まつなる的雑文~光輝く明日に向かえ

まつなる兄さんのよしなしごと、旅歩き、野球、寺社巡りを書きます。頼りなく豊かなこの国に、何を賭け、何を夢見よう?

観戦記・交流戦カープ対バファローズ3回戦(10回表に打線が一挙9点でカープを3タテ&今季日曜日初白星)

2019年06月24日 | プロ野球(バファローズ・NPB)

バファローズ交流戦最後のカードとなるカープ戦(正しくは、雨天中止の神宮でのスワローズ戦が1試合残っているのだが)。その3戦目となる23日を現地観戦することができた。三塁側の1階席だが、今思えばよくチケットが取れたものだと思う。

広島には前日22日から入っていたがその時の様子はまた別に書くとして、広島駅から「カープロード」を歩いてマツダスタジアムに向かう。

この球場に来るのも3年ぶりで、前回はといえば、カープの鈴木に3試合連続本塁打(うち2本はサヨナラ)を浴び、「神ってる」という流行語が世に出るきっかけとなった試合である。

球場入りしたのは試合開始の1時間ほど前。バファローズの試合前の打撃練習も終わったところ。ちょうどバファローズの山岡が調整を終えて三塁側スタンド前に来たところで、ファンからのサイン、記念撮影のリクエストに応えていた。砂かぶり席の観客の「特典」といったところだが、ガチガチのカープのユニフォーム姿のファンも結構な数が集まる。山岡が広島出身ということもあるのだろうが、さすがにカープのそういうので記念撮影というのは失礼ではないかという気がするが・・・(単にひがんでいるだけなのかもしれないが)。

三塁側後方の上段がビジターのパフォーマンスシートだが、下から見上げるので全体像はわからないが、何だかバファローズファンの数が減っているように見える。3年前はビジターシート全体にバファローズファンがいたように思うが、これは減っているというより、カープファンがここまで進出(侵食?)しているのが実情のようだ。今やマツダスタジアムのチケットは手に入れることができないプラチナもので、今季は前売り販売の抽選券を得るための整理券を求める列が数百メートル先のJRの踏切までできて混乱したこともニュースになったくらいだ。実際はその行列以外にもプレイガイドの発売開始日のチャンスがあり、私がこの日のチケットを手にしたのもこのルートだったのだが、ビジターパフォーマンスシートも即日完売になったようである。そのエリアも一応指定席のはずだが、球場側が整理をしたのか、カープファンはホームベース寄り、バファローズファンはレフトスタンド寄りにそれぞれ分けられたようである。

ビジターシートでその様子なので、1階席は三塁側も当然カープファンが圧倒的に多い。ところどころにバファローズのユニフォーム姿の人を認めるくらいか。試合開始までに、私の前後左右(横は通路で挟まれるが)も「赤い人たち」で囲まれる形になる。

試合前の守備練習、選手発表。カープのスタメンには1番・ショートで4試合ぶりに田中が戻って来て、スタンドからも大きな拍手が送られる。3試合はドラフト1位の小園を起用し、初安打初打点を挙げた一方で、バファローズとのこれまでの2戦は失点につながるエラーも献上してプロの厳しさを味わったところだが、田中復帰でカープ打線にも活気が出るか。

バファローズの先発は田嶋。前回は16日のタイガース戦で好投するも、9回に抑えの増井が打たれて今季初勝利が消え、またチームの日曜日今季初勝利を逃した試合である。

カープの先発はジョンソン。先頭の福田が初球をセンター前に運んで出塁。続く佐野のところで盗塁を仕掛ける。見た中ではアウトの感じだったが審判はセーフの判定。早速カープからリクエストが出て審判が協議する。大型ビジョンでリプレイが出たが、これは明らかにアウト。リクエスト成功でランナーが消え、後続も倒れて3人で攻撃終了。

2回表も先頭の吉田正が四球で出塁も、続く中川が4-6-3の併殺。スタメンに戻っている安達が二塁打を放つが後が続かない。

3回表も先頭の若月が死球で出塁も、続く田嶋が送ることができず三振。この後は福田がヒット、大城が四球で二死満塁となり、吉田正を迎える。カープファンからも「怖いなあ」との声が出るが、ここはジョンソンがズバッと決めて見逃し三振。1点が遠い。続く4回も西村が内野安打で出塁するも得点にはいたらず、拙攻が続く。

一方の田嶋は初回から140キロ台後半のストレートもよく、3回まで3人ずつで片づける。4回裏一死から菊池にチーム初安打となるセンター越えの二塁打が出て、西川も四球を選ぶが、鈴木を打ち取って無得点。

試合は速いテンポで進む。田嶋の好投に応えたいバファローズ打線だがジョンソンの前にあと1本が出ないまま、6回裏まで0対0。

7回表、二死から打順が田嶋に回ったところで代打・頓宮が登場。再コンバートの形で捕手挑戦で、2軍でじっくり育成かという中、第2捕手の伏見の故障もあり昇格したが、代打策は実らず。田嶋は6回までで被安打2、四球1、奪三振7と好投したがまたも勝ち星がつかなかった。

赤いロケット風船が飛ぶ中で登場したのは、リリーフに回って勝ち運が出てきたエップラー。3番西川からの攻撃だったが危なげなく3人で片づける。

ジョンソンも100球を超えたためか7回で降板となり、8回表は同じ左腕のレグナルトが登板。こちらも1番福田からの攻撃をあっさりと3人で打ち取る。

完全に1点勝負となった8回裏、バファローズは近藤が登板。ここで先頭のバティスタがヒットで出塁し、上本の犠打で一死二塁。この場面で石原の代打で松山が登場し、スタンドが大いに沸く。ここは近藤が力勝負で松山を打ち取り、二死二塁。しかし続く途中出場の野間にはボール3つ先行し、ベンチは選択敬遠を取る。迎えるのは田中。打撃不振もあって3試合スタメンを下げられたとあって「広輔!舐められとるんやぞ!ここで打て!」とファンからの檄も飛ぶ。ファンも田中の復活を願って大きな声援を送るが、ここはライトフライで近藤の勝ち。

9回表、カープは中崎に代わる守護神のフランスアが登板。ここまでチャンスに三振もあった吉田正が力でセンターに弾き返す。ここで小田が代走に出る。盗塁を決めて二死二塁とチャンスを作るがそれでも点が入らない。野手の編成上、カープの左腕3人に対しては代打攻勢も難しい状況だったのは否めない。

こうなると9回裏のバファローズは、こちらも増井に代わる守護神のディクソンが登板。一死から西川がヒットで出塁、サヨナラのランナーだ。そして迎えるのは鈴木。ここでふと、3年前のことを思い出してしまうのだが、粘った末にライトへのヒットを放つ。西川は一気に三塁まで進み、一死一・三塁となる。ここで途中出場の會澤。打球が内野の頭を越したところでサヨナラ勝ちと、カープとしては大チャンスとなる。

會澤の当たりはショートへ。ショートの大城は前に突っ込んで捕球し、本塁に投げる。タッチプレーだったが若月がよく押さえて西川はアウト。

打順はフランスアのところに回り、カープとしてはとっておきの代打・長野が登場する。9回裏二死一・二塁。一打サヨナラには変わりない場面で、スタンドのファンももう必死である。私もカープファンに囲まれる中、試合の流れがカープに行っているのであればこのままサヨナラ試合かなと半ば「覚悟」していた。

ディクソンは生命線であるナックルカーブを軸に長野に挑み、最後はストレートで見逃し三振に取った。落胆するスタンド。それでもディクソンは感情を表に出すことなく、静かにベンチに戻って行った。0対0というスコアレスのまま延長戦ということになった。「あれで決められんのか」とカープファンからはがっかりした声が出る。「まあ、交流戦ドベのチームじゃけぇ」。

両チームとも抑え投手を使った後の延長戦、カープのマウンドには一岡あたりが来るのかなと思いきや、同じ右でも菊池保。これまで左腕が3人投げてきたが、右投手に代わると何か流れが変わらないかなと期待してしまう。

10回表、先頭は若月に代打・西野。初球を上手くレフトに流し打ちで、二塁打となる。次がディクソンということで続く代打は後藤。打撃のいいディクソンに打たせたら面白かったのにと思いつつ、後藤は送りバント。まずは三塁にランナーを進めてプレッシャーをかけようというところか。

福田が四球を選ぶと、佐野に代打・小島。福田が二塁盗塁でプレッシャーをかけるが、小島は空振り三振。またも拙攻のパターンかと思った。

そして大城。レフトへ、あと少しでフェンスを越えるかという大きな当たりが出る。スタンドに大きなため息が出る中、2人が還って2対0、ようやくバファローズが先制する。ここで席を立つ人も目立った。

続くは途中で代走出場の小田。初球を叩くと鋭い打球が飛ぶ。外野の間を抜けると大城が還って3対0、小田も三塁に進んだ。

続く中川もいい当たり。これも外野の間を抜けて二塁打となる。4対0。さらに安達も右中間への当たり。俊足を飛ばして三塁打となり、5対0。ここまではいずれも早いカウントから打ちに行ったのが功を奏した形である。もうバファローズの勝ちは確実だろう。菊池はここで降板となったが、同時に席を立つ人も増えた。

登板したのは藤井。今度は制球が定まらず、西村、打者一巡して西野に連続で四球を与えて満塁とする。そして後藤が鮮やかな打球を右中間に放ち、走者一掃の三塁打で8対0とさらに突き放す。

最後は福田もライトへ。打球の処理に手こずる間に福田は三塁へ、9対0。延長の1イニングでそんなに取らなくても、今日でも序盤であと1本が出ていれば少数得点でも勝てた試合である・・・と言えば現金なものだが、相手投手が左腕から右腕に代わった途端に左の代打攻勢で当たってしまうのも野球の不思議さである。ちなみに10回表だけで小田、安達、後藤、福田と4本の三塁打が出たが、1イニング4本の三塁打は2リーグ制以降初めての記録だという。一方のカープファンからは「緒方が悪いんじゃ!」「交流戦限りで辞めてまえ!」という罵声も飛ぶ。

球場全体の応援のテンションも下がって10回裏、山﨑が登板。得点が入る入らないに関わらず10回は予定の登板だったかな。

一死一塁で打者は野間。ヘルメットがバコッとスタンドまで聞こえる音がして野間がうずくまる。山﨑は何をやっているのか。当然危険球で退場となり、小林が急きょ登板する。野間もこのまま病院で検査を受けるとのことである。

これでようやくカープ打線が目を覚ましたか、田中があと少しでホームランになるかというセンターへの大きな二塁打を放つ。これで9対1、さらに二死満塁となり、鈴木の当たりは高いバウンドで小林のところへ。しかし処理にもたつき内野安打となり、2者が生還する。9対3で、何やかんや追い上げ、最後の意地を見せてきた。「1点でも2点でも取り返せ!」と檄を飛ばしていたファンの方も少しは満足されたかな。

急な登板は仕方ないが小林には試合を締めるだけの力はなく、さらに比嘉が登板。カープももう少し反撃したかっただろうが、會澤が打ち取られて試合終了。延長10回の表裏だけで9対3、前半の展開が嘘のような結果になった。

インタビューは先制、決勝の二塁打の大城。この球場では残念なことに相手チームのインタビューの音声は流れず、何をしゃべっていたかはわからないが、カープ相手に3連勝、チームも交流戦は上位につけているが、それでも借金はあるしパ・リーグ最下位のまま、それでもこれから巻き返しを図る・・・とでも話していたのかな。

帰りは広島駅までの大群衆の中を歩く。カープは今季好不調の波が激しすぎて、1試合を残して交流戦の最下位が決定したが、ほとんどのファンは淡々と、静かに駅まで歩く感じだ。

私としては3年前の鈴木の本塁打で敗れた試合を「やり返したった」という気持ちである。広島は私の思い出の町だし好きなところだが、カープに対してはこのところ複雑な思いを持っている。この試合はそういう意味で思い出に残る熱戦で、またこのスタジアムには足を運びたいと思う・・・。

コメント    この記事についてブログを書く
« 第1回中国観音霊場めぐり~... | トップ | 第1回中国観音霊場めぐり~... »

コメントを投稿