銚子・角巳之・三代目

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世論と輿論②

2022年09月13日 | 日記・エッセイ・コラム

輿論ということが、正しい知識や情報に基づき徹底的に議論され合意形成を図る道筋だとすれば、
他方、世論はある種の感情、あるいは雰囲気。噂話の類も含まれてしまうのかもしれません。
あの人は〇〇なんだって...という根拠ない話が本当になってしまう恐ろしさも内包しております。

明治維新後、漢字の簡素化などの理由から当て字が使われ意味を混同してしまった事例の一つの
ようです。当時ラジオや新聞等の普及によってそれまで一部の知識階級の産物であった輿論形成
が、一般市民を巻き込んだ世論形成になった...。輿論の世論化と呼ばれるそうです。

時が進んで現代。SNSはじめ情報量が明治期と比べ物にならないほど多くなっている状況下に
おいて、世論と輿論を区別することは極めて重要ではないか?と感じております。意見が多く
なればなるほど...まとまらない。それでも徹底的に議論して合意形成の跡を残さないと...。

世論は短期的で人の感情、欲に直結する。輿論は将来に渡る長期的な展望であり、その合意形成
に参加する人は、感情や私利私欲を徹底的に排除しなければならない。将来展望を一時の世論で
解決しようとすること。これを教養が無いと言うのです...。再び恩師の登場でありました...。