まつなる的雑文~光輝く明日に向かえ

まつなる兄さんのよしなしごと、旅歩き、野球、寺社巡りを書きます。頼りなく豊かなこの国に、何を賭け、何を夢見よう?

兵庫13番「播州清水寺」~神仏霊場巡拝の道・88(ワンちゃんに開放的な寺院)

2024年02月17日 | 神仏霊場巡拝の道

3月16日、北陸新幹線の金沢~敦賀間が開業する。ちょうど1ヶ月前となった2月16日、開業初日の指定席が発売開始となった。さぞ、指定席は秒殺で売り切れだろうなとニュース記事を見ると、はたして金沢から敦賀に向かう一番列車は秒殺だったとある。さすがだ。

もっとも、この記事を書いている16日夜の時点では、それ以降の列車には十分な空席があり(さすがに窓側が全部埋まっている列車はあったが)、何なら今から思い立って開業初日に広島から日帰りで金沢まで行くことも可能だ。まあ、特に開業初日に乗って「きれいな体」を保つ必要もないし(そもそも、北海道新幹線や東北線など、未乗区間もぽつぽつ出ている)、そもそもその日は所用があるので、これから乗る機会はいくらでもあるだろう。

能登半島地震の影響も残る中、これが東京から金沢まで新たにつながったのなら復興への大きな話題となったことだろうが、開業するのは金沢から先の区間。恩恵を受けるとすればむしろ福井県側となるが、関西や名古屋から見れば、部分開業のため乗り換えが生じることで不便も感じるところ。開業当日となれば大賑わいとなるのだろうが・・。

さて話は本題の神仏霊場巡拝の道である。午前中、神戸~大阪間の急行「鷲羽」ミニツアーを楽しみ、ぎりぎりで列車に乗ることができて相野に到着し、1日2本の路線バスの2本目に間に合った。最後は清水バス停から料金所をくぐり、山門への専用道を走る。入山料はバス下車時に運賃とは別で支払う。バス運賃はICカード対応だが、入山料は現金払いである。

バスが到着すると、犬を連れた人が珍しそうにバスに近づいてきた。「1日2本だけやって」と笑っていた。折り返しの最終バスは14時50分発で、寺の滞在時間は50分ほどあるが、これを逃すとしゃれにならない。

播州清水寺を開いたのは天竺からの僧・法道仙人と伝えられる。法道仙人は播磨一帯の山岳寺院を開いたとされている。後に、推古天皇の勅願で十一面観音を本尊とする根本中堂が建てられ、聖武天皇の勅願で千手観音を本尊とする大講堂が建てられた。それにしても、播磨、丹波にまたがるこの一帯にわざわざ推古天皇や聖武天皇の勅願で寺が開かれたのはどういう背景があったのだろうか。

境内を進むと犬を連れた人の姿が目立つ。これまで巡拝で訪ねた時にはこうした光景はなかったように思う。犬も大小さまざまな種類がいる。犬はあまり好きではないので(猫派)敬遠するばかりだが、播州清水寺が安産祈願の戌の日に特にちなんだものがあるわけでもないようで・・。

播州清水寺が犬をつれての参詣を歓迎するとしたのはこの数年、もっといえばコロナ禍からだという。住職が愛犬家ということもあったが、コロナ禍で閉塞感が漂う中、山上の広い境内を愛犬と一緒に散歩して(「密」にならない)リラックスしてもらおうということで、SNSで犬の散歩連れを歓迎する旨を発信したところ話題になったそうだ。今ではドッグランもあり、犬をあしらった御守りも登場している。

奈良の「せんとくん」の生みの親である彫刻家・籔内佐斗司氏の手による十二神将が内部を囲む薬師堂にて手を合わせる。

本堂にあたる大講堂に入る。犬はさすがに堂内に入ることはできない。中に入ってのお勤めとする。

西国三十三所の先達用納経帳、そして神仏霊場の朱印帳にそれぞれ朱印をいただく。気づけばこのところ兵庫県の神仏霊場めぐりの機会が多く、元々札所が少ない地区だが、残すは生田神社、天上寺、須磨寺、そして一乗寺である。一乗寺だけポツンと離れることになったが・・。

大講堂の先、昔からの徒歩での参道側に行ったところにあるのが「引退ポスト」。1955年頃までは境内にて現役で使われていたが、別の場所に新たなポストができたことで「引退」した。その後は長く放置されていたが、それをしのびなく思った今の住職がこの場所に移した。現在は新緑や紅葉のスポットにもなっており、犬連れの人たちにも人気だという。

帰りのバスの時間が気になる中、石段を上がって根本中堂に向かう。

その奥にあるのが清水寺の名の由来ともいえる「おかげの井戸」。井戸の水面に顔を映すことができれば寿命が3年延びるという言い伝えがあるが、この時は光の加減か、水面で顔を見ることができなかった。寿命はどうやら延びないようで・・。

最後に火災で焼失した多宝塔跡を回り、バス停に戻る。途中、こんだ薬師温泉や、立杭焼のスポットから帰る乗客の利用もあり、相野駅に到着。

今回は広島~新神戸間の日帰り往復プランを利用しているが、変化をつける意味でいったん三田で下車し、神戸電鉄に乗り換える。この区間に乗るのも久しぶりだ。

そして谷上で地下鉄に乗り換える。かつては北神急行電鉄という、神戸電鉄、阪急電鉄、神戸財界が出資した会社による路線だったが、2020年に神戸市交通局に移管された。民営化ではなく市営化したことで逆に運賃が安くなったという珍しい例である。

新神戸に到着。これで、今回も循環ルートが成立し、新幹線で広島に戻る。せっかくなので三宮あたりで一献やってもよかったが、翌日の仕事にそなえて早めの帰宅。車内でいただいたのは、私のお気に入りの一つである「神戸中華焼売弁当」・・・。

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