魯生のパクパク

占いという もう一つの眼

干支の話(6)

2015年07月25日 | 占いばなし

六十干支の構成による、空亡気質が生まれる理由の一つに「十二運」がある。

十二運

十干は陰陽五行に割り振られているため、干と十二支との関係には強弱がある。
これは、五行が季節を表すからであり、十干はそれぞれ、十二支の季節によって盛んになったり衰えたりする。
甲乙は木の陽と陰で、春に最も栄え秋に衰える。
丙丁は火の陽と陰で、夏に最も栄え冬に衰える。
戊己は土の陽と陰で、火と同じと見なす。(火と灰の関係)
庚辛は金の陽と陰で、秋に最も栄え春に衰える。
壬癸は水の陽と陰で、冬に最も栄え、夏に衰える。

干から見た十二支との関係を人生の各段階になぞらえ、「十二運」と呼ぶ。
十二運は、「胎、養、長生、沐浴、冠帯、建禄、帝旺、衰、病、死、墓、絶」として、
胎内に宿り、育ち、生まれ、沐浴をし、元服し、自分の力で禄を食み、一城の主となり、衰え、患い、死んで、墓に入り、絶え果てる様を表している。
したがって、最も強いのは建禄、帝旺辺りであることは字面を見るだけで想像できる。

「甲」(木の陽)の場合
子=沐浴、丑=冠帯、寅=建禄、卯=帝旺、辰=衰、巳=病、午=死、未=墓、申=絶、酉=胎、戌=養、亥=長生となり、春の陽木「寅」が建禄、卯が帝旺で、木は春に最強になる。
同じ木でも、陰の乙は、陰木「卯」が建禄、寅を帝旺として逆に回っていく。

これは、木の陽「甲」が陽支「寅」を「建禄」とするのに対し、陰の「乙」は陰支「卯」を建禄とするため、陰陽逆の木「寅」を求めると逆方向にあることで、逆に巡ることになる。
つまり、十二運は「建禄」が基点となり、「帝旺」より、重要であることを表している。
人生で言えば、禄を食むこと自活・生産することは、最もパワーがある時であり、建禄の方が、少し陰りが見える帝旺よりも有効な強さであることを意味する。
会社で言えば、建禄は社長で、帝旺は会長と言ったところだろうか。

陰は陰、陽は陽
六十干支の干支配合は、全て、干が陽なら支も陽、干が陰なら支も陰の組み合わせになっている。当然のことながら、十干十二支の組み合わせは、半分の、6通りしかない。
1番の甲子は、甲から子を見て「沐浴」の気質になる。2番の乙丑は、乙から丑を見て「衰」になる。このように、六十干支はそれぞれ十二運の気質を持ち合わせている。

そして、空亡の列による十二運の偏り具合が、空亡全体の気質に影響を与える。
最も極端なのは、子丑空亡で、甲寅=建禄、乙卯=建禄、丙辰=冠帯、丁巳=帝旺、戊午=帝旺、己未=冠帯、庚申=建禄、辛酉=建禄、壬戌=冠帯、癸亥=帝旺
すべて、身旺と言われる最強のエネルギーで構成されたグループであり、これだけでも意志の強さがうかがわれる。

ただし、子丑空亡が強いわけではない。意志は強いが、向こう意気は弱い。つまり、強気であっても勝ち気ではない。
勝ち気な人はえてして、意志の弱い人が多く、弱気をカバーするために強く出るから、一見、強そうに見える。
強気の人は自分を基準に考え、弱気の人は他人を基準に考えるため、人あしらいは弱気の人の方が上手く集団の長になり、強気の人は人に頼らないため、スター的に孤立して目立つ。

辰已天上


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