明日まで行われている【第88回日本選手権・競泳競技】だが、とても潔いというか、すっきりしているというか、緊張感が漂って「これぞ代表選考会」という感じがして好感をもって観ているのは僕だけだろうか。
マラソンの代表選考やボート(再レースで決着)を始め、毎回すっきりしないオリンピック代表選考だが、この競泳だけは実にわかりやい。ロンドン五輪出場決定の条件はいたってシンプル。『ロンドン五輪派遣標準記録を突破し、決勝で優勝および2位入った選手』となっている。この標準記録というのも「過去4年間の世界ランキングを1国2名で作成(アメリカ、オーストラリアなどは強い選手が数名いるが、五輪出場は1国2名のため)し16位相当のタイム」となっている。つまり、準決勝(ベスト16)まで行く力がないとオリンピック出られませんよということだ。
その結果、いくつものドラマが観られる。男子100m、200m平泳ぎでは北島康介が4回連続五輪出場をきめれば、前回選考会で泣いた立石諒が2着で飛び込んで出場を決めた。その陰で200m昨年世界ランキング1位の富田尚弥は代表漏れとなった。その他松田丈志(男子200mバタフライ、自由形)、入江陵介(男子100m、200m背泳ぎ)、加藤ゆか(女子100mバタフライ)、鈴木里美(女子100m平泳ぎ)が順調に代表入りを決めたが、2009年100m背泳ぎ世界王者の古賀淳也は男子100m背泳ぎで2着に入ったものの、記録に届かなかった。女子200m自由形でも上田春佳、伊藤華英が代表を狙って1,2着に入ったが記録に届かず代表になれなかった。ただ男女200m自由形では4着まで入った選手が800mリレーの選手にそのまま選ばれており、各4選手のロンドン五輪出場が決まった。このリレー代表の選考も実にシンプルで実にわかりやすい。
そんな中、北島が日本記録で勝った100m平泳ぎの5着に入った富永航平という選手がいた。僕はNHKの字幕間違いかと思っていたらそうではなかった。彼はなんと東大生なのである。現在3年生。今の目標はインカレ優勝だということだが、レベルの高い日本の平泳ぎで5着は相当立派。2位に入った立石も慶応もすごいが、東大とは・・・。頑張れ!富永。尚、100mと200mの3着に入ったのは高校生の山口観弘。高校新記録での結果であった。そして女子200m平泳ぎでは15歳の渡辺香生子が感動の代表選出となった。岩崎、北島が築いた平泳ぎ界は多士多彩。なかなか見所が多い戦いであった。
今日の重賞を簡単に振り返る。【第55回サンケイスポーツ杯阪神牝馬S】は藤岡佑介騎乗の11番人気クィーンズバーン(牝4歳・浅見秀一厩舎)が逃げ切って重賞初勝利を挙げた。勝ちタイムは1分21秒9。クィーンズバーンがスタート良く先頭に立ち、スプリングサンダーは先団のすぐ後ろにつけ、マルセリーナ、アパパネ、フミノイマージンらは中団に控えた。馬群はやや縦長になったが、道中は極端に位置取りを変える馬はなく、淡々とした展開で4角を回った。直線に向いても逃げたクィーンズバーンが粘りを見せる。有力馬が軒並み伸びを欠く中、直線半ばでようやくマルセリーナ、フミノイマージンの末脚に火がつく。一完歩ごとに差を詰めたものの、クィーンズバーンがマルセリーナの追撃をクビ差しのいだところがゴールだった。勝った7クィーンズバーンだが、僕の《my注目馬》だったので、馬連だけは抑えていた(軸はフミノイマージン)ので大きな贈り物をもらったが、正直「まさか」であった。ただ前走抑えた競馬が良かったので、少しはやれるかと思っていたのだが・・・。2着マルセリーナはようやく復活してきた。ただ勝てないところがもう少しという感じか。僕が軸に狙って馬券になってくれるフミノイマージンは1400mでもよく走ってくれた。本番は200m延びるし、もっと際どいだろう。
勝ったクィーンズバーンは父スペシャルウィーク、母シンコウエンジェル(母父Ogygian)という血統。通算成績11戦4勝。重賞は初勝利。スペシャルウィーク産駒のJRA重賞は昨年の【JC】以来29勝目。鞍上の藤岡佑介、浅見秀一調教師ともに初の同レース制覇。藤岡佑介はjRA重賞21勝目。今年は【オーシャンS】のワンカラットの次いで3勝目となった。浅見師はJRA重賞18勝目(今年初勝利)となった。
一方、【第30回ニュージーランドトロフィー】は秋山真一郎騎乗の1番人気カレンブラックヒル(牡3歳・平田修厩舎)が好位から抜け出して2馬身半差の完勝。デビュー3連勝で重賞初制覇を果たした。勝ちタイム1分33秒2。2着には中団追走からしぶとく伸びた2番人気セイクレットレーヴ、3着には後方から追い込んだ4番人気ブライトラインが入り、上位3頭は【NHKマイルC】の優先出走権を獲得した。破格のスピードでデビュー2連勝を果たした新星が、重賞の壁も難なく突破した。この日も抜群のスタートダッシュを決めたカレンブラックヒル。スピードの違いで一時は先頭をうかがうも4番手に控え脚を温存。その末脚が直線で爆発。直線入り口で出されたゴーサインに瞬時に反応し、残り200mで先頭に立つと、急坂で一気に後続を突き放した。完勝。レースセンスも文句なし。無傷の3連勝で重賞初勝利を成し遂げ、3歳マイル王決定戦の主役へ堂々と名乗りをあげた。いやぁ僕が思っているより強かった。【NHKマイルC】の主役候補だ。2着セイクレットレーヴは末脚が光ったが、この馬府中の方がよさそう。3着も末脚を伸ばしたブライトライン。ただ上位3頭は枠に恵まれた感がある。4着オリービン、7着レオンビスティーなどは外外を回された。上手く立ち回れたら3着はあったかもしれない。
勝ったカレンブラックヒルは父ダイワメジャー、母チャールストンハーバー(母父Grindstone)という血統。通算成績3戦3勝。重賞初勝利。鞍上の秋山真一郎、平田修調教師はともに同レース初制覇。秋山のJRA重賞は通算29勝目。この勝利で’98年から続くJRA連続年重賞勝利を「15」に伸ばした。管理する平田師はJRA重賞7勝目、今年は【スプリングS】グランデッツア以来2勝目となった。
では明日の予想。まずは【桜花賞】。何でこんなに人気がないのかと思っている9番イチオクノホシ本命。関東馬が制圧したトライアル。しかし本番は圧倒的に関西馬が有利となる。関東馬で勝負になるのは前哨戦から関西に滞在する馬である。イチオクノホシは完全に前走から本番を狙っての関西滞在。今ひとつ爆発力がないが、この人気ほど負けていない。今回は絶好の馬番(9番)を引き、鞍上の田辺は隠れた阪神巧者。少ないながら複勝率は23%を超える。相手は10,17番。馬券は馬単流しと10,17番を相手に3連複。
中山メイン【春雷S】は4番パドトロワ。鉄砲実績がないのでネックだが、それで人気が落ちれ場面白い存在。鞍上は南関の王者・戸崎圭が乗るし、あえて【高松宮記念】を使わず、ここまで待ったのだから中途半端なつくりはしていないだろう。相手は11,9番だが、2番も面白い。
福島メイン【吾妻小富士賞】は8番ルアーズストリート。前走は降着だったが、このクラスで確実に走っている。キンカメ産駒は今日福島で3回複勝に入っていた。少し目立った動きだった。鞍上は前回の挽回をしたい藤岡康だし、ここは狙い目。相手は12,15番。
明日の阪神競馬のイベントには俳優の田中圭が来場するらしい。これって奥さんが「さくら」だから!? 単純すぎない!?