転妻よしこ の 道楽日記
舞台パフォーマンス全般をこよなく愛する道楽者の記録です。
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第二外国語
外国語全般
/
2014年01月10日 23時01分39秒
独仏の影薄く、中国も陰り…… いえ、第二外国語の話
(朝日新聞)
『「第二外国語の代表選手だったドイツ語やフランス語は『生活に必要』と言い難く、将来の職業生活への投資にならない」。西山教行・京都大教授(言語政策)は昨年末に京大であった研究会でそう指摘した。』
私は大学で最初に第二外国語としてフランス語を選択し、
2年次からロシア語に移ってそのまま単位を取って卒業、
社会人になると、またフランス語に戻り、
近年はフランス語とスペイン語、ときに中国語、などをかじっている、
……と、まあいつも語学で遊んで来た人間なのだが、
私は未だかつて、『生活に必要』かどうかを基準に、
外国語を学んだり捨てたり(笑)したことは一度もなかった。
では何に必要か、って、そりゃ最後は結局『道楽に必要』かどうかだね(笑)。
真面目に言うと、私の感覚では、大学の第二外国語というのは、
生活や就職の役に立つかどうか以前に、
自分のやる研究分野のタシになるかどうかで決めるのが、
いちばん本来的な選択の仕方だと思う。
私のやっていた言語学でも、英語学を中心とした言語研究をやるためには、
欧米の国にこそ、伝統的な研究論文がたくさん存在していたわけで、
第二外国語ならドイツ語フランス語を知っている者のほうが有利だった。
それがどうして途中で浮気してロシア語に行ったかというと、
あの時期は、言語学がどうのこうのより、道楽のロシア演劇のほうが
断然、面白くなってしまったからだったが……(殴)。
昔の学生の多くが、なぜドイツ語やフランス語を学んだかというと、
欧米至上主義が強かった時代、彼らの憧れた学問分野は、
ほとんどヨーロッパで発達したものだったからだ。
文学も社会学も自然科学も、最初にヨーロッパの研究者たちが
一定の成果を上げ、ドイツ語フランス語の論文が多く書かれたので、
学生達はそれらを読むために、第二外国語として独仏を選んだのだ。
お医者様方にしても、昔は皆、カルテをドイツ語で書かれていて、
最近ではそれが英語に移行してきたわけだが、
こうしたことも、医学の研究の中心がかつてはドイツにあり、
今ではそれらがアメリカに移った、ということを示していると思う。
60年代70年代は、理系の学生にはロシア語選択者が多かった。
なぜなら、米ソの宇宙開発が世界の最先端を行っていたからだ。
航空宇宙工学などをやる学生なら特に、ソ連の文献を読みたいがために、
当時は好んでロシア語を選択したものだった。
リンク先の記事によると、昔の主流だった独仏選択者は現在では減少し、
かわりに一時期は中国語が人気だったが、それもまた最近は減って、
目下、大学の第二外国語として右肩上がりなのはスペイン語、
NHK外国語講座(テレビ)のテキストの売れ行きでは韓国語が一番人気、
……ということだ。
『京大の西山教授は言う。「学生はそのときの気分や実利面で第二外国語を選ぶ傾向が強くなったが、多様な文化や人びとと接する窓口として第二外国語を学ぶのだと考えてはどうか」』
確かに、専攻との関連で特に何語をやるべき、というのが明確でなく、
自分にとって思い入れのある国とか文化なども、殊更にないという場合、
学生は成り行きで選択をすることになるのだろう。
しかし、実生活で役に立つか・就職でトクするかどうかで決めても、
そもそも週に1コマとか2コマしか授業のない第二外国語など
実用レベルで身につけてペラペラ、…になどなるわけがないので(爆)、
こういうものに、より正しい選び方とか賢い選択方法など
本当のところ無いのではないだろうか。
むしろ、西山教授のお話のように、これまで触れることのなかった、
異国の文化や人々に出会えるきっかけとして、
外国語学習をとらえるのが、大学生には良いと私も思う。
それには、何語であっても良いのだ。
日本語と異なる語彙や構造を持つ言語に触れることで、
自分の知らなかった発想や文化的背景を感じることができるのだから、
どの言語を選んでも、きっと得るところがあるだろう。
『楽単だ(楽に単位が取れる)から』でも悪くはないが(^_^;、
大学で開講さえされていれば、日本語から遠く隔たった、
ほかの学生があまりやったことのないような言語を、
わざと選んでみるのも、案外、楽しいのではないだろうか。
あとになって『こんにちは』しか覚えていなかったとしても、
第二外国語は無駄だった、などということはない。
母語と全く違う言葉を一定期間でも読んだ・書いた、
という経験そのものに意味がある、と私は思っている。
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