辛い二つの別れ
医療の仕事をしていると入院受け持ち患者さんが不測の事態で亡くなることがある。整形外科そのものの疾患で亡くなるということはめったにないけれど、大抵はもともとかかえている内科的な合併症からの悪化だったり高齢で体力に予備力がないために徐々に衰えていく……みたいなこと。たいていは食思の低下、意欲の低下から始まることが多い・・・それを防止して元気に退院できるようにしていくのが私たちの役目だと認識してはいる。でも現実にはなかなか思うようには進まないことが多い。
この1か月で2人の80歳代の受け持ち患者さんが亡くなり死亡診断書を書いた・・・整形外科ではめったにないこと。私が若い頃に救急医療に携わっている頃には小児から老人までいろいろな事情で亡くなって診断書を書いたことが多々あった。DOA(Death On Arrival)といって、救急車で運ばれてきたときには既に亡くなっている状態というのも数多く遭遇したこともある。
ただ、今回は立て続けに2人亡くなったことで久し振りに老人と生きることについて考えてしまった。
今の時代(昔からそうかも知れないですが)家族の受け入れ態勢が十分でなかったり・・・具体的には退院しても家族が少なかったり、日中仕事で不在がちな家族があったりで十分な看護、介護が難しかったりするなどの例が多い。
一言でいえば ” 老人にとって行き場所がない ” ということかなあ。自分の両親や親戚のことを思い出してみてもそうだけど、ホントに行き場所がなかったなあ・・・と反省も込めて思うことしきりだ。
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