“本日、天気晴朗ナレドモ波高シ” まさにここ数日の銚子港がそれ。快晴なのに大シケ。船は出漁できず、港は閑散としております。さて冒頭の言葉、日本海海戦時に、何度か掲載しております秋山真之が、本国に向けて打電したと言われている文章。時代は江戸時代の“~そうろう”から、実用的で平易な近代日本語に変わる転換期。軍事戦略の天才と言われた秋山真之はまた、文章の天才とも言われております。あまりの天才、常人にはその真意が伝わり難く、軍事通信に冒頭のような文章は相応しくない。という議論もあったようですが....。日本とロシアの戦力差数十倍。その敵に対峙し、勝てないまでも負けない戦いを挑むには、物量、兵力量を補って余りある戦術を。これまた何度か掲載しておりますので詳述を避けますが、物量、兵力の少ない日本海軍は、大砲の精度を上げるため、凄まじい訓練を行っていた訳です。霧でも発生すれば敵艦を見逃す、見逃せば大陸との補給路を絶たれ、大陸にいる陸軍は孤立する。波が無ければ自分達の精度も上がるが、敵の精度も上がる。とすれば、物量に劣る日本は不利になる...。快晴で波が高い。敵はハッキリと確認できて、波の高さは一撃必中の猛訓練をしてきた我が方有利。冒頭の言葉は単なる気象を表現しているのではなく、その深い意味まで含まれていたのだそうです...。さすがに天才。攻撃を前に“Z旗(ぜっとき)”が掲げられたと。その意味。皇国の荒廃この一戦にあり。各員一層、奮励努力せよ....。一層の奮励努力。天気晴朗なれども波高い銚子の最近、そんな言葉が頭を過ぎります....。