飢えて乾いた僕たちは
太古のマンモスが閉じ込められた氷をがりがりと齧り
何処へもたどり着かない道の上で
トリッキーな「死」を演ずるがごとくに詩を朗読する
リズミックであろうとすればするほど深みにハマり
ストイックになど一生なれはしない
ミイラ獲りが獲るミイラはまるで自分自身のような顔をしているのだ
放っておけば時間てやつは図に乗って
どこまでもどこまでも増殖していきやがる
悪名高いあのエントロピーって奴を引き連れて
そして星はもうとっくに大爆発を起こして消え失せた
後に残ったのはブラックホールだったがそれは
光さえ吸い込むので誰にも見えなくて
ただその吸引力だけが存在意義のようにそこにあって
自己主張するのだ
僕はもう
悲しいのか悲しくないのか、そんなことさえわからない
ただひとつ直感的に思うのは何にせよ
「慣れて」はいけない ということだけだ
人は何にでも慣れていく
でもそんな風に生きたくはないのだ僕は
羽化したばかりの蜻蛉みたいに
産まれ落ちた瞬間に地面に立つ馬の赤子のように
バンドを組んで初めてみんなで出した初めての一音のような
死ぬ一瞬前の最後の呼吸のような
超新星爆発を起こす星の最後の輝きみたいに
タイトロープの上をバイクで走り抜けるみたいに
そんな危うい感じで
ひとつ間違えたら全部ポシャるみたいな
ああでもポシっても次があるさ
七転八倒七転び八起き空前絶後
この期に及んで俺が何をしたかったか?って率直に言うとさ
ただの「オートマティック・ライティング」なんだ日本語で言うと「自動書記」だな
それ以上でもそれ以下でもないんだ
でもこれやるとさ
深層心理の海から何かちょっとでも大事なものがすくえるような気がして
やってみる価値はまあ、なくもないんじゃないかな
でも結局今回のは一行目だったな つまり
僕等はきっと飢えて乾いているのだ ただ
それだけのことなのだ