畏友から「波佐見焼(はさみやき)」を頂戴した。伝統工芸士、吉川千代子さん(号は千彩)の作である。私は迂闊にも波佐見焼というものを知らなかった。
沢山の花が咲いている絵模様だけれど、楚々とした慎ましさが感じられて、ややもすれば権威臭が漂うこともある「絢爛豪華」とは異質だ。私はコーヒー・紅茶は飲まないが、別の友人から頂戴した黒糖入り生姜湯や、自家製ジャムを熱湯に溶かし入れた林檎ティーなどをこの器で賞味するのが楽しみになった。
16世紀末、豊臣秀吉の朝鮮出兵のとき、大村藩主が連行してきた朝鮮陶工が波佐見町(長崎県)に窯を築いたのが、波佐見焼の始まりらしいが、侵略者の国へ拉致されてきた陶工は、どんな思いで器を焼いたのだろうか・・
江戸時代からは、庶民向けの磁器を巨大な登窯で大量生産するようになり、「磁器は高級品」という一般の常識を変えた。食器類のシェアは、最近まで国内トップクラスだったそうだが、波佐見焼の名は、近隣産の「有田焼」の影に隠れがちだったのだろう。
昨今は中国や東南アジア産の陶磁器に押されて厳しい状況にあるようだが、庶民の食文化に貢献してきた伝統工芸の継承と発展を願わずにはいられない。
私は先日日光に紅葉見にいって
木のコースターとお汁椀
買いました
何乗せようか
楽しみです[E:happy01]
コメント有難うございます。急に寒くなったので、日光の紅葉も進んでいたことでしょう。当庭の南天の実も赤くなりました。
工芸品は見る楽しみと共に使う楽しみもあって、いいですよね。