魯生のパクパク

占いという もう一つの眼

反撃復興

2011年03月22日 | 日記・エッセイ・コラム

物理学者であるドイツのメルケル首相は、
「高度な技術力の日本でさえ、原発トラブルは避けられなかった」と、原発推進に疑問を呈した。
海外では、「日本の原発事故を止められるのは、日本だけだ」と言う論調だ。だから、よけいに、モタつく原発対応に、日本政府への不満が見られる。

日本以外の国では、日本の大災害に同情し、何とか協力したいと思っているが、深層の本音は「自分の所でなくて良かった」と思っている。
つまり、余裕があるから同情できるわけだが、原発に関しては直接自分の問題だ。

放射性物質の飛散や、汚染輸入品の恐れ。さらに、自国の原発不安は、「今そこにある危機」だ。
危機に際して、平静に対処する日本人に驚く人々は、当然、自分たちの危機には平静でいられない。

日本の原発動向に、狂乱せんばかりに過剰反応して、日本への不安・不満を叫び立て、自国のようにパニックっている。
(つまり、やっぱり、震災は異国のことだ)

見切り時
再度、原発に流れようとしていた世界の潮流を、最も熱心な原発推進国、日本自身が「まった」をかけた。

ドイツが真っ先に原発推進に異議を唱えたのは、それだけの裏付けがある。ドイツは非原発エネルギーに熱心に取り組んできたからだ。
ここで、原発の流れが完全遮断されれば、ドイツが最も優位な位置に着くことになる。
もちろん、商売に抜け目のない中国は、原発建設の傍ら、自然エネルギーに莫大な投資を始めている。

日本は元来、非原発エネルギーの技術をふんだんに持ちながら、
現状を改められない国民性のために、せっかくの最先端技術を、すべて他国に抜け駆けされてしまった。政府・政策だけの問題ではない。これは、国民性だ。

ダムや干拓政策が時代に逆行と知りながら、半世紀経っても改められない。もちろん原発もその最たるものだ。
せめて、5年前、10年前にエネルギー政策を、いさぎよく転換していたならば、今頃日本は、どれだけ世界のエネルギー市場を席巻していただろう。

遅きに失したとは言え、日本の力をもってすれば、まだ挽回の余地はある。今回のこの凶事をきっかけに、全てを一から、抜本的に設計し直す必要がある。

長年、無能ぶりに、世界から無視されていた日本は、悲しいことに、大災害で注目されている。この際だからこそ、日本は
原発から真のクリーンエネルギーに転換する」と、大々的に宣言して、
クリーンエネルギーの日本」を印象づけ、再建の柱として、怒濤の反撃を始めるべきだ。

そして、これが、日本復活の最後のチャンスになるだろう。