魯生のパクパク

占いという もう一つの眼

化けて出る

2010年03月07日 | 動物

棚田で有名な滋賀県の村落を抜ける、県道を走っていた。
交差点で出会ったミニバンに道を譲り、上り坂を後に付いて行った。
すると、村の中程で、ミニバンの前に小さな動物がウロウロするので、ミニバンが止まった。上り坂の斜め上だから、後ろからも見える。
ネコかと思ったが、どうもそうではなさそうだ。イタチにしては大きすぎる。遠目には、小型のアリクイのようにも見える。

車の前を、左に行きかけたと思うと、引き返して右に、また左に。
しばらくして、ようやく道の端に行ったので、ミニバンも動き始めた。
また引き返してくるかも知れないので、こちらもノロノロと進む。後ろにも車の列ができていたので、止まるわけにはいかないが、その、見たこともない動物は何だろう?と、脇見しながら進んだ。

近くまで行くと、背中に手袋二つほどの毛の山を載せている。
通り掛かりだから、確かではないが、『タヌキだ!』
確か、タヌキの皮膚病がどうのと言う記事を、目にしたことがある。

全身がサイの皮膚のようになって、背中の部分だけ孤島のように生えている毛に、わずかなタヌキの名残がある。
かわいそうだが、どうにもならない。

帰ってネットを検索すると、やっぱり近頃、タヌキの皮膚病が大流行して、罹ったら結局、死ぬと書いてあった。
ダニによる疥癬で、皮膚の下をダニに蝕まれ、痒くて痒くて寝ることもできず、衰弱して死ぬのだそうだ。

疥癬は、昔は人にも多くあった。近頃は少ないが、ケジラミや、結核の流行など、撲滅したと思う頃に現れる。
「極まれば転ずる」のは、大きく増えることだけではない。少ない絶滅状態からの復活と言うこともある。

世の中、思いがけないものの蘇りは、どんなものにも始まることだ。
60年、84年と経てば、何とか主義とか軍拡競争とか・・・
タヌキ事ではない