カワセミ側溝から(旧続・中岳龍頭望)

好きな言葉は「のこのこ」。好きなラジオ中継「相撲」。ちょっと苦手「煮た南瓜」。影響受けやすいけど、すぐ忘れます。

合理化を突き詰めて考えるとどうなるか

2023-09-29 | 時事

 日本の農業の危機なのだという。米をはじめとする農産品の価格は上がらないまま、経費がかさんでいるためである。肥料は7割、燃料は5割、畜産関係の飼料が3割、高騰しているという。さらに生き残りをかけるために大規模化した農家も、設備投資の負担がのしかかっている。肥料を減らすと収量が減ってしまう。しかし経費がかさんで利益が出なければ、結局は赤字を増やすだけになる。必死で耐えたところで、その先に明るい兆しが見えない。そうすると後継者に継がせるわけにもいかない。離農廃業する人が続々増えていく。作り手の高齢化と、離農者が増えることで、田んぼや畑は荒廃していくばかりなのである。
 問題は深刻なのだが、価格に転嫁できないのであれば、確かに壊滅を待つばかりになるだろう。今のところ燃料などに助成金を出して、延命させるより処置しようがないのだろう。これまでも日本の農業には問題が山積していたこともあったわけで、今回の状況によって、日本の農業は事実上壊滅する可能性もあるということかもしれない。
 結局は助成金頼みでしか解決の道が無いのだろうか。もちろんこれまで通りのやり方を続ける限り、もう道は少ないということだろう。
 ということもあり、逆に有機農業へシフトする動きもあるという。有機農業によって化学肥料を減らし農薬も減らせる。しかしながらこれまでも有機農業の取り組みはあったはずで、実際にチャレンジすると、大変な労力を必要とし、採算が合わないとも言われていた。ところが今度の有機農業のやり方はちょっと科学的な取り組みで、これまでとは違うものなのだという。
 まず土の成分を分析して、その土地に足りないものを最小限足すことはするのだという。一般的に窒素、リン酸、カリウムが農産品の育成には欠かせないとされていて、肥料というのはそのような成分を配合して作られている。その中の足りないものだけを補充するので、それだけでも経費を抑えられるわけだ。またその成分の生成においても、再利用で作られている安価な肥料があるといい、そうしたものを適宜上手に利用することが重要ななのだという。これにより収量を減らすこともなく、これまで通りかそれ以上生産を行っている農家も出てきているのだという。
 非常に合理的なのだが、このような動きが本当に広がるのかどうかである。有機農業というのは、農家仲間からも嫌われる傾向もある。農薬をあまり使わないというのは、虫や病気の発生を止められないこともあるからである。そのようなものを近所の田んぼや畑で呼び込むようなことになると、被害が広がってしまう恐怖もある。それだから農業というのは、一定の協力のもと、同じように農薬を使うというのが、暗黙の了解にもなっている。水の問題もあるが、一つの農家だけがチャレンジすることはハードルが高いのである。
 しかしながらこのような危機を迎えて、いわばそれ以外に選択の余地がなくなったために、協調して有機化が進んでいく可能性があるのかもしれない。そうであるならば、日本の農業の大改革起こるという事もあるのだろうか。
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