気持ちのいい天気。風はあるけれど、かえってその風が心地いい。しかし強風に逆らって歩くと髪の毛がぼさぼさになる。途中でスーパーのトイレを借りたのだが(そこで鏡を見たわけね)、その頭の爆発ぶりに笑える。まあ、しかし見た目はどうでもいいなどと思っているとはいえ、しっかり髪は整える。どうでもよくないということなのだろうか。自分のミステリーである。
ずっと二日酔いの所為で具合が悪いのだと思っていたが、風邪をこじらせているようだ。鼻水が止まらず頭が少し痛い。散歩から帰って長めに昼寝する。途中何回か杏月ちゃんに起こされるが、まずまずたっぷり寝た感じ。体調も戻っていた。
中央公論を読んでいると「切り込み隊長」として有名な山本一郎の記事が目に留まる。なるほど。この人の見方は流石である。若い人らしいがよく読めていると思う。経済学者の間では中国経済をまともに取り合っている人はいないけれど、日経を中心に報道はまったく見方が違う。まあそれはそれでよいのだが、こういう雑誌でまともな意見は久しぶりに読んだという感じだ。分かる人にはわかっている。予言は難しいようで、現実を読むということが素直にできると、あんがい可能なのかもしれない。しかし現実はなかなか現れたりしない。そこがなにより難しいのである。
子供と出かけて歩いていると、途中、興奮した声でガチャガチャをせがまれる。長年探していたのだという。僕から見るとシケたゴムボールだけれど、そこまで思い焦がれたものならばしあわせであろう。手にとってずっと眺めている。そんなにいいものなのだろうか。何がそこまで彼を興奮させるのだろう。僕にはまるで分からない。
しかしながらなんだか嬉しくなって、ついでに回転焼を買う。白アンと黒アンを五個ずつ買ったら、クリームがよかったと言われる。慌ててクリームも二個追加。熱いと文句を言いながら食っている。
僕にはこの美味さは分からない。子供の頃からタイヤキの類は嫌いである。しかし他人が甘いものを食う姿を見るのは好きである。デパートの地下売り場などで甘いものを物色している人の目つきは、真剣そのものである。僕はあんなに一所懸命になる機会が少ない気がする。なんだかそれだけで羨ましい気がするのである。