい1曲だと思う。
 とまぁこのように今回もまた期待を裏切らない素晴らしい出来のアルバムを届けてくれたB'z。「LOVE PHANTOM」で衝撃を受けて以来かれこれ30年近く彼らの音楽を聴いてきたが、これだけクオリティーの高い作品を出し続けるってホンマにすごいことだと思うし、この分だとまだまだ楽しませてくれそうだ。彼らに終わりはないんじゃないかな。
 尚、付属しているDVDには今回のツアー前半のステージからこの新作中6曲のステージ・パフォーマンスを収録したもので、サポメンのプレイも含めてどの曲も抜群にカッコ良くて大満足(^o^)丿 多分今回延期になった横浜公演を映像化してブルーレイ発売する予定だったのではと思うが、とにかくどの公演のものでもいいので今回のツアーのフル・ショウ版を映像化してほしいと思わせるほどクオリティーの高いパフォーマンスだ。
【LIVE-GYM】B'z LIVE-GYM 2022 - Highway X - New Touring Members【サポートメンバー】


 それともう一つ、今回はタイアップ・ヴァージョンやライヴ音源を収録したカセットテープが付属しているのだが、正直言って “何でカセットなん?” と思わざるを得ない。私は隣室で埃をかぶっていたナカミチのカセットデッキを引っ張り出してきてCDレコーダーに繋ぎ CD-Rに焼いて事なきを得たが、最初からCDにしといてくれたらこんな手間をかけずにすんだのにと思う。この “カセットテープ” というチョイスは大いなる謎なのだが、世間の動きに疎いというか全く興味が無いので今の流行りがよくわからない。ひょっとして令和のこの時代に再ブレイクでもしてるのかな???

B'z SHOWCASE 2020 -5 ERAS 8820-Day 1-5 Complete Box

2021-09-04 | B'z
 私が聴く音楽はその9割以上がビートルズを中心とする洋楽なのだが、日本人アーティストで新譜が出たら必ず買うのがB'zである。私は洋邦問わず1990年代以降の音楽は生理的に受け付けないので今の音楽シーンとは完全に絶縁状態。そんな中にあって唯一例外的に聴くのが彼らであり、私がこよなく愛する古き良きクラシック・ロックの伝統に則った “歌謡ロック” を聴かせてくれる貴重な存在なのだ。
 彼らの真骨頂はハードロック・バンドの王道と言えるライヴにあると思うのだが、このコロナ禍でツアーが行えなくなったこともあって、去年の11月に東京の Zepp Haneda で5週にわたって行われた無観客配信ライヴを敢行。その時の模様を完全収録したのがこの「B'z SHOWCASE 2020 -5 ERAS 8820-Day 1-5 Blu-ray Complete Box」だ。
 これまで何度か書いてきたように私は音楽であれ映像であれ “配信” という形態が嫌いで “どうせ半年もしたらブルーレイで出るやろ...” と余裕をかましていたのだが、ちょっと油断していた隙に予約受付が始まってしまい、気が付いた時には時すでに遅しで完全受注生産限定のボックス・セットが予約完売してしまっていたという大失態...(+_+) 藁にもすがる思いでアマゾンを見ると、転売ヤーどもが定価の3~4割増しで出品しておりブチギレ。3万円もするボックス・セットが即完売だなんてどうもおかしいと思っていたが、どうやらこいつらが買い占めていたようだ。このクサレ外道どもが!!! さすがに4万円も払う気にはなれないので私は泣く泣くこのボックス・セットを一旦諦めた。
 しかし待てば海路の日和ありとはよくぞ言ったもので、8月半ばにたまたまアマゾンで過去の閲覧商品を調べていた時にこの商品の値段が定価と同じになっているのを見つけてビックリ。どうやら強気な価格設定が仇になって値崩れを起こしたようで、慌てたアホバカ転売屋どもが必至で売り抜けを図っているところに偶然出くわしたのだ。う~ん、ラッキー! というわけでわたしはこのボックス・セットをほぼ定価で買うことが出来でまずはメデタシメデタシだった。
 ブツは先週の土曜に届いたのだが、宅急便のおっちゃんから箱を受け取ると異様に重くてビックリ。梱包を解いて中身を取り出すと、あの「Wing Over America」のスーパーデラックスエディションに負けないスーパーヘビー級で、予想以上のデカさにもビックリ。まるで分厚い卒業アルバムみたいな(笑)超堅牢なつくりのボックスセットになっている。ただ、見ようとするたびにいちいちこの巨大なディスクケースを開けるのは面倒くさいので、ディスクをすべて取り出して薄型のプラケースに移し替えた。これはボックスセットすべてに言えることだが、デカけりゃいいってものでもない... もうちょっと日常使いの利便性を考えてもらいたいものだ。
【開封動画】B'z SHOWCASE 2020 -5 ERAS 8820-のCOMPLETE BOXが規格外の大きさでマジでビビりました!!


 外箱に関してはこのように?マークを付けざるを得ないが、中身の方は文句の付けようのない素晴らしさ。彼らの代表曲を5つの時代(ERA)に分けた年代順のセットリストで5週連続して行われたスタジオ・ライヴなのだが、とにかく熱いのだ!!! 無観客ということでオーディエンスとのコール・アンド・レスポンス抜きの曲間MCには手探り状態のところもあるが、稲葉さんのヴォーカルは久々のライヴということでキレッキレだし、松ちゃんのギターも安定感抜群で、これを数万人収容の大会場で見たかったなぁ... という思いを強く抱かせる素晴らしいステージだ。
 ただ、特典ディスクに関してはこちらの期待が大きかったせいもあるかもしれないが正直言ってイマイチという感じ。メンバーのPCR検査の様子だとかソーシャルディスタンスがどうとか、何かコロナ関連の映像が随所に挿入されているが、ハッキリ言ってファンとしてはどうでもいいことで、あのNHK特番「B'zメガヒットの秘密」やWOWOW特番「Only Two」のようにもっと音楽にフォーカスした濃い内容にしてほしかった。だから余程のコアなファン以外は特典ディスクなんか気にせずに単品で揃えた方が安上がりで良いと思う。
 とまぁこのように少々の不満はあるものの、これら5枚のディスクに封じ込められた彼らの熱いライヴ・ステージを目にすればそういった類の苦言は瞬時にして木端微塵に砕け散る。ファン歴26年の私なんかもう久々に彼らの元気な姿を見れただけでも感無量で、30年以上にわたってよくもまぁこれだけクオリティーの高い曲を次から次へと作り続けてきたものだなぁと感心してしまった。このコロナ禍が収束したら、ぜひとも実際のライヴ会場で何万人のオーディエンスと共にこれらの名曲の数々を浴びるように聴いてみたいと思う。
B’z “5 ERAS” Day1-5 DIGEST

INABA / SALAS特集

2020-05-07 | B'z
 稲葉さんは B'z 本体での活動に加えてソロ・アルバムも何枚か出しているが、更にもう一つ、ギタリストのスティーヴィー・サラスと INABA/SALAS というユニットを組んでアルバムを2枚出している。メジャーなグループのメンバーのソロ活動というのはどちらかと言うとヤル気が空回りして期待ハズレな結果に終わることも少なくないが、このイナサラに関しては良い意味で期待を裏切ってくれるというか、B'z では絶対にやらないようなことに敢えて挑戦し、こちらの予想を遥かに超えたカッコ良い音楽を作り上げているのだ。ちょうどこの4月に彼らの 2ndアルバム「Maximum Huavo」が出たところなので、この機会に3年前に出た 1stアルバム「Chubby Groove」と一緒に取り上げるとしよう。
 まずは 1stアルバム「Chubby Groove」だが、モノクロでブタさんのドアップにピンク色のタイトル文字と、CDジャケットの第1印象は “何じゃいコレは???” という感じだったが、いざ中身を聴いてみると、ファンキーなビートに乗って稲葉節が炸裂! “B'zとも稲ソロとも全然違うけどめっちゃカッコエエやん(^.^)” とすっかり気に入ってしまった。
 中でも一番のお気に入りが④「Aishi-Aisare」で、元々はサラスが Natalie Janz という女性歌手に提供した「The DJ's Burning」という曲を稲葉さんが気に入り、それに日本語詞を付けてカヴァーしたものなのだが、これがもう実にカッコイイ曲に仕上がっているのだ。原曲のノリの良さに加えて稲葉さんの書いた日本語詞のライミングが絶妙で、“ものなどなっあっあい♪ ‐ オーラッアッアイ♪”や“ごめんなさっあっあい♪ ‐ 取戻したっあっあい♪” のラインが稲葉さんのネチコいヴォーカルによって強烈に脳内リフレインを誘発するという実に中毒性の高いナンバーだ。
INABA / SALAS “AISHI-AISARE”

INABA / SALAS “AISHI-AISARE” . ORIGINAL USA VERSION by NATALIE JANZ / SALAS " The DJ´s Burning"


 ノリノリの②「Overdrive」も聴いててウキウキワクワクさせてくれる曲で、上記の「Aishi-Aisare」と甲乙付け難い素晴らしさ。イントロの爽やかなギターのリフから一気に引き込まれ、思わず身体が揺れてしまう強烈無比なグルーヴでグイグイ引っ張って行かれる快感を何と表現しよう? まるで稲葉さんの新たな魅力をサラスが引き出しているかのような感じなのだ。B'z の松本さんとはまた違ったリズム感で繰り出されるギターのサウンドをバックに力強い歌声を聞かせる稲葉さんがめっちゃクールでカッコイイヽ(^o^)丿
INABA / SALAS “OVERDRIVE”


 続いてはこの4月に出たばかりの 2ndアルバム「Maximum Huavo」だ。ブタの次はニワトリかよ!と思わず突っ込みを入れたくなるジャケット(←次は牛か?)は鮮やかな黄色が印象的で、タイトルにある “Huavo” はスペイン語の“卵”をスラングにした造語らしいが、“ファボ” と “チャボ” を引っ掛けてるのかもしれない(←考えすぎか...)。
 このアルバムで一番好きなのは前作の「Aishi-Aisare」を正常深化させたような⑥「Demolition Girl」で(←そういえばスタローンの映画に「Demolition Man」っていうのがあったが、girl だから「女版壊し屋」みたいな感じか...)、グイグイくるシンセのビートがえもいわれぬグルーヴを生み出し、80年代の洋楽ヒット曲を想わせるキャッチーなメロディーを気持ちよさそうに歌う稲葉さんのヴォーカルと見事にマッチしている。黄色いグラサンやら絵文字スタンプやらで軽~いノリを前面に押し出したミュージック・ビデオも楽しさ満載で、洋邦問わずこんな感じのポップな曲って最近なかったなー、と懐かしい気分にさせてくれるキラー・チューンだ。敢えて難を言えば間奏部分の稲葉さんの語りが声を加工しすぎて何を言ってるのか分からないのが玉にキズか。
INABA / SALAS “Demolition Girl”


 稲葉さんは例の “B'z HOME Session” を YouTube チャンネルにアップする前にこのアルバムの⑦「Irodori」という曲をサラスとリモート・セッションした動画をイナサラ・チャンネルに上げているのだが、注目すべきは歌詞の一部を “大事な家さえもなくしてしまう” から “自分の家だけが唯一の居場所” へと変更しているところ。外出自粛でストレスが溜まっているであろうファンに寄り添おうとする姿勢はさすが超一流のアーティスト。この曲はコロナ以前に書かれたものだが、“当然なはずの自由を根底から脅かされ...” とか “それでも闘う人々にゃ敵わぬ...” とか、現在の世界の状況をピタリと描写したような歌詞には驚かされる。今のご時世、“ああどんな辛い試練でもこの人生の彩...♪” という詞を聴いて元気をもらった人も多いだろう。この曲に限らず、稲葉さんの書く歌詞は基本的なところで私達を励ましてくれる。イナサラであれ、B'zであれ、稲ソロであれ、この人の歌を聴いているとファンで本当に良かったなぁと思えるのだ。
INABA / SALAS “IRODORI” session

B'z Live-Gym特集 ②「Live in なんば 2006 & Showcase 2007 -19- at Zepp Tokyo」

2020-05-05 | B'z
 B'zのライヴはアリーナやドーム、スタジアムといった大会場で行うアルバム・ツアーやプレジャー・ツアーと、ライヴハウスやホールのような小さな会場で行う Showcase に大別される。ド派手な仕掛けを駆使してエンターテインメントを徹底的に極めた前者を“初心者でも楽しめるお祭り” とすれば、特に演出も無しにガンガン演奏し歌いまくる後者は “ある意味密教的な雰囲気の中で行われるコアなファン向けのギグ” と言っていいかもしれない。どちらにもそれぞれの良さがあるのだが、そのアーティストの本質に触れたいのなら、距離が近くて生のド迫力を体感できる後者に限るだろう。
 そしてそんな彼らの貴重な小会場ギグの模様を収録した映像作品が2006年に大阪のなんばHatchで行われた「Live in なんば 2006」と2007年に Zepp Tokyo で行われた「Showcase 2007 -19- at Zepp Tokyo」の2枚で、「なんば」の方は単独のDVD作品として、「Zepp Tokyo」の方はベスト盤CD「B'z The Best ULTRA Treasure」のボーナスDVDとして既に持っていたのだが、2010年になってこの2枚をカップリングしてBlu-ray化した「Live in なんば 2006 & Showcase 2007 at Zepp Tokyo」がリリースされ、高画質でこのスーパー・ギグを楽しみたいと思った私は迷わずこれを購入。今ではB'zの映像作品で一二を争う超お気に入りだ。ということでB'zのBlu-ray特集第2弾は「Live in なんば 2006 & Showcase 2007 at Zepp Tokyo」でいこう。
 まずはディスク1の「Live in なんば 2006」だが、このギグに応募して見事にハズレた私にとっては観るたびに自分のくじ運の無さを嘆きたくなるほど凄いパフォーマンスの連続で、大会場では味わえない臨場感たっぷりのステージ映像がDVDよりも遥かにクリアーなBlu-rayのスーパーウルトラ高画質で観れるのだ。
 前半の見どころはいきなりオーディエンス総立ちで始まる「ALL-OUT ATTACK」から会場全体が揺れるほど大盛り上がりの「juice」、躍動感5割増しの隠れ名曲「ピエロ」、泥臭いブルース・フィーリングがたまらない「ネテモサメテモ」、そして稲葉さんのエモーショナルなヴォーカルに心揺さぶられる「ゆるぎないものひとつ」と続くあたりだろう。更に稲葉さんが和製ブライアン・ジョンソンと化す「Real Thing Shakes」、初期のモトリー・クルーを彷彿とさせるアグレッシヴな「DEVIL」もハードロック好きにはたまらない。
 後半は更に凄まじい展開で、ヘヴィーな「MONSTER」から一気に加速してB'zのアッパー・チューンの中でも屈指の大名曲「衝動」~「愛のバクダン」へと続く流れなんかもう鳥肌モノ。オーディエンスも手を伸ばせば届きそうな距離で渾身のステージを繰り広げる稲葉さんに大コーフンで、しかもこれに続くのが「LOVE PHANTOM」なのだからたまらない(≧▽≦) ゼップで言えば「Communication Breakdown」「Immigrant Song」「Rock And Roll」を立て続けにやるようなものだ(笑) 
 稲葉さん喉大丈夫かなぁと思わず心配になってくるが、これに続くのがこれまたヴァン・ヘイレンちっくなハードロック「ギリギリchop」... ホンマに凄いセトリである。そういえば「Monster's Garage」のボーナスDVD「OFF LIMITS」の冒頭で松本さんが “MONSTER⇒衝動⇒愛のバクダンはいいと思うんだよね。LOVE PHANTOMもまぁ良さそうだし。で、ギリチョやってSPLASH!やって終わる?” と言うと稲葉さんが “死ぬよ、俺。いいけど... やっても... 死亡(*_*)” と苦笑いしていたのをよく覚えているが、まさかそれを本当にやるとは思わなんだ。松本さんはドSで稲葉さんはドMなのか?(笑)
アンコールは稲葉さんの鬼気迫るヴォーカルが凄まじい「SPLASH!」、そしてこの神ライヴを締めくくるのにこれ以上ない名曲「RUN」で大団円を迎える。とにかく私のように “ロックなB'z” が大好きな人には最高の1枚だろう。
【B’z】B'z LIVE in なんば


 ディスク2の「Showcase 2007 -19- at Zepp Tokyo」も基本的にはなんばのライヴと同じ趣向で日本最強のハードロック・ユニットとしてのB'zを存分に楽しめる作品になっているが、こちらの方がマニアックな選曲で、大会場のプレジャー・ツアーでは滅多に取り上げないようなコアなセトリがファンとしては嬉しい。
 このBlu-rayは画質だけでなく音も抜群に良いので、ヴォリュームを上げるとリビングに居ながらライヴハウスの最前列のコーフンを味わえて大満足。ドームやスタジアムでの LIVE-GYM しか知らない人が見たらぶっ飛びそうな、ロック魂溢れるライヴがこの Showcase なのだ。
 私的な見どころは、冒頭の「SUPER LOVE SONG」から「FRICTION」というB'z流ガレージ・ロック2連発、「愛バク」⇒「ウルソ」というアッパー・チューンから意表を突く「ロンリー・スターズ」への流れ、斬新なアレンジにゾクゾクさせられる「コマチ・エンジェル」、ゴリゴリのギターが炸裂する「F・E・A・R」と、挙げていけばキリが無いが、どの曲であれZepp Tokyoでの躍動感溢れるステージがド迫力で楽しめるのだから言うことナシだ。
 超名曲なのにライヴでは滅多に取り上げられない「ARIGATO」がアンコールで聴けるのも◎。この曲って過小評価されているように思うのだが、“静”と“動”のコントラストといい、後半部の一気に畳み掛けるような展開といい、私に言わせればB'z版「天国への階段」と言っても過言ではないスケールの大きさを感じさせるナンバーだ。このZepp Tokyoのライヴでも圧倒的なグルーヴを感じさせる歌と演奏で、満足感がハンパない(^.^)  そしてラストは超懐かしい「おでかけしましょ」... 新型コロナで外出自粛中の身には実に皮肉なタイトルの曲だが(笑)、一日も早くパンデミックが収束してこの曲をライヴで聴けるようになりますようにと願ってしまう今日この頃だ。
【B’z】B'z SHOWCASE 2007 -19- at Zepp Tokyo

B'z Live-Gym特集①「Live Dinosaur」

2020-05-03 | B'z
 新型コロナウイルスの感染拡大で外出自粛が続く中、B'zが “B'z LIVE-GYM - At Your Home-”と題してこれまでにDVDやBlu-rayでリリースしてきたライヴ映像全23作品をYouTubeチャンネルで無料公開してくれている。5月末までの期間限定ながら、何千円もする映像作品をタダで一般公開するとは何という太っ腹。私は全作品を持ってはいるが、B'zのライヴがYouTubeで手軽に観れてしまうというのは実にありがたくって、寝る前に2~3曲パソコンで観て次の日に改めてブルーレイを大画面で全曲楽しむというパターンにハマっている。
 1ヶ月ほど前にヤフオクでB'zの廃盤アナログLPをゲットしてちょうどB'z熱が再燃していたところへこの“おうちでLIVE-GYM”企画、4月の半ばには稲葉さんのイナサラ・プロジェクト第2弾アルバムがリリースされ、更に先日のYouTube HOME session 公開と、立て続けの燃料投下で私的に大いに盛り上がっているので、このGWはブログで B'z祭りをすることにした。まずは “B'z Live-Gym特集” と題して彼らの映像作品の中でもベストの1枚と信ずる「Live Dinosaur」を取り上げよう。
 この「Live Dinosaur」は2017年にアルバム「Dinosaur」発表後に行われたツアーの1・14さいたまスーパーアリーナ公演の模様を収録したもので、いきなりオープニングで松本さんが十字架をバックに床からせり上がってくるわ、東京タワーみたいな謎の塔(?)から電波を発信する映像をバックにコート姿の稲葉総統(笑)が演説台からそれこそまるで演説をするかのようなパフォーマンスで最新シングル「声明」を歌うわで、観ているこっちはテンション上がりまくりヽ(^o^)丿 B'zライヴのクオリティーの高さは折り紙つきだが、特にこの日の稲葉さんは絶好調で、歌も動きもキレッキレだ。
 私がLIVE-GYMを観る時にいつも楽しみにしているのが稲葉さんのMC “B'zのLIVE-GYMにようこそ!” の演出なのだが、この日はスクリーンに映し出された恐竜ロゴとの掛け合い漫才(?)で笑わせておいて、いつもの “B'zのLIVE-GYMにようこそぉ~!!!” という掛け声から超本気モードの「孤独のランナウェイ」へと一気になだれ込むところがめちゃくちゃカッコイイ(^o^)丿 このスリリングな展開こそがB'zライヴの真骨頂だ。
 私の記憶が確かならばこの曲はLIVE-GYM 2008 Glory Days 以来9年ぶりのセットインということになるが、今回のパフォーマンスはこの曲史上最高の出来ではないか。稲葉さんの放つ圧倒的なオーラは鳥肌モノだし、観る者を魅了するその動きは全盛期のエルヴィスを彷彿とさせると言っても過言ではない。バックの演奏もゴリゴリで、キャッチーでありながらハードに疾走するというロックンロールの理想形になっているところが何よりも凄い。ラストにお二人がステージ中央で“Just a runaway♪” とビシッとキメるところも最高だ。
 この後も絶好調稲葉さんの超絶シャウト波状攻撃に圧倒されっぱなしで、エンディングでのヴォーカルとギターの掛け合いで大盛り上がりする「Fireball」、斬新なアレンジのイントロで意表を突かれる「Motel」、女性ファンが大喜びのポップな「イチブトゼンブ」、高速メタル・アレンジに痺れる「DIVE」、巨大な恐竜のバボットの出現で視覚効果満点な「Dinosaur」、コール&レスポンス大会と化したライヴ初披露曲「フキアレナサイ」、失速寸前の超スローテンポから入って一気に加速するライヴ・アレンジが快感を呼ぶ「Still Alive」、アウトロのジャンプ3連発も含めB'zライヴに欠かせない大名曲「ultra soul」、ライヴでこそ真価を発揮するアッパー・チューン「BANZAI」と、LIVE-GYMの楽しさが満載だ。
 憎きコロナウイルスのせいで今は家のテレビでブルーレイを観て楽しむしかないが、1日も早くまたこんな凄いライヴを生で楽しめる日常が戻ってきてくれることを切に、切に祈りたいと思う。あ~早く次の LIVE-GYM 行きてぇ!!!
【B’z】B’z LIVE-GYM 2017-2018 “LIVE DINOSAUR”

B'z “HOME” session

2020-04-30 | B'z
 おとといの朝のこと、いつものように朝食を終えて台所で洗い物をしているとリビングからB'zの「Home」が聞こえてきた。ビックリして見に行くと、朝のワイドショーで “B'zが自宅から名曲をセッション” と題して、お二人がそれぞれ自宅からリモートセッションしてYouTubeのB'zチャンネルにアップしたB'z屈指の名曲「Home」の動画を取り上げていたのだ。不意を突かれた私がテレビの画面に釘付けになったのは言うまでもない。
 今は全国で緊急事態宣言が出され、娯楽施設はおろか普通のお店も軒並みシャッターを下ろし、街はどこへ行ってもガラガラだ。道を歩いていて人とすれ違う時も2mのsocial distanceを意識して距離を取るようになってしまったし、電車やバスなんて怖くてとてもじゃないが乗る気がしない。というか、他人がみんなコロナ保菌者に見えてしまって反射的に “こっち来んな!” と思ってしまう自分が悲しくなってくる。
 テレビもネットもコロナ関連のネガティヴなニュースばかりだし、F1やプロ野球といった娯楽スポーツ観戦で気分転換することもできない。仕事の方も新しい職場はめちゃくちゃ楽しいのだが先週から慣れない在宅ワークが導入され、仲良しの同僚とアホな話しをしてキャッキャッすることもできなくなり(←何しに行ってるねん!)ストレスが溜まる一方だ。前にも書いたようにeBayの海外セラーたちもコロナでレコードどころじゃなさそうだし、これまで毎週のように通っていたB-SELSにも行けなくなってしまい、ないないづくしで気が滅入っていたのだ。
 そんな時に目にしたB'zのこの動画、ファンとしてはお二人の自宅が見れて興味津々で、後ろに飾ってあるジミヘンの肖像画がめっちゃ渋いし、ギブソンのTシャツを着てギブソンのギターを弾く松本さん(←裸足!)や、圧倒的なオーラを放つ稲葉さんのカッコ良さとか、見どころ満載の2分46秒なのだが、やはり何と言ってもこれからGWに突入しようというまさにこのタイミングで、敢えて「Home」と言う曲を選んでお二人の心意気に感動する。ブツクサ文句を垂れるだけで他人の批判しかできない連中が多い中で、あくまでも音楽を通して人々にメッセージを届けたいというお二人の姿勢がたまらなくカッコ良い。それにしても2日間で200万回視聴って凄いな...
 稲葉さんはこの曲をリリースした当時のインタビューで「自分の中のよりどころ、ゆるぎないもの、それがあれば何が起きても大丈夫」と Home という言葉への思いを語っておられたが、そんな稲葉さんが「Home」を歌い始めると、コロナで疲れ切った心にまるでポッと灯がともったように感じる。心が温かくなる。音楽ってありがたいな... そう思える瞬間だ。この曲の “あいつをいじめたって そんなのまるで 答えにゃならないよ...♪” という歌詞はコロナでギスギスした日本社会への警鐘として心に響く。お二人が伝えたかったのは、みんなが辛いこんな時こそ “深呼吸をひとつして” 冷静になり、自分らしさを見失わずにこのパンデミックを乗り切ろう、というポジティヴなメッセージなのだと思う。
 音楽とは希望である。生きていることの喜びである。そしてB'zのお二人はCD、ライヴ、そして今回のような動画を通してその喜びを私達に与えてくれる。彼らの曲を聴くと “もうちょっと頑張ってみよう...” という気持ちになれる。だから私はB'zが大好きなのだ。彼らのファンであることを心から誇りに思うし、これからもずっと彼らの音楽を聴き続けていきたい。このGWは自宅でゆったり寛ぎながら “自分だけのHome” を見つけるとしよう。
B’z “HOME” session


【5/1追記】昨日、B'zのサポートメンバー達が海外から参加した“バンド・セッション” ヴァージョンが新たにアップされたので貼っときます。バンド・サウンドで聴く「Home」もエエなぁ...(≧▽≦)
B’z “HOME” Band session


STAY HOME。B’z “HOME” session オンラインライブ!一発撮りでこれは凄すぎ。【リアクション動画】〔#220〕

EPIC DAY / B'z (Pt. 2)

2015-03-11 | B'z
 私がこのアルバムの中で最高に気に入っているのがアルバム・タイトル曲の⑥「EPIC DAY」だ。初めて聴いた時は “これ、パープルの「バーン」やん!!!” と思わずイスから転げ落ちそうになったが、もうそんなことなどどーでもよくなってしまうぐらいカッコ良い疾走系ハードロックに仕上がっているのだから嬉しくってたまらない(≧▽≦)  タマホームCMでもお馴染みの古典的リフをベースにして煌めくような必殺フレーズを次から次へと紡ぎ出していくリッチー松本(笑)のラウドなギターが圧巻だ。
 見方を変えれば “パクリ論争” に燃料を投下する1曲とも言えるが、これって自分達のルーツであるハードロックへの愛情と敬意に満ちた松本さんならではの遊び心そのものではないか! 私には、そういった批判がくることを計算ずくで、敢えてそれと分かる形で “ディープ・パープル好きです大会” をやっているとしか思えない。
 そもそも B'z というのはゼップやパープルに代表される古き良きブリティッシュ・ハードロックのサウンドを21世紀の現在においてもしっかりと継承し、それを日本人ならではの感性で再構築して完璧なテクニックで再現してくれる邦楽史上最強のロック・ユニットであり、彼らの魅力はその一点に尽きると私は考えているので、この曲を聴いた時はもう飛び上がりたいぐらいコーフンした。
 ハッキリ言って今のパープルがどんなに頑張ってもこれだけのオリジナル・パープル像は再現できないだろう。 “パープルそっくり、いや、パープルそのまんまやないか!” という批判に対して “それがどーしたソー・ホワット???” と胸を張れるだけの完成度がここにある。聴く者のアドレナリンをドバーッと噴出させること間違いなしの血湧き肉躍るイントロ、ジョン・ロードが憑依したかのような増田さんのキーボード・ソロ、リッチー特有のゴツゴツ感を見事に再現した松本さんのアグレッシヴなギター・ソロ、そしてそんな二人のバトルにドカドカと乱入してきてそのままバトルロイヤル状態へとなだれ込むシェーンのツーバス・ドラムと、まさに “深紫より出でて...” を地で行く出藍の誉れ高き70'sブリティッシュ・ハードロックが楽しめるのだから痛快そのもの(^o^)丿  私的には文字通り10年に一度出会えるかどうかのエピックなキラー・チューンだ。松本さん、リッチーの次はマイケル・シェンカーなんかどうでしょうか(笑)
エピックデイ

木村拓哉 タマホーム CM 「日本の家は高いの?」篇


 上記3曲がこのアルバムの私的トップ3だが、B'zバラッドのお約束といえる雄大なスケールで迫る③「Exit To The Sun」、アルバム「RUN」の頃を想わせるファンキーさが懐かしい④「NO EXCUSE」、たたみかけるような後半部の盛り上がりが気持ち良い⑧「Black Coffee」、“コレデイイノダ~♪” という奇天烈なリフレイン(笑)が耳に残るスルメ・チューン⑩「Man Of The Match」など、他の曲も聴き応え十分だ。
 付属DVDは2012年の大阪城ホールでのライヴを収録したもので、約2時間にわたって全20曲が完全収録されているのが嬉しい。初のライヴ映像化となる③「ゴー・フォー・イット・ベイビー」で仁王立ちする稲葉さんは全盛期のロバート・プラントを彷彿とさせる凄まじいオーラを放っているし、最後に待っていたサプライズといえる「HEAT」のビデオ・シューティングでの異様な盛り上がりも必見。①「愛バク」、③「ウルソ」、⑬「ダンガン」、⑭「ジュース」、⑰「ホーム」の英語詞ヴァージョンが聴けるのもこの時期のライヴならではだし、⑥「Easy Come, Easy Go」、⑦「Motel」、⑧「もう一度キスしたかった」、⑨「愛しい人よGood Night」、⑩「ZERO」、⑪「ミエナイチカラ」、⑫「ねがい」と懐かしいナンバーが続く中盤のセトリにも涙ちょちょぎれる。B'zってホンマにエエ曲書くよなぁ... と改めて実感させてくれるこんなに素晴らしいライヴDVDが特典盤やなんて、ホンマにエエんかいな。そりゃーライヴグッズやアナログレコードも欲しいけれど、どれか一つを選べと言われれば絶対にこのライヴDVD付きに限ると思う。ただし初回限定特典なので、ファンの人は手に入るうちに買っときましょうね。
B'z / DIGEST「B'z LIVE-GYM 2012 -Into Free- EXTRA」

EPIC DAY / B'z (Pt. 1)

2015-03-09 | B'z
 アマゾンで予約しておいた B'z のニュー・アルバム「EPIC DAY」が届いた。前作の「C'mon」がどこか重苦しい雰囲気でハードロック色が希薄だったこともあって3年8か月ぶりとなるこの新作には期待半分不安半分というのが正直なところだったが、いざ実際にアルバムを聴いてみると私の予想を遥かに上回る素晴らしさで、“やっぱり B'z はエエなぁ...(^o^)丿” と大コーフン。最近ガール・グループばかり聴いてユルユルな精神状態だった私にガツン!と一発食らわせる王道ロックのアメアラレ攻撃に完全KOされてしまった。
 この「EPIC DAY」は (1)CDのみの通常盤、(2)ライヴ DVDが付いたロングボックス仕様盤、(3)トートバッグやマフラータオルといったライヴグッズが付いたスペシャルボックス仕様盤、そして(4)アナログレコードという4種形態での発売だが、私は迷わず(2)ライヴDVD付きロングボックス仕様盤をチョイス。無意味なロングボックスは資源の無駄遣い以外の何物でもないアホバカ企画だが、新作とライヴDVDがセットで5,261円だなんて超お買い得だ。
 アルバム収録曲は全10曲でトータル43分23秒、しかもCDの曲名表記が SIDE-A と SIDE-Bに分けられており、明らかにアナログLPを意識した作りになっている。私的には1枚のアルバム作品で60分も70分も入っているのは集中力が続かず好きではないので、これぐらいの長さがちょうどいい。
 まずアルバム1曲目を飾る①「Las Vegas」だが、“空のF1” と呼ばれるレッドブル・エアレースのテーマ曲になっており、松本さんのラウドなギターとゴージャスなホーン・セクションが生み出す圧倒的なグルーヴが快感そのもの(^o^)丿 サビの “ラスベガ~ス♪” が脳内リフレインを起こすこと必至のキャッチーなナンバーで、もう1曲目からいきなりテンション上がりまくりである。名盤「LOOSE」のサウンドを更にパワー・アップさせたようなダイナミックなビッグ・ロックがたまらんたまらん(≧▽≦) やっぱりB'zはこうでなくっちゃ!
B'z / Las Vegas


 アルバムからの先行シングルとなった②「有頂天」を初めて聴いたのは昨年暮れに放送されたミュージック・ステーションで、どういうわけかステージの音響がおかしかったせいもあっていまいちインパクトが弱かったのだが、年明けに届いたCDシングルを聴いてビックリ...(゜o゜) どっしりと腰の据わったリズムに乗ってエッジの効いた松本さんのギターが炸裂するめちゃくちゃカッコ良い曲ではないか! こんなゴリゴリしたロックを聴くのはホンマに久しぶりだ。稲葉さんのヴォーカルは絶好調と言ってよく、その変幻自在な歌声に耳が吸い寄せられる。間奏中に挿入される “ハイ ハイ ハ~イ ハァ~イ♪” もめっちゃクール。隠し味的に使われているストリングスの絶妙なアレンジにも唸ってしまう。聴けば聴くほどクセになる麻薬的な魅力を内包した1曲だ。下に貼り付けたのは日テレの LIVE MONSTER に出演した時の映像だが、何回観てもホンマにカッコエエわ(≧▽≦)  (つづく)
B'z 有頂天 LiveMonster

B'z The Best XXV 1999-2012 (Pt. 2)

2013-07-07 | B'z
 2枚のベスト盤発売に合わせて始めたB'z祭りもいよいよ最終回。今日は「B'z The Best XXV」黒盤のパート2で2006年以降の彼らの軌跡を振り返ります。

①衝動
 この「衝動」はシンプル&ストレートなノリを持った疾走感溢れるロックンロール・ナンバーで、前年末にベスト盤「Pleasure Ⅱ」でそれまでの活動を総括してまだ間もない2006年1月にこの曲がシングルとして出た時は、休むことなく前進を続ける彼らの創作意欲の高さと自分達の原点であるロックンロールに拘り続ける姿勢に感動したものだ。この曲はノリノリな曲調と同様に歌詞の方も “誰もが無限の可能性を抱きしめて生まれてきたんでしょう? ねえ♪” や “希望とは目の前にある道~♪” など前向きなフレーズが満載で、車の中で聴きながらアクセルベタ踏みでカッ飛ばすとストレスも一気に解消できるという効能(?)もある。ミュージック・ビデオは稲さんが “しょーどう!!!” と渾身のシャウトをキメている後ろで書道の大家っぽい人がモップみたいなデカい筆を振り回すというユニークなもので、 “衝動” と “書道” とを引っ掛けたダジャレの成否は別として(笑)、エンディングで見れる “衝動” の2文字の力強さがこの曲の持つエネルギー感と見事にマッチしている。尚、アルバム「MONSTER」収録の “MONSTER MIX” はギター・ソロやラストのシャウト部分が差し替えられており、より躍動感に溢れたハイ・テンションなヴァージョンになっている。
B'z / 衝動


②SPLASH!
 最近の B'z の曲は基本的に “ストレートに押しまくるロックンロール” と “熱く歌い上げるバラッド” の2タイプに分類されるが、この「SPLASH!」はそのどちらにも属さないダンサブルなミディアム・テンポのナンバーで、聴けば聴くほど “カッティングの魔術師” 松ちゃんの硬質なギター・サウンドが耳について離れなくなるスルメ・チューンだ。ジュリーの「酒場でダバダ」を想わせる “歌謡ロック” そのもののイントロ、違和感なしにBメロから転調する見事な構成、畳み掛けるような稲さんの言葉の速射砲が楽しめるサビ(←ちょっと「DEEP KISS」に似てる?)、彼らお得意のツイン・ヴォーカルっぽいコーラスと、実に細かい部分まで丁寧に作り込まれた作品で、まさに “熟練の職人の仕事” と言っていい出来ばえだ。稲さん曰く “人間の生存本能を描いた詞” という歌詞は、 “交わり合う性と生♪” “愛のタネでいのちの花咲かせて~♪” “ムキ身のままでまっすぐDive~♪” “あなたの中でビュンビュンほとばしる~♪” など、あの「juice」をも凌駕するキワドイ表現連発のエロエロ路線なのだが、性についてこれほどストレートに歌いながら下世話ないやらしさを微塵も感じさせないのは稲さんのヴォーカリストとしての資質のなせる業なのだろう。
B'z


③BURN –フメツノフェイス–
 この「BURN –フメツノフェイス–」は今から5年前、つまりB'z 20周年にあたる2008年に唯一リリースされた記念すべきシングルなのだが、当時TV出演etcによるプロモーション活動が一切無かったことや、世間の注目が「ウルプレ」や「ウルトレ」といったベスト・アルバムの方に向いていたこともあって、話題性の面でやや盛り上がりに欠けた不憫なナンバーなんである。しかし私はこの曲が大好きで、 “世間は何でこの曲の良さがわからんのやろ?” と納得がいかなかった。確かに曲名はディープ・パープルだし、イントロのリフはサイモン&ガーファンクルの「A Hazy Shade Of Winter」そのまんま、Aメロはピンク・レディーの「サウスポー」を想わせるが、洋邦問わずにそういった過去の名曲たちのオイシイ部分を巧く消化して B'z ならではの歌謡ロックへと昇華させているところが私的にツボなのだ。私の記憶が正しければ「FIREBALL」以来の化粧品タイアップ曲(←これも曲名がディープ・パープルなのは単なる偶然なのか???)だったと思うが、今回も歌詞の中に商品キャッチコピーである “フ~メ~ツ~ノ~ フェイス!” を巧く織り込むあたり、さすがという他ない。特殊な視覚効果満載のミュージック・ビデオもちょっと目がチカチカするけど文句なしのカッコ良さだ。
B'z / BURN -フメツノフェイス-


④イチブトゼンブ
 「イチブトゼンブ / DIVE」は「ミエナイチカラ / MOVE」以来13年ぶりとなる両A面シングルで(←カタカナと4文字英語というカップリングは単なる偶然か...)、世間的にはドラマタイアップの「イチブトゼンブ」の方が大ヒットしていたが、私は最初のうちはイージーリスニングみたいな歌メロのこの曲よりもイケイケ・オラオラ調のロックンロール「DIVE」の方が好きだった。しかしこの曲のライヴ・ヴァージョンを見てすっかり気に入り、何度も何度も聴くうちにすっかりハマってしまって今では大の愛聴曲... その真価が分かるまで時間を要したニクイ1曲なのだ。曲としては「ミエナイチカラ」を想わせるミディアム・テンポの爽やか系ポップスで、松ちゃんのトレモロ攻撃や稲さんの一人追っかけコーラスも抜群の効果を上げているが、何と言ってもこの曲の素晴らしさはその歌詞だ。特に愛する人との関係においてついつい陥りやすい落とし穴を簡潔明瞭に指摘した “愛しぬけるポイントがひとつありゃいいのに~♪” のラインにはマジで瞠目させられた。稲さんってホンマにエエ詞を書くよなぁ... (≧▽≦)
イチブトゼンブ LIVE


⑤MY LONELY TOWN
 この曲が収められた「MAGIC」は数多いB'zのアルバム中でも三指に入る愛聴盤なのだが、その理由は一にも二にも “歌謡ロック” としての完成度の高さにある。日本人としてのアイデンティティーに裏打ちされた哀愁のメロディーとB'z流ロックが高い次元で見事に融合しているのだ。そんな名盤「MAGIC」の中で圧倒的な存在感を誇っているのがこの「MY LONELY TOWN」で、ミスチルの「ニシエヒガシエ」みたいなイントロに続いてパワフルなブルース・ロックが炸裂、畳み掛けるように展開するサビの部分ではストリングスが実に効果的に使われており、珠玉のメロディーをより引き立たせているところが素晴らしい。人と人との心の繋がりを歌った歌詞も心に響く。松ちゃんもアルバムのメイキングDVDの中で “久々の会心の一発” と語っていたくらいの名曲名演だ。軍艦島で撮影されたミュージック・ビデオもインパクト抜群で、曲想とピッタリ合った映像が楽しめる逸品に仕上がっている。
B'z / MY LONELY TOWN


【おまけ】先日YouTubeで放送されたB'z特番が公式にアップされたので貼っときます。あの伊藤政則氏がインタビュアーを務めているだけあって彼らの音楽的ルーツを掘り下げるなど他の番組とは一味も二味も違う興味深い内容です。
B'z 25th Anniversary YouTube Special Program

B'z The Best XXV 1999-2012 (Pt. 1)

2013-07-01 | B'z
 今日は「B'z The Best XXV」黒盤のパート1。1999年から2004年までの、何か吹っ切れたかのようにケレン味のないハードロックを演っていた頃の B'z です。

①juice
 この「juice」はB'z のシングル曲でも一二を争うヘヴィーなリフが支配するアグレッシヴなタテノリ・ハードロックで、随所で爆裂するドラムのオカズも実に効果的... ハイ・テンションで突っ走る驚愕のドライヴ感は理屈抜きのカッコ良さだ。聴く者のアドレナリンを大爆発させる野性のエナジー全開のこの曲はライブでめっちゃ盛り上がる定番曲で、この問答無用のゴリゴリ感がたまらない(≧▽≦)  歌詞の方も稲さんお得意の “エロ隠喩路線” の王道を行く傑作で、下品さを微塵も感じさせずにこれほどクールなセックス描写をできるのは凄いとしか言いようがない。ミュージック・ビデオは札幌で行われたゲリラライブを撮影したもので、周りをビルに囲まれた狭~い駐車場みたいな所に作られたステージで炸裂する B'zロックが痛快そのものだ。ナマB'zを一目見ようと制服姿で駆け出すOL達やビルの窓から覗いてる人達の姿もいっぱい映っていて、ビートルズのルーフトップ・コンサートやU2の「Where The Streets Have No Name」と並ぶ私的3大ファイバリット・ゲリラライブ・ビデオになっている。
B'z / juice


②ultra soul
 B'zのルーツがレッド・ゼッペリンやエアロスミスを始めとする70'sハードロックであることは論を待たないが、もう一つ忘れてならないのが彼らが聴いて育った昭和歌謡の存在である。それは様々なシンガーをフィーチャーして往年の歌謡曲をカヴァーした松ちゃんのソロ・アルバム「The Hit Parade」の中で「勝手にしやがれ」「異邦人」「涙の太陽」「イミテイション・ゴールド」といった日本人好みのマイナー・メロディーを持った昭和歌謡を代表する名曲の数々を取り上げていることからも明らかだ。そんな彼らが上記の「juice」で開陳した洋楽ハードロック的成分を封印し、日本人にしか出来ない “歌謡ロック” の究極の作品として作り上げたのがこの「ultra soul」だ。日本人の心の琴線をビンビン刺激するキャッチーなサビメロといい(←ラッツ&スターの「め組のひと」を想わせるサビのラスト “ウルトラソゥ、ハイ!!!♪” がたまらん...)、初期を彷彿とさせる打ち込みサウンドを巧く使った抜群のアレンジ・センスといい、ハードロック趣味に走った後の反動・埋め合わせ(?)として出された “一般ピープル向けの” B'zシングルとして非の打ち所のない逸品に仕上がっている。
B'z / ultra soul


③熱き鼓動の果て
 この曲を聴くといつも2002 ワールドカップ FIFA オフィシャル・コンサートでの彼らの雄姿が目に浮かぶ。イントロ無しでいきなりサビの歌い出しから入る前半のアコースティック・セットの爽快感と、松ちゃんがアコギからエレキに持ち替えてバンドが一体となって燃え上がる後半の疾走感のコントラスト(←ゆったりした “選手入場” から一転して “試合開始”、というイメージか...)が絶妙だ。特にヴォーカルに寄り添うようなコーラス・ハーモニーのアレンジが私的にはめっちゃツボで、稲さんの “ベイベ~♪” や “ハリケィン♪” といった一人追っかけコーラスの響きもたまらない。歌詞の方も稲葉ワールド全開と言っていいカッコ良さで、 “圧倒的孤独を味わい尽くし~♪” という浮世離れしたフレーズも凄いが、何と言っても私が好きなのは“土砂降りの雨だって 君となら喜んで濡れよう~♪” のラインで、“稲さんってホンマにエエ詞を書くよなぁ... (≧▽≦)” と感心したものだ。呪文のように繰り返される “モウスグデ アナタニアエル...♪” からスパッと切り落としたかのように唐突に終わるエンディングも秀逸で、有象無象の使い捨てJ-ポップスがバッコする日本のヒット・チャートには勿体ない名曲名演だと思う。
B'z FIFA 2002 熱き鼓動の果て


④IT'S SHOWTIME!!
 これはB'z 15周年記念で盛り上がっていた2003年にリリースされたシングルで、あれから10年も経ったのかと思うと時の流れの速さに驚かされる。曲調は疾走感溢れるB'z流ハードロックで、“獣たちも色めく 歓声(おたけび)はアリーナ揺らす~♪” や “チケットを握り ゲートをくぐれ~♪” のようにこれから始まるライブへの期待感をストレートに表した歌詞と相まって、これでもかとばかりに聴き手の高揚感を煽りまくるライブ定番曲になっている。 “灼熱への招待... ここじゃすべてがLive...” とたたみかけ、 “天井知らずの It's showtime!!” と韻を踏みながらストンと落とす稲さんの作詞センスに脱帽だ。縦横無尽に弾きまくる松ちゃんのギターもハンパない。シングル・ヴァージョンはシャリシャリした打ち込みドラム・サウンドでせっつくような感じを巧く出しているが、アルバム「BIG MACHINE」収録のヴァージョンはシェーン・ガラースの生ドラムをフィーチャーしておりライヴ感が格段にアップしている。尚、ミュージック・ビデオはロスのオルフェウム・シアターで撮影されたもので、スピード感溢れるカメラワークが音楽と見事にマッチしており、B'zのロック・ユニットとしての魅力を存分に引き出している。
B'z / IT'S SHOWTIME!!


⑤ARIGATO
 この曲を初めて聴いたのは確かテレ朝のタイアップか何かで、番組中に例の “ありがとぉ~ ありがとぉ~♪” とそれに続く“キュルルキュルルキュルルキュルル~♪” というギター・ソロのパートが断片的に流れてきて “何じゃこれは...???” と思ったのだが、その後フル・コーラスを聴いてみて第一印象とは全然違うのにビックリ(・o・) めちゃくちゃ壮大で力強いバラッドではないか! 松ちゃんの哀愁舞い散るギターの音色には涙ちょちょぎれるし、完全にコントロールされた稲さんのグルーヴィーなヴォーカルも圧巻だ。しかし何よりも凄いのはその曲構成で、前半の “静” から後半の “動” へとテンポ・チェンジしてエンディングまで一気呵成に突っ走るドラマチックな展開はまさに鳥肌モノ(≧▽≦)  レッド・ゼッペリンの名曲「天国への階段」にも通じるカッコ良さである。B'zのシングル曲の中では一般受けしない部類に入ると思うが、本物のロックを聴き込んできた人ならこの曲の完成度の高さに驚倒するだろう。個人的にはB'z名曲名演トップ3に入れたい超愛聴曲だ。ただ、曲のタイトルは、取って付けた様な「ARIGATO」よりも当初に予定されていた「そこに誰もいなくても」の方が良かったかな...
B'z / ARIGATO

B'z The Best XXV 1988-1998 (Pt. 2)

2013-06-25 | B'z
 今日は「B'z The Best XXV」白盤の続編で、1995年から1998年までの、私がリアルタイムで B'z を聴き始めた頃の思い出に残る5曲です。

①LOVE PHANTOM
 B'z のベスト盤は名曲名演の宝庫だが、そんな中で私が彼らの最高傑作と信じて疑わないのがこの「LOVE PHANTOM」だ。荘厳なストリングスが奏でるイントロから一転してデジタル・ビートに乗って疾走感溢れる B'z流ハード・ポップ・ロックが炸裂、稲さんの語りや元Mi-Keの宇徳敬子による囁きヴォーカル“そして私はつぶされる...♪” を織り込みながらありとあらゆるポップ・エッセンスを詰め込んでハイ・テンションを保ちつつ一気呵成に駆け抜ける様は圧巻の一言に尽きる。彼らの曲の人気投票で常にトップ3に入るこの曲は、私的にはB'z史上、いや、邦楽史上屈指の大名曲なのだ。それと、忘れてならないのがこの曲のミュージック・ビデオで、ヴァンパイアに扮した稲さんが曲のクライマックスでステージ・セットの一番上からダイヴするという設定のパフォーマンス(←松ちゃんがギターの先端からレーザー光線を出して数十メートル上にいる稲さんを照らすところもいい...)は何度見てもスリリング(≧▽≦) 特に「渚園ライヴ」DVDで「ラブファン」~「ZERO」へと続く流れは鳥肌モノのカッコ良さだ。尚、松ちゃんはフル・オーケストラとコラボした2004年リリースのソロ・アルバム「House Of Strings」でもこの曲を取り上げており、B'z とは又違ったアレンジ・解釈でオーケストラのド迫力サウンドをバックに弾きまくるギターが堪能できる素晴らしい作品になっている。
【MAD】LOVE PHANTOM / B'z

Tak Matsumoto with Orchestra - LOVE PHANTOM


②FIREBALL
 シングル「LOVE PHANTOM」と同曲を含むトリプル・ミリオン・セラー・アルバム「LOOSE」で行きつくところまで行ってしまった感のあるB'z が、自らの出自であるハードロック色を前面に打ち出して新たな可能性を切り開いた記念すべきシングルがこの「FIREBALL」だ。前年にゼップのサウンド・エンジニアとして有名なアンディ・ジョーンズをプロデューサーに迎え、大胆不敵なハイトーン・ヴォーカルとAC/DCばりの徹底したリフ攻撃に痺れる全英詞(!)シングル「Real Thing Shakes」をヒット・チャート1位に送り込んだのも前人未到の偉業だが、その約1年後にリリースされたこの「FIREBALL」では “No Synthesizer & Computer Used” というクレジットが示す通りの “完全生音” バンド・サウンド(←ドロドロ感に満ちたうねるようなグルーヴが圧巻!)で日本語詞のハードロックを演っているのだから、彼らがアーティストとしての次のステージへと進んだマイルストーン的な作品と言えるだろう。この曲には資生堂化粧品のタイアップが付いており、歌詞の “魂に火をつけろ~♪” の前に “メェーィク” という稲さんの掛け声を入れて “メイク魂に火をつけろ” という化粧品キャッチ・コピーに仕立て上げた点は実に秀逸(^o^)丿 ラストの “飛んでゆける 空を燃やしながら~♪” での高音シャウトは稲さんにしか出来ない離れ業だ。ミュージック・ビデオも80'sメタル色全開のカッコ良さで(←何てったってヘビメタ・バンドのビデオには “炎” が付き物!)、この手の硬派なロックが大好きな洋楽ファンに超オススメだ。
資生堂ピエヌ CM 1997

B'z / FIREBALL


③Calling
 B'z の曲には2つの異なる楽曲を組み合わせたような “接合型ソング” が結構多く、中には無理やりくっ付けたようなものも無いではないが、この「Calling」はそういった “接合型ソング” の中でも屈指の大傑作。異なるメロディーを持った2つのパートが絶妙にお互いを引き立てあっているという稀有なナンバーだ。私にとって本格的なB'zとの出会いがこの曲であり、彼らに他のJ-POPアーティストには無い “洋楽ロックの薫り” を感じ、それ以来16年間の付き合いのきっかけとなった思い出の1曲なのだ。'97 FIREBALLツアーのアンコールで初披露されたこの曲の原型は中間部のメロウな胸熱バラッド部分のみだったが(←「Hidden Pleasure」DVDに収録)、シングル化するにあたってその前後にAC/DCの「The Furor」みたいなリフと稲さんの “こぉ~の声が聞こえ~るかい♪” の掛け合いが高揚感を生み出すエレクトリック・パート(←隠し味的に使われているアコギが効果抜群!)を付け加えて完成したというキラー・チューンだ。クイーンの「We Will Rock You」にも比肩しうる圧倒的なグルーヴ感に酔いしれていると一転して静謐なピアノの響きが印象的なバラッドへ、そして徐々に盛り上がって行ってクライマックスを迎え、再びイントロのヘヴィーなリフへと戻っていく... このスムーズな転調の妙こそがこの曲の最大の聴き所だろう。歌詞は単なるラヴ・ソングではなくもっと深い人間同士の絆を歌ったもので、聞くところによると稲さんが松ちゃんに宛てたメッセージだという。そう思って聴くと、歌に呼応するかのように挿入されるギターのフレーズが松ちゃんから稲さんへの返答のように思えてくる。
B'z / Calling


④Liar! Liar!
 1997年はまさに私にとってのB'z元年で、「FIREBALL」のCMで知らぬ間に脳内にB'z回路が形成され、「Calling」で彼らのファンになり、そしてこの「Liar! Liar!」で一生彼らについていこうと決めたのだった。つまり私にとっての “運命の1曲” になるのだが、何とあのマーティ・フリードマンもこの曲でB'zにハマったらしく、メガデスのメンバーとして来日してた時にたまたま街でこの曲を耳にして大感激し、すぐにCD屋に走ったという。 “ボクがJ-POPファンになって日本に住み着いたのはこの曲がきっかけ” と公言してはばからないマーティの気持ち、めっちゃわかるなぁ...(^.^)  私にとって、そしてマーティにとって、それほどこの曲は衝撃的だったのだ。これまで “ハードネスとポップさの絶妙なバランス” を追求してきた彼らが “原点回帰” と位置付けたこの曲は、打ち込みデジタル・サウンドが炸裂するイントロから一気にラウド&キャッチーなハードロック・サウンドへなだれ込み、爆発的なエネルギーの奔流を感じさせながら息をもつかせぬ展開でメロディアスに突っ走るという、まさにB'zロックの王道を行くナンバーで、糸を引くような稲さんの粘っこい唱法とハジケまくりの歌詞が見事にマッチしているのが凄い。ニュー・オーリンズで撮影されたミュージック・ビデオはスピード感あふれる映像編集でめっちゃカッコ良いのだが、ワニが出る(!)沼地で松ちゃんがギター・ソロを弾くシーンがあって、この前のYouTube番組のインタビューで “アレは本当に怖かった...” と当時を回想していたのには笑ってしまった。ビデオ撮影も命がけやなぁ...(>_<)
B'z / Liar! Liar!


⑤HOME
 B'zのバラッドには心に響くキラー・チューンが多いが、そんな中でも別格中の別格と言っていいぐらい好きなのがこの「HOME」だ。出だしのアコーディオンの音色からして何かこう心にポッと温かい火がともる様な感じがするし、アーシーな雰囲気漂うアコギが実に良い味を出している。 “鏡をのぞけば~♪” の所で間髪を入れずに “テクマクマヤコォ~ン♪” という稲さんの追っかけコーラスを挿入する遊び心も◎。香港で撮影されたミュージック・ビデオもアジアン・テイスト溢れる仕上がりで、それぞれのシーンが曲とめっちゃ合ってて何度見ても飽きない。とにかく、将棋相手に盤をひっくり返されて一目散に逃げる松ちゃんの迫真の演技(笑)や曲に合わせてミディアム・スロー・テンポで中華鍋を振る稲さんの手さばきなど、見どころ満載なのだ。しかし何と言ってもこの曲が素晴らしいのはその歌詞で、共感できるポイントが一杯あって “ホンマにエエこと言うなぁ... (≧▽≦)” と感心してしまう。そういえば当時付き合ってた彼女とつまらんことでケンカしてお互い意地を張って口もきかなかった時期に、それまで軽く聞き流していた歌詞の “君を傷つけていっぱい泣かせて... 僕はもう眠れなくて... 後悔してるのにまた繰り返す... どうしようもなくダメなんだ~♪” の部分を聴いて自分の心の中を見透かされたような気持ちになり、サビの “言葉ひとつ足りないぐらいで 笑顔ひとつ忘れただけで ほんの少しのすれ違いだけで 全部あきらめてしまうのか 愛されるばかりが能じゃないだろう~♪” で大いに反省して(笑)すぐに彼女に謝りの電話を入れたのを覚えている。この曲に限らず、例えば「ラブファン」の “少しのズレも許せない セコイ人間になってたよ~♪” を聴いて “もっと心の広い人間にならなアカンなぁ...” と思ったりとか、これまで稲さんの書く歌詞のおかげで自分を省みれたことが何度もあった。そういう意味でもB'zは私にとって特別な存在だったし、これからもずっとそうあり続けるだろう。
B'z / HOME

【おまけ】MAD職人さん、GJ!!!
B'z キリンビ-ルCM