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占いという もう一つの眼

長子社会 4

2023年11月06日 | 兄弟関係

【未来は一人っ子社会】

制度と文化からの脱皮
実際に、未来社会に進むためには、「婚姻、税、選挙」からの脱皮が必要条件だ。
今後はAIとロボットで労働環境が変わり、古代アテネの貴族社会のようになるから、潤沢なベーシックインカムを前提とすれば、職業は生計と無縁になり貴賎がなく、多様な才能が花開く。今、盛んにAIの危険が叫ばれているが、これはAIを従来のコンピュータのような位置づけで信頼するからだ。AIは従来の計算機とは違う、言わば人格を持った奴隷としての付き合い方をすることで対処できる。ローマ時代には何度も奴隷の反乱があったようだが、押さえ切れたのは、知能労働までしていた奴隷を信頼していなかったからだろう。

未来世界では、古代氏族や「家」による「生計と養育のための婚姻」が不要になるから、国も婚姻を前提としない収入を基本にする必要がある。
婚姻制度を前提とする税制を廃止し、個人所得税も廃止する。代わりに内税とロボット税を増やす(人の代わりに生産するロボットから税金を取る)。つまり、税は不要になる・・・と言うより、そこに向かうのが未来志向であり、無税こそが未来の扉だ。

両性の自由を謳いながら人間を縛る婚姻制度が無くなれば、「結婚前提のお付き合い」も無くなり、親が子を育てる当然の「家族」概念も無くなる。親子の関係は自由で良いが、子供は基本として超大家族社会=未来国家が育てるものにする。尚これは、従来の労働者の社会主義や国家主義とは異なり、あえて言えば、聞こえは悪いが、大きな村や町内のような善意の掟社会のような概念だ。これは良識を前提とするので、不可能のように思えるが、社会が長子的な自省社会なら可能になる。ただし、この場合の自省は、古典的な弟妹型の畏れによる自粛ではない。自省は考えることであり、自粛は思考の停止だ。

また、古代の陶片追放の発想から変わらない「選挙」を、民主主義の根幹とするのは、形骸そのものだ。万民の意志を実現するのは数よりも、真意の抽出のはずで、近年、アンケート調査のウエイトが大きくなっているのも、選挙の優位性が後退していることの表れだろう。
今後のAI社会では、様々な社会動向から社会総意や、よりベターな選択肢を把握することが容易になる。人間はAIに管理されるのではなく、それを利用することで、今までよりましな判断が下せるだろう。具体的にどういうシステムかは別として、一刻も早く、選挙の廃止を考えなければ、選挙の無い国に蹂躙されるようなことになるだけだ。

なお、AIやロボットを活用する未来で重要なこととして、ロボットの労働に権利までは考えない。ロボットやペットの権利を考えるのなら、人間の存在は始めから必要ない。
こうした未来になれば、受験、就職の無意味な悩みが消え、様々な差別も前提を失い、出生率や同性婚云々の不毛な論議も無くなる。
これを可能にするのは全て、AIとロボットが実現する未来であり、今ここに実在しないからと言ってこうした未来を否定するのは、古代氏族制度に洗脳された、「因循姑息な音がする」ちょんまげ頭だろう。白紙から考えるのが長子であり、前例に倣うのが弟妹思考だが、長子の種を咲かせるのも弟妹だ。未来の長子社会に最も懸念されるのは、アイデアを実現させる持続性と統一性ということになるのかもしれない。