中国軍部のインタビュー記事を読んでいると、錯覚を起こすほど、戦前の日本軍部の記事とそっくりだ。
軍人の常だろうが、国際関係について、文化や経済の人間交流の観点が欠落し、経済と軍事を一体化した、力関係でしか見ていない。
相手国の動向をすべて、戦争目的のように考えている。
喧嘩が強ければモテると思うのは、少年レベルだが、純粋と言えば純粋だ。
軍人は外交官でもあると言われるが、拳銃や刀を腰に下げて会話をするような時代は、何時まで続くのだろう。
科学が発展し、人間の視野が広がり、物流の拡大で地球が狭くなる今、軍事力で解決できることは、どんどん小さくなっている。
だからこそ、なおさら存在を誇示しなければならない事情は解るが、戦争ごっこと実戦が区別できないような行状は、危険きわまりない。
「日本は火遊びをするな」と言いながら、海に出てきて京劇の舞を披露していると、そのうち爆竹に引火してしまう。
中国政府とは名ばかりで、軍が支配する巨大国家が、軍資金を手にした上に、その中核メンバーが、もはや戦争の悲惨を知らない世代になっている。
何はともあれアメリカは、10年おきに実戦をしているから、戦争の厳しさについて体得しているが、今の中国は、痛い体験をしていない。
偉大な栄光の伝説を信奉する、軍国少年のまま大人になっている。
日本が日中戦争を始めたのは、日露戦争から30年以上経っていた。
中国軍は、もっと間が開いて、朝鮮戦争からは、日本軍の倍の60年だ。全く戦争を知らないと言っても良い。
体験のない、頭デッカチほど怖いものは無い。
いよいよ習近平体制が始まったが、軍を背景に権力を握ったと言われる世襲権力者の上、軍には毛沢東の孫の少将などもいる。
このところのロックオン事件にしても、露骨に軍の意志がまかり通っている。
巳年、二黒、双子座のリーダーと言えば、ケネディだが、ケネディが自動車人間のハンドルであるのに対し、エンジンだ。
胡錦濤も菅直人もエンジンだったが、ハンドルと比べれば、イケイケドンドンで、軍人のような性質であり、ことが起こると歯止めが利かない。