転妻よしこ の 道楽日記
舞台パフォーマンス全般をこよなく愛する道楽者の記録です。
ブログ開始時は「転妻」でしたが現在は広島に定住しています。
 



指揮者のクラウディオ・アバド氏死去 80歳(朝日新聞)
『世界最高峰の指揮者、クラウディオ・アバドさんが20日朝、伊北部ボローニャの自宅で死去した。80歳だった。胃がんを患い、闘病を続けていた。カラヤンの後継者としてベルリン・フィルハーモニー管弦楽団を率い、ミラノ・スカラ座、ウィーン国立歌劇場といった世界に冠たる名門歌劇場の音楽監督を歴任。名実ともにクラシック音楽界の巨匠といえる存在だった。』

1980年代に青年期であった私達の世代は、
アバドがその活動範囲を最も精力的に広げて行った日々を
聴き手として同時進行で共有したと言えると思う。
ひとつの重要な時代が幕を閉じたという感慨は大きく、
深い喪失感に捕らわれた人達も多いはずだ。

ポゴレリチとの関わりは、アバドの活動においては
必ずしも筆頭として語られるようなものではなかったと思うが、
83年ショパン『ピアノ協奏曲第2番』(シカゴ交響楽団)と、
85年チャイコフスキー『ピアノ協奏曲第1番』(ロンドン交響楽団)
というふたつの録音はアバドなくしては成立し得なかったもので、
ポゴレリチ・ファンにとって、この二枚のディスクにおける成果は、
今も忘れることのできないものとなっている。
とりわけ後者は、カラヤンに退けられたあとのポゴレリチに
アバドが理解を示してくれることがなかったならば、
決して日の目を見ることのできなかった演奏であったと思う。

アバドとの共演が常に素晴らしい体験であったという主旨の、
ポゴレリチによる哀悼の言葉がfacebookには出ていたので、
のちほど正式な記事等に掲載されるようであれば、
こちらでも紹介をしたい
と思っている。

R.I.P、マエストロ・アバド。
心からの敬意と感謝を捧げたい。

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