魯生のパクパク

占いという もう一つの眼

信じる

2010年03月30日 | 日記・エッセイ・コラム

国松長官狙撃事件が時効になったそうだ。
もう十五年も経ったということか。15年は本当に短い。
時効制度の是非が問われるのも当然だ。

事件の詳しい経緯は良く憶えていないが、報道で改めて思うのは、キャリア官僚の観念思考と、オウム事件に関わる「魚座」の因縁だ。

優等生のまま社会に出る官僚は、矛盾だらけの現実に目が行かない。つじつまがきっちり合うことに着目し、決めつけ、その後に発生する現実の矛盾は、無視しようとする。
日本軍の作戦行動は、ことごとく、こうした机上論で、前線の現実を無視していた。

昨今、世の中では、先ず裏付けの提示を求めるのが常識になっているが、矛盾していることを都合良くつじつまを合わせるのが優秀な官僚であり、そのつじつま合わせで、日本は衰退に向かっている。

現実の意志決定には「経験と勘」は極めて重要で、物理科学と経済を同一視して、科学的経営のようなことが持て囃されてきた。
「経験と勘」とか「やる気と根性」などと言えば、始めから相手にされなくなった。しかし、過ぎたるは及ばざるがごとし。
何でも合理的に「見える」ものだけを「信仰」した結果がリーマンショックだ。

一方、オウムは、
射手座、ヤギ座の宗教哲学ではなく、神秘信仰の魚座の世界だ。

魚座の麻原の掲げたものは、人間が超能力を持つ幻想であって、哲学的な慧・智による、人生の理解や癒しではない。
そして、浮揚写真や薬物、人格の徹底した解体などは、いかにも魚座らしい。人格解体願望は魚座の持つ暗黒面で、三菱銀行人質事件の梅川の犯行にも、人格破壊の欲望が現れていた。

麻原の犯行パターンは梅川同様、人と人を絡ませて、その者達に実行させるやり方で、恐怖と倒錯による、錯乱を利用する。
つまり、まやかしであり、詐欺の心理操作に通じる。

つじつま合わせに生きるキャリア官僚が、トップをやられて興奮状態になっているところに、オウム信者の巡査長が名乗り出る・・・
完全に麻原の心理操作、陽動作戦に引っかかってしまった。
麻原直接の指示かどうか解らないが、オウム全体にそういう原理が浸透していたと考えるべきだろう。

狙撃事件は、疑いようもなくオウムの犯罪だが、いかにも魚座らしいフェークに完全に引っかかってしまい、出口を失ったということだろうか。

オレオレ詐欺に引っかかる人は、身内の恥や、苦悩をカバーしようとして金を出すことが多い。
捜査担当幹部は、まさかの身内で、よけい信じてしまった。
やられた!