五条通と新三条通が合流して、湖西方面の161号線と湖東方面の1号線に別れる「四宮の合流点」は、名神の出入口でもある。
この大合流点が旧東海道を分断している。
(クリック拡大 googleから)
地図で見る限り、旧東海道は東西双方で途絶えている。1963年開通だから、まさに高度成長期の突貫工事で、旧街道のことなど無視されている。
それでも、何らかの配慮はあるだろうと信じて、来てみたが、やはり迂回路が見当たらない。
結局この日は、旧東海道の分断点から、名神沿いに坂を下って、名神下の通路をくぐり、五条1号線の下をくぐり、グルーっと大回りをして、新三条通の四宮交番にたどり着き、そこから旧東海道(旧三条)に入って京都までたどり着いた。体力より、精神的に疲れた。
再調査
しかし、旧東海道は、本当にそんなに無視されているのだろうか。
そんなはずは無い。きっと見落としだ。
そう思い、今度は電車で行き、歩いて確かめることにした。
山科駅から東に歩いて、旧東海道が途切れる地点まで来ると、四宮の合流点の上に歩道橋があるがやはり、トンネルは無い。
歩道橋を渡って東側に降りると、当たり前だが、旧東海道がある。
歩道橋の上から、西向き京都方向
そこから人気の無い街道を東に上り始めると、70代の男の人が道端で煙草を吹かしている。猿回しのサル(失礼)のようなカラフルな柄のニットの上着を着て、やはりカラフルな帽子を被っている。
「すみません、この東海道は自転車ではどう渡るんですか?」
と、声を掛けると、煙草で忘我の境地だったらしく、「ワッ」と驚いて、
「あ、あ、そこに歩道橋があります」
「はあ、そこから来たんですが、自転車はどうするんですか?」
すると、満面の笑みになって、めちゃくちゃ優しそうな猫なで声で、
「あ、自転車でも渡れますよ~。そこ、行ったところにトンネルがあります。自転車担いで歩道橋渡る人も、よう、いてはりますよ~」
ほんの少し歩くと、民家の私道のような脇道があり、どうもこれがトンネルの降り口らしい。見渡しても、何の標識も出ていない。
「自転車は降りて通行しましょう」と書いてあるところを見ると、おそらくこれがトンネルに続くのだろう。
結局、知る人ぞ知るで、地元の人のためだけにあるトンネルだ。
初めて来た人には、先ず、分からない。前回、見落としたわけだ。
確かにトンネルがあった、黄色の看板の小さな入口
歩道橋から東向きに見た、トンネルの位置
(つづく)
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