以前、テレビCMで、「♪わたし大好きお洗濯」と言っていた。
実際、洗濯好きは案外、多い。とくに、洗濯機ができてから、こういう人が出てきたと思う。
何が好きなのかというと、おそらく、自分のやった事の成果が、ハッキリでることが快感なのだろう。
同じように、掃除好きも結構いる。ただ、レレレのオジサンの場合は、コミュニケーションが目的みたいだから、ほうきは適当に動かしているだけのようだ。
洗濯好きは、ほとんどが自動車人間のエンジンだ。エンジンの人には、「リスの観覧車」が要る。常に動いてなければ、病気になってしまうだろう。
昔の男の中には、奥さんが外に出ることを嫌い、しかも、大切にするために小間使いを雇い、何もさせないことを男の甲斐性だと思っている人がいた。
こういう旦那で奥さんがエンジンだったとすれば、奥さんは鬱になってしまうだろう。
旦那でなくても、母親が子供を抱え込んでしまう場合も同じ事だ。
実際に、相談を受けたことがあるから、それほど大昔ではないし、ご主人が金持ちだったわけでもないが、とにかく奥さん思いの夫で、買い物も掃除洗濯も全て自分がやってしまう。しかも、奥さんが勝手に外出すると、不機嫌になるので、ほとんど外出できない。悪いことに、この愛想の良い奥さんがエンジンだった。
何もしないで、一日中家にいるので、手芸などをやっているが、とてもそんなものでは足りなくなる。子供もいないから用事も無い。そこで、毎週のように家の模様替えをしていた。小さな家だから、模様替えと言っても、タンスとベッドとソファーの配置を入れ替えるぐらいで、ご主人が帰ってくると、常に家具の位置が変わっている。ところが、不思議なことに、ご主人はこのことには一切、文句を言わなかった。
しかし、いくら家具を入れ替えても、いい加減、飽きてくる。とうとう、病気がちになり始めた。
病気の相談だったが、事情を聞いているうちに、「角を矯めてエンジンを殺す」だと解ってきた。ご主人が模様替えに文句を言わないのは、現実主義のクールで、成ってしまっていることには文句を言わないからだ。
結局、ご主人が、妻思いで、何もしなくていいのは事実だが、してはいけない、出ては不機嫌になると思い込んでいるのは、奥さんの独り相撲ではないか。
奥さんの、「優しい夫」幻想に、奥さん自身が捕まっている。自分で自分を縛っている。
その辺のところを解説して、小さな事から一つずつ、拘束破りを試してみてはどうかと勧めてみた。
その後、初めのうちは、ご主人の驚き反応は有ったものの、何一つ止められるわけではなく、子供もできて、結局は、逆に、何でも奥さん任せの家庭になったそうだ。
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