転妻よしこ の 道楽日記
舞台パフォーマンス全般をこよなく愛する道楽者の記録です。
ブログ開始時は「転妻」でしたが現在は広島に定住しています。
 



主人の部屋には、一角に小さな書斎コーナーがある。
マンションの造りとしては、クローゼットにしても良い場所だったのだが、
入居の際、主人はここに自分の机と本棚を設置することを望んだ。
写真には写っていないが、向かって左側の壁から向こうが
一面の、天井までの本棚になっている。
ドアや間仕切りはないが、三方+αを囲まれており、
ちょっとした基地みたいな空間で、なかなか良い。

なのに彼は、最近はここが散らかって来たので使いたがらなくなり、
ダイニングや、私の部屋に来て仕事をすることが多くなった。
昔、実家にいた猫のチー子が、貰った段ボールに
いろいろなものを持ち込んだり中で食べたりして汚した挙げ句、
洗濯したてのフェイスタオルが入れられているバスケットに、
入り込んで寝ることを習慣にしていたことがあったが、
なんとなく、ころもんの行動には同じ匂いがする。

片付ける人間は、そもそも言われなくても常に片付けているのであり、
片付けない人間は、よくよく一念発起したときしか片付けないものである。
ゆえに私は、家族に「片付けたら?」と言うことは既に放棄している。
かわりに「片付けるからね!」とある日、宣言して、私がやる。
果たして今回も、ころもん氏は「お願いします<(_ _)>」と私に一任した。
わかっているとも、ころもん氏はあまりにも忙しいのだ。
本当は整理整頓する能力があるのに、
それを実行するだけの自由時間が足りないだけなのだ。
私も忙しかったから、よくわかっているとも!
だから今は、時間のある、掃除大好きな私が、かわりにやるのだ。

これまで、コタツを出すときにローテーブルの上を整理したり、
カーテンの付け替えの際にTVボードまわりを一掃したりしたが、
見られて困るものは置いていないらしくて、彼は抵抗したことはない。
きょう、私は、彼の書斎、というか基地に恐らく10年ぶりくらいに手を出した。
せっかく自分専用基地があるのに、
「今、処分の仕方を考えるのは気乗りがしないもの」
をとりあえず置いて置く場所、として使っているとは、一体どういうことだ。
ここは本来が書斎だ、仕事をするためのスペースなのだ!!

ということで、まずは、机の上や下にうずたかく積まれていたものを
一切合切、別の部屋に運び出して、分類するところから開始した。
「すべてをカラにして、イチから始める」のは片付けの大原則だ。
どんなに面倒でも、まず全部さらえて現場から出すのが第一歩だ。
奥や下のほうに沈んでいる有象無象に目をつぶり
手前だけ見栄え良く並べ直しても、どうせ短期間で元の木阿弥になる。
そんなものは整理整頓ではない。

私自身は、少なくとも、片付けが億劫ではないという自負があるから
敢えてこうして大上段に構えて言っている訳だが、
部屋がうっそうとした感じになるときというのは、
まず、身近に置いている紙類の量が多すぎる。
見返す機会など現実には無いような、レシートや説明書き、チラシ、
旅行で貰ったリーフレットや出張時の会議資料などを、
不規則にいろいろなものの間に挟んで、ただ、持っている。
いつか要ることがあるかも、という漠然とした不安から捨てられないのだが、
ゴミ山の底に陥った書類など、金輪際、二度と活用などされるものか。

それから、空き箱を捨てていない。
道楽者のフィギュアなど、箱そのものに価値のある場合はまた別だが、
パソコン・スマホ・モバイルバッテリー・デジカメなどを買ったときの箱を
中途半端に取説や保証書だけを中に入れたまま、残している。
本体を箱に入れて仕舞う機会など二度とないのに!
取説や保証書は購入年月日を書いて一括してファイルにまとめ、
緩衝材は捨て、箱は畳んで資源ゴミの日に出すべきなのだ。
買ったときの空き箱をとっていなくて困ったことなんか、
転勤族時代でさえ、一度もありません!!

平成20~30年の、何かの会議の出欠連絡のファックス済み用紙など、
どう考えても要らないに決まっているし、
10数年前からの某銀行の「お取引レポート」集も、もはや用済みであろう。
これらもまた有力なゴミ候補として、ひとまとめ。
公務員時代の辞令も何枚も出てきたが、記念に取っておくにしては無造作な。
捨てるにしのびないなら、ちゃんとファイルして別にしておかなくては。
その他、膨大な量の名刺、会員カード類、ペンやクリップ、ハガキに手紙、
レシート、食べログからプリントアウトした地図各種、美術展の半券、写真!
私はそれらを種類別にまとめ、あるものはゴムで束ね、
またあるものは仕切り容器に分類して入れ、紙類はバインダーに綴じた。

半日を費やして、だいたい、要るもの・要らないものの仕分けが完了した。
「要らないもの」については、最終的にころもん氏のチェックを受けた。
期限の切れたパンフレットや、既に使っていない家電の取説などは
資源ゴミ用にくくり、個人情報の入っているものはシュレッダー行きに。

見よ、秘密基地は、ここに、広々と蘇った!
私は隅から隅まですっきりと片付いた机を、丁寧に拭き清めて、
それから、納戸に残してあった先代のパソコンを出してきてつないだ。
このマシンは、去年、動作が若干遅くなり、コト切れる前に、
というか増税前に、と思って新しいものを買って取り替えただけで、
別段、どこかが壊れているワケではないのだ。
通電してみたら、果たして、普通に立ち上がった、が、OSがWindows7だった。
使えるが、サポートは1月で終わっているから、あちこち脆弱で、危険だ。
もしこれをWindows10にアップグレードしたいと思うなら、
有償で、Windows 10 Homeをダウンロードせねばならない。
ケチなころもんは一言のもとに「有償版なんか要らんよ」と却下した。
「そのままで、ワープロ(一太郎)としては問題ないもん」。
「プリンターは共有だしね!」
と私が言ったら、
「駄目よ、プリンターに飛ばそう思うたらネットに繋ぐことになるじゃん!!」。

Windows 10 Homeのダウンロード版は、およそ13,000円ほど。
例の給付金10万円がいずれ入るのだし、この際、いいじゃないか、
と思わないことはなかったが、古いパソコンをバージョンアップしても、
あまり将来性のある話ではないから、捨て金に近いのかな。
私としては、ころもん氏が今後ももし、私の部屋で仕事を継続されるのであれば、
私がこの秘密基地を譲り受けたいと思ったのですがね……。

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