気持ちE

【YOU：RCふたたび】?



　反抗の時代の象徴というか、大人に向かって「これわかんないの、信じらんない？」という爽快さ。そして学校行っても、一部の人しか知らないという盛り上がりのなさが、僕らの時代のRCという位置づけだった。そう、わかる奴さえわかりゃいいんだよ、という普遍性がないところが、青春というものじゃないか。牛乳飲んでる奴より気持ちいいという優越感で、時代を疾走していたのだ。
　もともとテレ屋だったようだし、ある種の申し訳なさのようなものを感じながらも神格化されていったんじゃないかと推察しておりました。食っていくにはいいことだろうけど、戸惑いがあるような感じが僕には共感が持てた。しかし、興味本位の大衆には、やっぱりロックをお見舞いするとっつきにくさは、ちゃんと最後まで持っていたんじゃないか。そういう試行錯誤をしながらも、反抗児は大人になっていったんじゃなかろうか。それはまるで、僕らも同じだったんだと思うのだ。いや、少なくとも忘れたりしないんだと。
　もちろん残念で悲しい。しかし、いい人だったというような感慨で振り返りたくないだけなのだ。それは死人に鞭打つ行為だとは僕は思わない。彼だって同じような賛辞の仕方をするに違いないと思う。ジジイになってもロックできそうな数少ない日本人だったということは言えるにせよ、だからあえて音量を上げてかき消したい衝動を覚える。僕は外れたところでいじけているような、そんな追悼しかできないだろう。まだまだ反抗期は、終わっていないのだから。
合掌。