カワセミ側溝から(旧続・中岳龍頭望)

好きな言葉は「のこのこ」。好きなラジオ中継「相撲」。ちょっと苦手「煮た南瓜」。影響受けやすいけど、すぐ忘れます。

悪人

2011-05-16 | 映画
悪人/李相日監督

 撮影が比較的近所で行われたということで、結構見覚えある風景が多かった。さすがに五島であるらしい灯台だけはぜんぜん見当がつかなかったのだが(当たり前だ)、ここはひょっとすると○○じゃなかろうか、とか、あそこは間違いなくあそこだ、という興味だけでも結構映像を楽しめたのだった。
 寅さんの映画などロケ地を訪れたくなるようなものも多いわけで、そういう意味でも、めったにメジャーな映画のロケ地になどならない土地柄であることが、この映画を違った意味でも楽しめるという人は多いのではなかろうか。
マップhttp://www.pref.nagasaki.jp/koho/hodo/upfile/20100823161101.pdf
ロケ地http://matome.naver.jp/odai/2128400090994941101
www.saga-fc.jp/akunin/"

 さて映画の方は、なかなか厳しく寂しい風景が多くて、面白い映画というわけでもないし、観ていてつらくなるようなことが多かった。予告編の映像を後で観ると、誰が悪人なのか、というようなことを言っているが、まあ、そういう悪人の見本市というような趣もある。しかし、それぞれに悪いは悪いが、それで主人公が悪くないとは言えない気がするわけで、あえて言うと、頭の悪い人間は、結果的に悪人なんだ、ということも考えたりした。悪人であることの悲しさ。それは頭が悪かったせいで引き受けなければならないのだろうか。
 それにしても激しく感情が揺さぶられることは確かで、観ていてイライラしたり、頭に来たり、悲しくなったり、とにかく忙しい事になった。ストーリー自体は複雑でもないし、むしろ特に何も起きないし(いわゆる事件は起きているのだけど)、先が予想できないことも無いのだけれど、そうではあっても見事にその物語にのめり込んでいってしまう。
 特に深津絵里の演じる光代の寂しさは格別で、女優さんがもう少しきれいじゃなければ(映画の事情でそうもいかないだろうけど)、むしろもっと悲しくて良かったんじゃないかと思ったりした。どうしようも無いつらい時間を体験したにせよ、何もない日常よりましだったのかもしれないというような殺伐さは、若いころに田舎に住んでいる最大の恐怖であろう。おそらくそういうことで、床屋の娘は殺されなければならなくなったのだし、解体業者のヤンキー青年は、キレなければならないのだった。
 悪人を育てる環境というのは、自然豊かな田舎なのかもしれないのだった。


追記: そういえば後で思いだしたが「三瀬峠でナンパしたアホ女を降ろして帰った」という話は度々聞いたことがある。これは(特にヤンキー系)学生の語る都市伝説(というか、田舎伝説か)の定番なのだと思う。ファミリーレストランでバイトしていた時、客がこのような話をしているのを度々聞いて「ああ、これは作り話だったんだ…」と悟ったものである。恐らく似たようなことはあったのだろうけど、とても徒歩では帰られないところとして、三瀬峠のような場所は恐れられていたのだろう。まあ、幽霊話の定番でもあったし…。
 主人公たちが映画の中で通る島鉄跡の道も数多くの幽霊話が残っている。そういうところにドライブに行くというのが、田舎の若者の娯楽なのであった。
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万引き犯、事後強盗に

2011-05-16 | 時事
おにぎり一個、強盗犯

 なんとなくジャンバルジャン思い出したりして…。
 
 例えおにぎり一個でも泥棒は駄目だということだろう。結果的に罪は積みあがっていく。運というのもあるけれど、そのようにして段階を追って大きな罪を背負っていくことにもつながっていくのではなかろうか。ひとつついたウソのために、どんどん嘘を重ねていかなくてはならなくなることだってある。捕まるなら今のうちなのではなかろうか。もちろんその後のことも大切だろうけど。
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