今年は戦後70年で賑わっている。世相の繰り返しは、天王星の84年だが、70年はその繰り返しの黎明、胎動でもある。
70年という歳月がどんなものか、歴史を振り返ると解るかも知れない。
明治維新後の70年と言えば、1868+70は1938年。ドイツがオーストリアを併合した年で、1938年の前後、1937には日中戦争、1939年には第二次大戦が始まっている。
明治維新からの上昇が頭を打った後、日中戦争、太平洋戦争へと一気に滑り落ち始める年だ。そして14年後、戦後1952年の新生日本の再出発に続く。
大きく遡って、645年大化改新からの70年は715年、元明天皇が元正天皇に譲位した年で、この14年後に長屋王の変で、天智天武系の政治が終わり、藤原氏が勃興する。
1192年の鎌倉幕府は三代実朝の1219年で滅んだが、鎌倉幕府は北条氏の執権政治が実体だから、1203年北条時政が執権職に就いた時を基点にすれば、それから70年後は1273年で、翌1274年には元寇(文永の役)。14年後の1287年には大きな事件はないが、鎌倉幕府の専制と弱体、御家人の離反が始まっている。(足利の萌芽)
1560年は桶狭間の合戦で、その後の、信長、秀吉、家康の天下統一が始まった年と言えるが、70年後の1630年は家光の時代で、各種の鎖国政策が始まり、14年後の1644年にオランダ風説書で、内外に向けた徳川体制が始まった。(1642年に参勤交代)
日本だけでなく、世界の歴史を遡れば、やはり、84年周期が存在し、70年というのは、それまでのパラダイムが、いよいよ崩れ始める時のようだ。
明治維新から84年、サンフランシスコ条約で、新しいパラダイムが始まった。
維新70年後の1938年頃は日中戦争だが、1952年からの70年後は、2022年頃になる。これを明治パラダイムに換算すると、今2015年は1938-7=1931年、昭和6年頃になり、柳条湖事件(満州事変)が起こった。
今、日中の主客は逆転しているが、サイクルとしての動きは、ほぼ忠実に履行している。
1931年、昭和6年頃からの残された21年。2036年頃までに、日本と世界はどの様な道をたどっていくのか、予想しても空しい。
昭和6年から昭和27年。大変な時代であったことは確かであり、全くおなじことが起こるわけではないが、大変なことが起こる。少なくとも、軍事衝突のようなことだけは避けなければならない。冷戦は終わったが、核戦争は終わっていない。
何時も言うことだが、経済制裁は戦争行為だ。そして、軍事力は経済力そのものだ。本当に戦争を避けるためには、経済戦争に勝たなければならないし、経済戦争に勝つためには、情報で勝たなければならない。収集、操作、攪乱・・・情報戦争こそが最前線だ。