ニューヨーク州は大麻を合法化した。既に15の州で認められており、合法化による税収が見込めるとのことだ。
酒もたばこも、必要だとは思わないし、ましてや、大麻のようなものを吸引したいとは思わないが、日本も、早急に合法化すべきだ。
税収も得られるかも知れないが、何よりも、麻の栽培や麻の実などの、日本古来の文化が解放される。
大麻の自然生息地である日本には、古来より麻文化がある。花を愛で実を味わい、身にまとってきた。
ところが戦前は欧米に歩調を合わせるだけだったものが、戦後、アメリカ占領下の大麻取締法で厳しい禁制にしたことで、日本の麻文化はほぼ壊滅した。
花を愛でるために、庭に植えていた人が検挙されたニュースを、子どもの頃よく聞いた。今でも、日本のどこかでは、大麻の群生に出会うにちがいない。
麻薬という麻由来の言葉が何時生まれたのか知らないが、漢方知識は古代より中国から入っていたようだ。しかし、日本人は文化として、阿片や大麻を吸うことはなかった。
近頃、若者が大麻所持でよく検挙されるが、流行にかぶれているだけで、脱法スリルを楽しんでいる側面があり、もし禁止でなければ、日本人の体質、文化から考えて、海外のように蔓延することはないだろう。酒やたばこを忌避する現代の若者の価値観を考えても、蔓延はあり得ない。嗜好品としての麻薬の類を抑え込もうと思うなら、ご禁制品としてではなく、自由選択の上で、恐怖を煽り、ダサさを煽る方がよほど効果がある。アメリカの禁酒法が最大の教訓だが、禁止すれば、裏商売として普及を煽る輩が必ず出現する。
日本の酒文化
現代の若者が酒を好まないのは、自分を失うからだろう。昔は「酒の上のことだから」が許される社会があり、周囲に甘えて身を委ね合うことが日本の酒文化だったが、現代のようにスキンシップを信頼できない社会では、酔っ払う事に恐怖感がある。酒造会社にはこのあたりの認識が欠けているように思える。
互いに甘え合う日本の酒文化に対し、個人の嗜好品と考える海外では、酒より強い忘我の境地になる麻薬が好まれるのだろう。この点でも、周囲の目を気にする日本人は、人間関係を失う「忘我の境地」を嫌うので、いわゆる薬物が蔓延することはない。
大麻を合法化する場合、日本では欧米のように薬物や嗜好品としての合法化ではなく、完全に自由化し、国際基準に準じて、営利目的の乾燥大麻の売買だけを禁じれば良い。
吸いたい人が個人的に栽培するのは自由とすれば、よほど物好きでもない限り、栽培する人はいないだろう。一度はやって見るかも知れないが、馬鹿らしくなるに違いない。
それより、自由化によって、日本中で美しい花が咲き、麻文化が復活し、新製品の開発も始まる。鳥が喜んで麻の実をついばみに来るような、日本の原風景がよみがえる。
占領軍によって押し付けられたから改憲するという人たちには、是非、この大麻取締法のことも、注目してもらいたいものだ。