金正日7周忌参拝写真に“人民軍服姿”が見られない理由?
登録:2018-12-17 21:43 修正:2018-12-18 08:06
外出しなかった金正恩委員長の参拝写真「労働新聞」1面に掲載
追悼社説で「最大の任務は経済強国建設」強調
4・20労働党全員会議「経済集中」路線持続のメッセージ
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7a/1e/e5adbaec32442b431033a9b0c18e195e.jpg)
「労働新聞」17日付1面//ハンギョレ新聞社
金正恩(キム・ジョンウン)北朝鮮国務委員長が、故金正日(キム・ジョンイル)国防委員長の7周忌を契機に「経済強国建設」を繰り返し強調した。朝米交渉の膠着と共に、金正恩委員長が元山(ウォンサン)の製靴工場現地指導(3日「労働新聞」報道)以後、外出しなかったため「経済集中戦略路線を調整しているのではないか」という憂慮が一部から出ていた故に、注目に値するメッセージだ。
金正恩委員長が「民族最大の追悼の日」である「金正日同志逝去7周忌」に際して「錦繻山(クムスサン)太陽宮殿を訪れた」と17日付の「労働新聞」が報道した。金委員長は「一歩も譲歩することなく(金正日)将軍の構想と念願を最後まで実現するために力強く戦い抜こう」と訴えたと「労働新聞」は伝えた。
注目すべき点は、「労働新聞」1面に載せられた金委員長の参拝写真だ。金委員長の横または後に立つ“(労働)党中央委員会幹部”の中に軍服姿が1人もいない。人民服を着た金委員長を除いて、全員が洋服姿だ。「先軍政治」を強調した金正日国防委員長の追悼式の時、人民軍服姿の高位要人は当初は“金正恩委員長の両脇”に立っていたが、その後“金委員長から数列後”に地位が次第に低くなり、今回は完全に“人民軍服姿”が見られなくなった。金委員長は昨年は単独で参拝した。
統一部関係者は「金正恩委員長が金正日国防委員長の追悼のために錦繻山太陽宮殿で党・政・軍の幹部と団体参拝する時、人民軍服姿の高位要人がいない写真の公開は今回が初めて」と話した。4・20労働党中央委の全員会議で「社会主義経済建設総力集中」路線を新たに採択し「軍事主義(核)から経済主義(平和追求)に転換」(イ・ジョンソク前統一部長官)した戦略路線には変わりがないという政治的メッセージを内外に発信する「意図的配置」だと解説されている。
さらに「労働新聞」は2面トップで載せた「追悼社説」で「今日私たちの最大の任務は、経済強国を立ち上げること」だとし、「増産闘争、創造闘争、生産突撃戦を果敢に繰り広げていかなければならない」と強調した。「労働新聞」は別の追悼記事で、金正日国防委員長が生前に“167万4610里”にかけて“1万4290単位を現地指導”したとし、これは「祖国の富強繁栄と人民の幸福のため」だったと回顧した。やはり“経済”が強調されている。
これと関連して韓国政府当局者は「4・20党中央委全員会議で採択した“経済集中”路線を持続するというメッセージと見られる」と話した。
イ・ジェフン先任記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )