まつなる的雑文~光輝く明日に向かえ

まつなる兄さんのよしなしごと、旅歩き、野球、寺社巡りを書きます。頼りなく豊かなこの国に、何を賭け、何を夢見よう?

並行在来線第3セクターに乗る~IRいしかわ鉄道、あいの風とやま鉄道

2015年08月24日 | 旅行記D・東海北陸
旅の二日目、17日は朝からあいにくの雨模様。でも、この日が雨でまだよかった。前日に降られて野球が中止になったのでは残念である。

さてこの日は鈍行を乗り継いで長野まで行く。前回の冬までなら青春18きっぷで行けた区間だが、ご案内の通り、北陸新幹線の開業とともに北陸線、信越線の一部がJRから切り離され、第3セクター路線となった。金沢~長野までの区間は県ごとに、IRいしかわ鉄道、あいの風とやま鉄道、えちごトキめき鉄道(日本海ひすいライン、妙高はねうまライン)、しなの鉄道(北しなの線)という4社に分かれた。今回はそれらを乗り継いで行く。

というわけでまずは金沢からIRいしかわ鉄道に乗る。券売機は小松、福井方面のJRと富山方面のIRに分かれている。ただ、津幡から先の七尾線は従来通りJRであり、この場合はIRからJRへの連絡きっぷを買うことになる。券売機の操作と路線図に慣れてなければちょっとややこしい。

とりあえず富山まで行くことにして、あいの風とやま鉄道の連絡きっぷを買い求めると、境界駅である倶利伽羅からの運賃が表示される。こんなこともあってか、新幹線は開通したがJRとIRのいわゆる在来線改札は自動化されていない。

ホームに上がる。JRとの境界でもあるし、サンダーバードやJR車両も見られる。ただ、新幹線ができたためか、ホームにあった売店や駅弁コーナーが軒並み閉鎖されている。以前は駅そばのコーナーもあったように思うが。

そんな中、富山方面から4両の列車が入ってきた。6時52分発の黒部行き。車両はあいの風とやま鉄道のマークが入るが、JRの新快速車両そのものである。あれの北陸版でちょっと手を入れたようなもの。第3セクターに移行するにあたり、この辺りを走っていた旧国鉄型は一掃されると聞いていた。まあ、沿線の人たちにすれば、京阪神のJRと同じ車両ということで、この点ではサービス向上である。

また、車内ポスターでは、あいの風とやま鉄道にICOCA導入とある。ということはPitapaやSuicaといったICカードも使えるわけだ。うーん、富山県内限定で、こうして金沢から乗る客には関係ないわけやな。まずはお試しで富山県内限定なのだろうが、IRにも広がってほしいものだ。

列車は半分くらいの乗車率で発車。金沢を出ると右手に新幹線の高架を見て近郊区間を走る。車内放送ではこれが第3セクター路線で、青春18は使えないことをアナウンスする。でもいるんだろうな・・・運賃を踏み倒そうとする客が。

七尾線が分かれる津幡を過ぎると山の中に入り、倶利伽羅に到着。ここがIRととやま鉄道の境界だが、単に県境にあるからというだけの境界である。お役所的といえばお役所的かな。駅自体無人駅だし、別に乗務員の交代があるわけでもない。

富山県に入るが、ここまで通しで乗っている人も結構いるし、ここからは高岡や富山への通勤客も乗ってくる。今は夏休みだから高校生の姿はほとんど見ないが、平常時は結構乗るのだろう。石川と富山は県をまたぐが、そんなに離れているわけでもないし、県またぎの行き来は盛んなのだろう(だから石川対富山のBCリーグの試合が熱い・・・のかもしれない)。

富山県内はともかく、石川県内から乗ってきた人はどうだろうか。第3セクター移行により、路線が2つの会社に分かれたので運賃が高くなっている。特急料金があるので単純には比べられないが、金沢~富山で新幹線の運賃部分と、第3セクター2社連絡きっぷの運賃を比べれば、後者が断然高い。在来線が残るだけありがたいと思え・・・と言われればそれまでだが、新幹線に乗ることはなかなかないであろう、ただ日々の通勤通学で利用している地元の人たちにとっては、果たしてこれで良かったのかな?という気がする。

そんなことを思ううち、富山に到着。ここで多くの通勤客とともに下車する。ちょうどJR高山線の3両つなぎの気動車も着いたところだ。

まだ工事中のエリアが残る通路を抜けると・・・これまで降りたのとは全く違う富山駅の風景が広がった。北陸新幹線開業で、いかにも昔の汽車の感じがする駅もいろいろ変わるとは予想できた。改札前の開放的なコンコースにはうなるものがある。

そこでもう一つ感心したのが、富山地鉄の市内線の路面電車の停留所がコンコースに突っ込む形で新たに設けられたこと。これまで、駅を出ると信号を渡って道路の真ん中の電停に行っていたのが、同じ建物内で乗り換えができるようになった(駅の北側から出るポートラムと将来接続、乗り入れするのかというのは今後の話として)。また、駅前のバス乗り場も新しくなった。公共交通機関を充実させた「コンパクトシティ」を目指す富山市にとっては、新幹線開業にともなう大改造は契機であろう。今回の旅では泊まったり街並み散策はできないが、またいつか、きときと魚を含めて味わったり街全体を楽しんだりできればなと思う。

そんな駅前だが、駅そばの「立山そば」は健在、また土産物コーナーも充実していた。ただ、以前の富山駅ビルのような気軽さはなく、何か高級志向に走っているようにも見える。

駅をサラッと見た後で、長野に向けて進むことにする。順当ならここでICカード(ICOCAは持ってないのでPitapa)を改札にかざすところだが・・・。
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