銚子・角巳之・三代目

写真付きで日記や趣味を書くならgooブログ

川口の“うねり”

2008年02月26日 | 日記・エッセイ・コラム

Img_2856 阿波の鳴門か銚子の川口、伊良湖の渡会が恐ろしや...。昔から太平洋沿岸の三大難所(船の航海が最も難しいところ)と呼ばれている銚子の川口。昨日、千人塚(海の遭難者の慰霊碑・銚子第三漁港近く)から見た風景です。白波が立っているのは銚子の北側、茨城県波崎付近。ここ利根川の出口のところです。比重の軽い利根川の水と比重の重い海水の交差。軽い淡水は海の表層を高速で走り、重い海水はその下を複雑に流れる。また銚子は親潮と黒潮の交差点。親潮は冷たく比重が重く、黒潮は暖かく比重が軽い...。これらが複雑に混ざり合う。そこに強風と、“うねり”....。因みに波浪とは、その地で吹いている風によってもたらされる波を指し、“うねり”とは、遠くの台風や地震などによって生じた波が伝わってきたものを指すそうです。小田原、高知など太平洋沿岸の方々が銚子へお越しになった時、必ず違和感があるとおっしゃっているのが写真の風景。中堤防を隔てて写真手前側は殆ど波が立っていないのに、奥側は白波が立っております。何度も中堤防を大きく越える大波が立っておりました。銚子が海の難所と言われていたのは、この中堤防が出来る前の事。もし中堤防が無かったら、あの白波が直撃となる訳です...。この日は当然の事ながらシケのため水揚げは無し。風景見ながら“うねり”について考えました。時代の“うねり”なんて言葉があります。中堤防があって、自らの周囲は無風で波が立っていないけれど、中堤防がなければ“うねり”によって生じた波の直撃。また自分の周囲だけ守っているように見えても、外には出られない訳ですからやがて.....。“うねり”は自らの周囲とは無関係の遠いところからもたらされ、それらが伝播してやがて自らの周囲に大きな影響を与える。世界の資源・エネルギー戦争、水、CO2問題....。そんなの自分達とは無関係の遠い話...では無い事....。“うねり”を感じます。