甲斐駒登山 (2006.10.07-08)

2006年10月09日 21時10分01秒 | 山紀行
待望の甲斐駒にとうとう行ってきた。10年来の夢だった。
白州のこの地に小屋をもったのは八ヶ岳が好きで、この山を毎日見ていたいが原点だった。でも西にそびえ、日本で一番男性的な山だと思ってた甲斐駒も憧れの山だった。いつか家から歩き出し、家に歩いて戻ってくる登山を実現したいと考えていた。
この地に小屋を持った年「甲斐駒に行こう」との話が進んだ。わけあって、僕がリーダーをおおせつかった。ところが2週間前の足慣らし登山後十二指腸潰瘍を悪化させ、緊急入院、手術となり、リーダーどころか山に行くことさえできなかった。それ以来、毎年のように計画するも、天候不順などにはばまれ、近寄ることもなく、年齢も9つ多くなってしまった。今年も9月の連休に計画したが、天候不順で延期。
そんなこんなを経た、今回の登山でした。
同行は山仲間のCさん(57歳、川崎でサラリーマン、武川に小屋を持ってる)。2人の山行でした。

ここからは時間をおって、写真をおりまぜて、まとめてみます。
7日3:30 起床
  4:30 家を登山靴はいて出発(標高700m)。いざ待望の山へ。まだ真っ暗。
  5:00 横手駒ケ岳神社でCさんと落ち合う。入山届けを出し、出発。
     20分歩いて5分休み、30分歩いて5分休み、歩きを10分づつ延ばして
     いって、1時間歩いて休憩ペースを作る。
  7:00 大休止(10分)で朝食。
  7:30 笹の平 横手・白須分岐着。地図時間通り。
     白須(竹宇)からのルートがメインなので、ここまでは我々2人だけ。
     ここからは山仲間に会う。といっても"追い越される"わけですが。
  9:20 刃渡り(前屏風の頭)に到着。左右から切り立った岩の上を30mほど渡る。
     想像してたほど怖くない。スイスイ渡る。
     振り返れば、眼下に武川、横手、竹宇の集落が見える。
     残念ながら我が家は木の陰で見えない。でも「あそこ」は確認できる。
     紅葉1 紅葉2
  9:40 刃利天狗 通過。 朽ちた歩道  鉄梯子
     黒戸山(2150m)の北側をまいたところから、降り。もったいない。
     降りきるちょっと前に五丈小屋。
 10:30 五丈小屋 着。 大々休憩。この小屋は廃屋。  ここからの紅葉
     ここから宿泊予定の七丈小屋までは1時間とのこと。そんなに早く
     小屋にはいってもやることがない。ここでのんびり。
     風は北西から強烈にふいてる。東北の太平洋側を台風から変わった
     低気圧が通過してるからしょうがない。雲が切れると暖かい日射し。
     日射しがきれると寒い。小屋を風避けに昼飯。
     ぞくぞくと登山者が上がってくる。皆さんここで休憩。
     勤める店のお客さんにばったり、びっくり。より親密に。
 11:40 五丈小屋 発。  五丈から降りきった所の橋。木製の上に鉄製。
     ここから七丈小屋までの1時間が黒戸尾根コースのきわめつけ。
     鎖、梯子の連続。一番怖かったのは垂直10段の梯子。右下は深い谷底。
     強風にさらされての、この梯子はこわかった。
     鎖場でしたが、岩がオーバーハングしてて、どう上がればいいのという場所
     もあったな。
 12:45 七丈小屋 着。 予定では2時か3時と考えてたけど、地図時間通りで
     ここまでこれた。風が強い。寒い。展望はほとんどない。
     小屋内で仲間と雑談。酒。夕食は6時過ぎ。1泊+夕食で6000円。
     宿泊客は30人位。想像以上に多い。
     就寝前 相変わらず風強く、寒いが、満月と韮崎、甲府の夜景が美しい。
 20:00 就寝。明朝は4時起き、5時発を予定。

8日4:00 起床。ほとんど全員が動きだす。この時間では小屋の朝食が間に
     合わないので、みんなが自炊。持ってこなかった人はラーメンを買う。
     お湯はくれる。終日ついてる石油ストーブの上でお湯を作ってる。
  5:30 出発。東の空が赤くなってくる。風は強いが、御来光は見れそう。
     歩きだしてすぐ御来光。右奥のシルエットが富士山。その手前は地蔵岳。寒い。
     でも2時間半がんばれば頂上だ。強風に抵抗、寒さに抵抗しながら登る。
     木々は霧氷で真っ白はいまつの霧氷
     九丈から上は道も凍ってる。雪は降ってないが、冬状態。
  8:00 登頂。周りは氷で真っ白。眺望なし。寒い。
     記念写真だけとって、そうそうに下山。岩肌が凍ってて怖い。
     最難所で滑る。めがねを壊し、その後はめがね無しで下山。
     九丈からの下界九丈下から見た富士山、地蔵岳(オベリスク)。
      八丈から九丈を振り返る
      八丈下から九丈を振り返る
  9:30 七丈小屋に帰りつく。ここまで降りてくると道が凍ってることもない。
     30分ほど陽だまりでヌクヌク。暖かいコーヒー。
 10:05 小屋出発。快調に下山。登りで怖かった梯子、鎖場もなんなくクリア。
 10:50 五丈小屋着。また一服。下山の中のきつい登り返し。快晴。
     振り返れば霧氷と紅葉の山景色。行ってきた、夢が半分実現した
     満足感も沸いてくる。
 11:25 刃利天狗 通過。
 11:45 刃渡り 通過。  見晴らし台からの八ヶ岳、竹宇集落
 12:40 笹の平 通過。
     ここからのだらだらとした降り2時間弱がきつかった。足の全ての
     筋肉が破裂寸前。足の指先はジンジン痛む。靴擦れもできてるよう。
 14:20 駒ケ岳神社に降りる。思わずCさんと握手。感激。
     後15分 だらだら下れば家の玄関。奥さんに電話する。
 15:00 家の玄関前に立つ。「やった~」
     簡単に後始末。車で"尾白の湯"へ行く。ゆっくり湯につかる。
     至福の時。
 18:00 Yさん宅で祝宴。Yさん夫婦、Cさんの奥さん、JOEさんが祝ってくれる。
 21:00 終宴。酔っ払い運転(但し、時速40km以下で帰る)で家に帰る。

< トピック > 

・国内三大急登
   三大急登と呼ばれる山(尾根)があって、今回の黒戸尾根もその1つに挙げられてます。
   700から3000まで標高差2300ですからね。富士山でも五合目(2400)からだと1400です。
   他の2箇所はわかってません。だれか教えて。
・カラス天狗
   この山は宗教色の強い山です。こんな石物をよく持ち上げたなと感心させられるものが
   多くあります。だからでしょうか、"カラス天狗"に遭遇しました。
   まだ四丈あたりを登ってる時(9時頃)上から上下黄色いヤッケを着、両手にストック、背中に
   何も積んでないフレームの背負子といういでたちで駆け下りてくる"天狗"に会いました。
   僕達の後から登ってくる人に「カラス天狗に会った?」と聞くと、皆が「会った、あった」
   との返事。皆さんにも天狗に見えたくらい恐ろしいスピードで降りていくのです。
   実は七丈の小屋番のお兄さんで、今日の食料を下界に求めに行く途中だったのです。
   3時過ぎには3日分、100食分の食材をかついで小屋に戻ってきました。
   夕食の写真はこの裏話を考慮して見てくださいね。
   僕には絶対できない"小屋番職"です。
・北アルプスで遭難
   同じ日に北アルプス白馬、穂高で遭難事故があったようですね。天候の急変、吹雪が原因
   で遭難、死亡事故になったようです。
   妻は「こんな事故も起きてるよ」とメールをくれ、気をつけるよう連絡くれました。
   友人は不安にさせまいと、あえて教えてくれなかったようです。
   こんな皆さんの援助もあったのですね。
   でもあの頂上の寒さ 北で遭難するのも理解できますよ。
・足が痙攣
   今年の夏から僕の足がおかしいのです。登り降りの酷使のあと、30分ほど休憩すると、
   肉がつって、動かなくなるのです。動かない前に痛くてたまらなくなるのです。
   今年夏八ヶ岳に行った時、2日目下山途中の昼休憩で突然発症しました。
   始めての経験です。その時は降りでだましだまし、徐々に慣れさせて、いつのまにか
   忘れて下山しました。
   今回は1日目五丈で昼休憩後鉄梯子を上り始めて発症。痛い痛い。特に左太ももの前の
   筋肉がつってます。どうやってもなおりません。パートナーがサロメチールを所持してたので、
   道の真ん中でパンツ姿になり、やたら塗りまくりました。
   効きましたね。どうにか痛みもなくなり、つることもなくなりました。何か変な感じは
   ありましたよ。恐々登山を続けたんです。サロメチールさまさまです。今後は必需品ですね。
   原因を考えるに、今年体重が7kg減ったのですが、太ももが細くなったようです。
   それが原因ではないかと思います。造園屋に必要な肉は残ったけど、登山に必要な肉は
   減ったかな。

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