まつなる的雑文~光輝く明日に向かえ

まつなる兄さんのよしなしごと、旅歩き、野球、寺社巡りを書きます。頼りなく豊かなこの国に、何を賭け、何を夢見よう?

元日は瀬戸内の海で~年越し四国紀行・6

2010年01月06日 | 旅行記G・四国

元日の朝を迎えた高松。無事に日の出を拝むことができ、新たな年への期待を持たせてくれる。

朝食はごく普通のバイキング(入口では着物姿の女性係員からお屠蘇のサービスを受ける)だったがおいしくいただく。メニューには小鉢のうどんも用意されていた。何でもこのところ「年明けうどん」というのがはやっているというが・・・・。

Dscn6579食後、ホテルの外を散歩する。海べりまで行ってみるが、天気はいいものの風がムチャクチャ強く、波しぶきが防波堤のかなり内側まで飛びかかっている。本当にここは瀬戸内海か??

Dscn6580防波堤の先端に「赤灯台」というのがあるそうだが、そこに続くあたりは強風と高波のために閉鎖されており、仕方なく塀越しに見物することにする。

Dscn6593この後はホテルに近い高松城・玉藻公園を散策。正月は朝7時から無料で開放しているということで、早い時間にもかかわらず何人か訪れている。

Dscn6586「大願成就」という言葉がある。ただ、今玉藻公園で見る幟は「鯛願城就」とある。実はこの玉藻公園・高松城の堀というのは海水を引いており、そのために堀の中に鯛が住んでいるという。そりゃあめで鯛・・・。その鯛にやるエサを受付で売っており、その姿を見て縁起を担ごうというのがある。ここは年明け早々だし、「大願成就」を祈って生まれて初めての「鯛のエサやり」を行う。

Dscn6585小さなブロックに固められたエサを堀にまくと、バシャバシャいって鯛が寄ってくる。鯛がそんなに食いつく光景というのもなかなか見られるものではなく、結構面白がってエサをまく。・・・・ただ一方で困ったのは、鯛と一緒に鳩がたくさん寄ってくるんですな。中には私に飛びついてくるのもおり、身をよけながらエサをまくというもの。大願成就をなすにはいろいろな苦労がつきものであることを身をもって示すことになる。

Dscn6609高松の朝はこのように過ごすことにして、そろそろ関西、というか大阪の実家に向けて出発する。足として選んだのは高松東港から三宮に向かうジャンボフェリー。行きと帰りで変化をつけたかったのと、フェリーでのんびりと行きたかったというのがある。

Dscn6601高松から連絡バスで10分ほど揺られる。バスの乗客は10人ほど。この後、三宮までの2等乗船券(1,800円)を買い求めて乗船する。元日ということで移動する客は少ないのか、後部の桟敷席に行ったが結構ガラガラで、大荷物を広げて大の字になってもまだ余りある。

ただ、フェリーがガラガラなのは昨今の高速道路のETC割引も大きな影響もあるのだろう。これまで割高感があった本四連絡橋も休日のETC割引によりグッと利用しやすくなったこともある。フェリー会社が苦戦を強いられているというニュースはよく目にすることだ。

Dscn6616フェリーのほうも何とか立て直そうと、前原国交相あての要望書を提出したり、何とかフェリー利用を広めようという宣伝ポスターをつくってみたり、往復割引、事前申請によるETC利用割引などの動きがあり、それらが客室内に掲示されている。見ていて、何だか痛々しいものを感じる。

Dscn6621高速道路や連絡橋の割引(あるいは、その先にある無料化)は確かに利用者にとってはありがたいことで、私も恩恵に与ったこともある。そんな中でフェリー側が同じ土俵で真っ向から挑んでも勝ち目がないのであって、ならばフェリーの魅力(関西からだとトータルの時間はさほど変わらない、船内でゆったりできる、瀬戸内の島々をゆっくりと眺めることができる・・・など)をもっとアピールするしかないだろう。

Dscn6615桟敷をベースキャンプにするが、景色のいいところでは強風の中デッキに出て、島並みを眺める。屋島に始まり、「世界の中心で、愛をさけぶ」のロケ地として有名になった庵治の海岸を眺め、小豆島なども見ることができる。こういう海上交通も滅多に味わえないものだ。どうも高速道路からの車窓というのはあまり期待できず・・・。

Dscn6622ちょうど昼時とあって、船内でうどんを味わう。うどんの味自体が絶品というわけではないが、こういうシチュエーションで味わえるというのはなかなかよろしいものだ。

Dscn6617後は寝転がって音楽を聴きながらお屠蘇を味わいながら書物を読んだり、あるいはそのまま眠ってしまったり、三宮までの4時間というのは結構長く感じる。中には完全に休養と決め込んで爆睡の人や、カップルが添い寝していたり、一方では子どもがドタバタはしゃいでも寛容に見えてしまったり・・・・クルマでのドライブや、ましてや青春18利用の鉄道の車内では見られない光景である。そういえば、私もかつて「時刻表検定試験」を高松で受検した折、帰りはこのフェリーに乗船し、同行の大和人さんとともに時刻表を広げて「反省会」をやった記憶がある。

Dscn6631乗船から3時間あまり、その時は眠っていたのだが目が覚め、左岸を見ると町並みが広がっている。ひょっとしたらと思いデッキに出ると、ちょうど明石海峡大橋が近づいていた。澄んだ青空にスッと伸びる橋脚は鮮やかに見える。

Dscn6633これを下からくぐり、橋の全容を体感できるのも船旅の面白さといえる。この航路一番の見所とあって、何人かの客が外に出て記念撮影を行っていた。

Dscn6651そろそろ神戸が近い。先日訪れた和田岬球技場、もといホームズスタジアムを初め、ハーバーランドやポートタワーなどが見えてくる。なかなかに充実の航海であった。三宮に上陸し、連絡バスで三宮駅に到着。ここから電車に乗れば大阪もすぐ近くである・・・。

いろんな乗り物と風景に出会えた今回の四国旅行。次はまた、春から始まる四国・九州アイランドリーグの試合も観戦したい(三重と大阪で構成されるJFBLも公式戦の一環として四国・九州で交流戦をやるらしいし)こともあり、また訪れることもあるだろう。鉄道、バス、フェリー、クルマ、自転車(しまなみ海道)など、いろんな交通機関でのアクセスが可能な四国への旅。乗り物のバリエーションをつけるだけでも中身の濃いものになる。今年は坂本龍馬も注目のようだから、ぜひ多くの観光客が四国を訪れてほしいものである・・・・。(終わり)

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