魯生のパクパク

占いという もう一つの眼

政治死語

2023年07月18日 | 日記・エッセイ・コラム

昔バブルの頃、ある地方の人から、世間話として地元の選挙を聞かれた。星の配置を見ると、革新を意味していたので、これまでの情況を聞くと、ずっと革新系が強く、現在も革新系だという。単純には革新系が勝つことになるが、「革新」とは情況の革新が起こることだからこれまでと違って、保守系かも知れないと話した。結果は保守系だった。

これは、占星術的にも政治の見方にも大きな示唆となった。
その後、いわゆる55年体制が崩れ、政治を右派左派では語れないという見方が主流になったが、いまだに、政治用語として革新系とか左派、左翼とか当たり前に使われている。
この場合、革新や左派の定義はイデオロギーを背景にすることらしいが、100年以上も前のイデオロギーを謳い、実際には古代帝国を再現する体制まで革新、左翼と呼んでいいのだろうか。そうなると逆に、保守や右翼とは何なのかよく解らなくなる。

先日、中国共産党の王毅委員が「髪を染め鼻を高くしても西洋人にはなれない」と発言し、人種問題として注目された。脈絡が解らないので、後に言い訳したように、日中韓の結束を言いたかったのだろうと思う。
ただ今更、ここで言葉尻を捉えて中国共産党の人種問題を云々しても始まらない。チベット、ウイグル・・・と、次々と同化政策を進める共産党の「共」は、「共存」ではなく「共通」を意味し、言語や慣習の一元化によって平等社会が可能になると固く信じている。
これは、占領地で日本式教育をし、宮城遙拝を強いた戦前の日本の軍国主義と同じで、他人に自分の好物料理を食べさせて、幸せにしてやったと信じている未開人の無知蒙昧だ。

日本の軍部がそうであったように、共産党のルーツは「田舎者」であり、教育によって博識ではあっても、根底に流れる価値観は因習的な差別世界だ。だから、善意で情熱的であるほど、他人を傷つける。
中国共産党の「蛮行」は、情熱と善意に始まっている。だから同化政策の何が問題なのか全く解っていない。旧ソ連もそうだが、欧米の人間解放による多様性の共存が全く理解できないから、音楽や芸術文化を無秩序な退廃としか見ることができず、苦々しく思い蔑視している。
「髪を染め鼻を高くする」自由を、自分自身が持っている欧米コンプレックスだと思い、嫌悪している。王毅委員の言葉は、共産党の「清らか」な本音が漏れたに過ぎない。

今、マスコミやSNS上で飛び交う「左翼」という言葉は、こんな中国共産党や北朝鮮王朝を指して使われるようだ。中共や北の何がいったい「革新思想」なのだろう。
逆に、保守とは一体どんなことを言うのだろう。有権者の顔色ばかり見て、ごまかしや騙しを積み重ねるポピュリズム政治を「保守」と言うのだろうか。
右翼左翼で政治を語れないと言われ始めてから、まもなく半世紀が経とうとしている。
「死語」で考えるから政治も死ぬ。目を研ぎ澄まし、的確な定義と形容をしないから、何も生まれてこない。


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