「村上ラジオ」のこと、スヌーピーのこと。

2019-10-17 21:12:09 | Weblog

小説家の村上春樹が何と、ラジオ番組を持って、

自分でDJとして語り始めた!業界騒然!


・・というようなことをこのブログに書いたのはいつのことだったろうか?

今年の初めくらいだっけ?それとも去年?


その「村上ラジオ」を僕は、

第一回目は ばっちり聞けたし、カセットテープに録音までした。

すごくいいラジオ番組だった。選曲も、渋すぎず、良い。

ラモーンズの演奏する「WHAT A WONDERFUL WORLD 」とか、かかったな確か。


それで、その一回目で満足してしまって、

その後はチェックしてなかったのだ。っていうか、その一回目で最初で最後と思っっていた。


しかーし!彼はヤル気だったのだ。


僕の知らない間に何回も「村上ラジオ」は放送されていたらしく、

こないだの土曜、10月13日に放送された分が何と、9回目だったらしい。

ちょっと愕然としたが、まあしょうがない。

ラジオ番組なんてものは流れて行くもので、聞けないときは聞けないのだ。


その、9回目の「村上ラジオ」を今日、ラジコのタイムフリー機能を使って、聞いた。

やはり、とても良かったのだが、

春樹さんとは世代が違いすぎて、彼のかける曲に・・・・ついていけない部分がある。

いっそのこと彼の趣味のジャズをハードコアにかけてくれれば僕もそうも思わないのだろうが、

ポップスとなるとやはり・・・・・・ジェネレーションギャップを感じる。

彼の話は文句なく、何を喋っても最高に面白いのだが彼の好むポップスの多くは僕には古臭く聞こえる。

(ペットショップボーイズなんかかけるから少し怒っているのだ。)

やはり音楽ラジオは(今の僕には)、レディステディジョージとピーターバラカンの番組が最上である。


で、

今日聞いた「村上ラジオ」のことをほぼ自分用に書きとめておく。きっと忘れちまうからさ。


まず、良かったのは

「中国行きのスロウボート」というジャズの名曲をかけたとき、

その曲と同名の短編小説を彼が書いたときのことをチラッと語っていたこと。

曰く、短編小説なんか生まれてから一度も書いたことがなかったから、

「中国行きのスロウボート」というタイトルだけ、(その名曲から)決めて、

そこから書いていった・・・・・・・のだそうだ。

この話は、以前に彼のエッセイか何かで読んで知ってはいたのだけれど、

作家本人の口から聞くと、やっぱ、ちょっと感動する。

2作目の短編「貧乏な叔母さんの話」という短編も、そんなふうに作ったのだそうだ。

「貧乏な叔母さんの話」は、確かにそんな感じでけっこう観念的な話なのだが、

「中国行きのスロウボート」はもっと重層的な話で、とてもいい、すごい短編小説なのです。

僕は大・大・大好き。

そしてその話のあとにかかった「中国行きのスロウボート」というその曲が、

予想を裏切って、能天気なほど明るい曲だったことに驚いた。

もうちょっとムーディーな曲だと思っていたのだ。小説のほうは、重いし、シリアスだし。



もうひとつ、印象に残ったこと。


「スヌーピー対レッドバロン、暁の対決」という曲がかかったとき、

春樹さんが、アシスタント・・というか共演の坂本美雨に、

「スヌーピーって時々、屋根の上で戦闘機乗りになるでしょ?」と言った。

坂本美雨は、知らなかったのだ、そのことを。それが驚きだった。

僕としてはそれって大好きなパターンで、自分でもゴーグルを頭につけて、

フライト・ジャケットの革ジャンを着て、戦闘機乗りヴァージョンのスヌーピーの真似をしたりしていたから。

僕は、子供の頃から「ピーナッツ」の漫画のファンで、

ちょこちょこ、谷川俊太郎訳の単行本を買ってもらって読んでいたのだ。



それで、妄想の中で第一次世界大戦時の戦闘機乗りになったスヌーピーの宿敵が

ドイツ軍の「レッドバロン」というヤツなのだがこれは実在した人物で、

第一次大戦の撃墜王なのです。日本の有名なバイク屋の「レッドバロン」というチェーン店の名は、そこから取っている。

第一次世界大戦だから戦闘機も複葉のプロペラ機で、のどかと言えばのどかだ。

まあ、「殺し合い」という点は変わりないのだが。

「レッドバロン」は、自分の機体を真っ赤に塗装していたらしい・・・・・ということはつまり、

これは「赤い彗星のシャア」のモデル・・・・でもあるのです。


閑話休題。

春樹さんがそんな風に普通に、スヌーピーのこと話題にしてるのが可笑しくて、嬉しかった。

村上春樹作品にスヌーピーは・・・・?と考えたら、

「1973年のピンボール」に、スヌーピーとウッドストックが描かれたマグカップ、というのが

出てきてたことを思い出した。

そのマグカップに書かれている

「幸せとは暖かい仲間」という言葉(英語で書かれてると思う)を、孤独な状況にいる「僕」が読むのだ。


ひゅうー(隙間風の音)。




そろそろ、寒い季節だよね。








画像は、先日の尼崎商店街で目にして、ついつい、買ってしまった、

ウッドストックとギター(どう見てもギブソン335だ!)の、トレーナー。
コメント
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