このところ中国は、妙に日本に友好姿勢を示している。中国各紙は日本を褒めそやし、外相会議で王毅外相が笑顔を見せたのは、関係改善の意志の証などと、関係改善の押し売りのような態度を見せている。
一方で、相変わらず尖閣では警備行動パフォーマンスの常態化を見せている。
先日来の漁船軍団の謎の大挙襲来は、ここに来て、関係改善の駆け引きであったことが見えてきたようだ。
何の駆け引きでもそうだが、始めに高値をふっかけて、相手の顔色を見ながら値引きしてみせる。すると、千円の物でも一万円と言っておけば、うまくすれば三千円で売れるかも知れないし、間違っても千五百円ぐらいには売れる。しかも、相手に恩を着せながらだ。
日本に、「これは大変だ!」と、思わせておいて、「そちらがこちらの言い分を呑むなら引きましょう」と、あたかも折れたかのような顔をして、一歩詰め寄ろうという魂胆だ。
G20の開催国として、このところの不祥事に触れられたくないものだから、とりあえず会議が終わるまで、何としても日本の口封じをしなければならない。その魂胆が見え見えだ。
日本はどう出るのか知らないが、ASEANでしてやられておきながら、これでまた、おめおめと軍事国家中国の軍門に降るのだろうか。
今、立場の弱いのは中国だ。G20前の今こそ、諸外国と力を合わせて中国を押し切らなければならない。
事実、北朝鮮非難声明も、結局、中国は折れた。勝負はG20開催までだ。今は、日本もゆとりを持つて甘く出られるような時でもないし、北朝鮮の潜水艦発射弾道ミサイルに一番真剣になっているのはアメリカだ。対中圧力を加えるエネルギーが膨らんでいる。
G20が終われば、国内権力闘争の都合次第で、コロリと態度を変えることは目に見えている。ある意味で、極めて解りやすい国なのだから、上手い駆け引きをして欲しいものだ。が・・・