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まとめ③ テノールを歌ってみて

2022年09月08日 07時35分02秒 | オペラに挑戦
今年の公演での最大のチャレンジはテノールパートを歌ったことだろう。そのきっかけは単純。前回のカヴァレリア(2015年)はバスで歌ったので、今回はできたら違うメロディーで歌いたいなと思ったこと。あの頃は何歌わされても「歌えるかな?」の不安がまずあって、選り好みしてる余裕なんてなかった。楽なバスパートしかなかった。余裕が出来たのかもな。
もうひとつ、20年から21年にかけて簡単な声楽の勉強をさせてもらい、発声の基本を教わった事も大きい。「息をしっかり吸って、一瞬ためて、しっかり出す。息が少なくなっても、へこみつつある腹に圧力を感じながら、その圧で息を出し続ける。その息の上に声を乗せる」。さらに講習最後に声楽曲の独唱をやらせてもらって、小さな開眼があり、自信にもなった。この頃だったかな一緒にバスを歌ってきてる友人から「岳チャンの声質はもともとテノールじゃないの」と言われたっけな。挑戦欲みたいなのが生まれたかも。声質と歌える音域は別物ですよ。
その後「椿姫」の公演だったんですが、既にバスで練習を始めてて、「テノールで歌う」ことは忘れてた。今回のカヴァで「違うメロディー」を歌いたい希望と練習最初からパート選択が出来たことが重なって「よし、やってみよう」と軽く挑戦できたのです。
と言っても「歌える、高音も出せる」自信なんて無かったです。「だめならバスに戻る」を条件にテノールで練習させてもらいました。当然声でない部分有りました。なんとか歌いたく、見つけた方法が 「立って歌う」こと。椅子に座ってでは息がしっかり吸えない、腹に圧が掛ってるのを意識できない でした。 当然ひとり大声で歌ってたな。まだまだ息を使ってかつ小さな声=ピアニッシモだけど響きと力のある声を出すテクニックは無いですからね。周りからは「あのテノール 何一人酔ってるの」と思われてたかもな。
そんな大胆な練習の中で高いところがジワジワと出せるようになって来たんですね。最初は突然「あっ出た」なんです。まだまだ壊れた声なんですがね。それが少しづつ綺麗になっていくんです。「綺麗になってきたぞ」を感じた時はもうひとつ上の音がだせるように。
3月末に先生に判断願った。「テノール2でいいんじゃない」のお許しが出た。ここからはテノールのメロディーを本気で楽しむ気分で歌練やってたな。バスとの違いはやはり「格好いいメロディー」でしょう。主旋律に近いですからね。その点バスは「通奏低音」で下支えですから「格好良さ」に欠ける。
合唱団の素人男性は3人だったんですが、それぞれパート違ったんです。そうなると練習時に「ここでテノール2の歌がこう聞こえてます」を周りに聞かせてあげるのも仕事と思い、立って大きな声で歌ってました。今から振り返るとこの勝手な練習が発声トレーニングには良かったのかもしれませんね。公演1月前ころにはほとんど声出せるようになってましたね。しかも美しい響きで。(言い過ぎかな)
演目の中に「インネジャーモ」と名前が付いてる合唱があります。神の復活をたたえる賛歌です。合唱全体が10パートほどに別れてカノンのように追っかけっこしたり、美しいハーモニーを力強く聞かせる、合唱の聞かせどころです。本番前日に男性楽屋で「あそこでテノール2歌ってくれる人いるの?」と助っ人さん達に聞いたんです。あまりにもパートに分散するものだから、ひょっとして僕1人じゃないよな の不安がよぎったものでね。 良かった、1人いっしょに歌ってくれるセミプロ若人がいてくれました。歌ってる最中は彼の声を神と思いながら、安心感で堂々と、気持よく、酔って最高の合唱にできたと感じました。
この曲もそう、テノールは格好いいよ。歌った感いっぱいで自分で酔える。 やはり歌うならテノールでしょう。

さて今回 テノールでも歌えるぞ の成長を感じたのですが、この一歩前進が「辞めないで、続けたら」の神の声となって体の中で響いてます。まだ成長できる これは楽しいことです。
来年も公演があるらしい。演目は未発表だから判断できないが、できたらテノールをまたやってみたい。僕がテノールで歌える演目を願うな。
それと歌いまくることで出せるようになった高音域 1カ月もさぼるとまたでなくなるだろうな。そこがちょっと勿体ない。カヴァを歌い続けてるのもいいかな。好きな曲だし。 
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2 コメント(10/1 コメント投稿終了予定)

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人生の大反省。 (でん)
2022-09-08 08:55:40
以前、第九でバスを歌った。その時、バスなのになんでこんなに高い音を要求されるのか!ベートーベンはバスの音域をどう考えているのか!と、自分が出せないことを全て言い訳だけを考えて、努力の努もしなかった!!!終わってからの達成感はそれなりどまり、結果、何の反省もなく、合唱を辞めてしまった。
今回岳さんのブログを読んで、なんと自分の人生は貧しいかが理解できた。
岳さんが今回の努力で、十分な達成感を獲得し更に今後も更なる達成感を求めて豊かな人生を進もうとしていることに、最大の敬意を表します。
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おう、そう読んでくれたか ()
2022-09-08 10:13:39
でんさん たしかに第九のバスはちょっと高音域だったように記憶してますね。そうだそうだ、あの頃から必死に出そうと苦心してたのかも知れない。
今回の経験でやればできるように成る、あるいは 成るかもと明るく考えられる、考えた方がいいは解ったような。
この歳になったら周りから期待もそんなに無いし、黙々と我が道を行けばいいんでしょうね。ご迷惑をかけない範囲で。そう思ってても、ちょっと出過ぎるキャラなんですがね。
終わって4日ほど過ぎました。まとめ作業もだいたい終わりそうなので、やっと肉体的にも、精神的にもおちついてきたのを感じてます。そして次への期待。
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