カワセミ側溝から(旧続・中岳龍頭望)

好きな言葉は「のこのこ」。好きなラジオ中継「相撲」。ちょっと苦手「煮た南瓜」。影響受けやすいけど、すぐ忘れます。

目の前の事実や明日のことが分かる本   「折れない心」をつくる40のルール 他二冊

2017-10-29 | 読書

「折れない心」をつくる40のルール/大野裕著(PHP研究所)
はじめての認知療法/大野裕著(講談社現代新書)
こころが晴れるノート/大野裕著(創元社)

 実はあんがい前に買っておいたまま積読していたんだが、ある新聞記事に認知療法は非常に効果の高い医療の方法である旨の解説があって、そういえば認知療法の本を持ってたな、と思い改めて手に取った。以前にも走り読み程度はしていた記憶があったけれど、現金なものでそんなに頭に入ってなかった。そういう風に後ろ盾があるという認識で読んでみると、平易な文章の中に、なるほどと思われることが結構あった。平易と書いたが、恐らくうつ傾向にあるような人にとっては、このような文章で無いと読み進められないのかもしれない。そういうことも勘案しながら書かれている感じもあって、医療の専門的な話というよりも、実に軽く読めるエッセイのような口当たりの本になっている。
 よくクヨクヨする性格だから病気になるのではないか、というようなことを聞かれる。そのような性格だから病気になるというものでは無いとは思うが、感覚的には少し分からないではない。物事を自分なりに捉えて、どのような考え方をすると、あんまりよくないのか。実は、ある程度はそういう考え方のクセのようなものは分かっているようだ。要するにそれが認知能力で、物事を自分なりに捉えることによって、現実との折り合いがつかなくなるような考えに陥りやすい人がいる。他にも考え方の方法はあるにもかかわらず、自分の考えに拘泥して抜けられない。そういう考え方のシステムがどのようなものなのか、という事を詳しく書いてあって、当然それでその考えを覆すアドバイスがふんだんにあるわけだ。これを読んだだけでずいぶん気持ちが楽になる人も、相当いるのではないだろうか。
 うつ的傾向の人の悩みというのは、確かになんだか自己中心的なところで渦巻いているようにも見える。仕事上お話をすることもあるが(お話できる状態ならずいぶん良い感じだけど)、同じことをループしながら、なかなか前に進んでいかないもどかしさを感じるものだ。その人の考え方だから勝手にしていいようなものだが、しかしそうした自分の考え方の所為で、自分自身が苦しんでいる。おそらくそれは他人から苦しめられていると本人は思っているだけのことで、自分で自分を苦しめているものと等しいのかもしれない。
 たとえば、というのをいくつか考えてみると面白そうなので、読み返してトレーニングすると、多くの人の精神衛生上にもよさそうな本である。
コメント
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