風音土香

21世紀初頭、地球の片隅の
ありをりはべり いまそかり

「『若者の読書離れ』というウソ」

2023-07-26 | 読書

本書タイトルもさることながら
サブタイトルの
「中高生はどのくらい、どんな本を読んでいるのか」
に惹かれて購入。
先日取り上げた↓の本ともリンクして読んでみた。


大人が勝手に「読書離れ」「ラノベばかり」と決めつけ
嘆いてみせるという流れが昨今だったけれど
詳細なデータを駆使してその固定観念を覆してみせた。
まぁ、ゲームや漫画からの流れで本を手に取るという意味では
確かに大人達のイメージする読書のモチベーションの持ち方とは
ちょっと違うのかもしれないけれど
それでもいまだに太宰に人気があるというのは面白い。
私は基本的に
「漫画だろうが、図鑑だろうが、ラノベだろうが、
 その時に読みたいものを読めばいい。
 その習慣が大人になってもちゃんと身につき
 そのとき読みたいもの、必要なものを読むことにつながる。
 まったく本を開く習慣がない人は
 大人になって必要に迫られても手に取らない」
という考え方なので、こういうモチベーションの持ち方もOKだ。

小・中学生に人気の本には三大ニーズがあるという。
1 正負両方に感情を揺さぶる
2 思春期の自意識、反抗心、本音に訴える
3 読む前から得られる感情がわかり、読みやすい
そして人気の型も4つ挙げられている
①自意識+どんでん返し+真情爆発
②子どもが大人に勝つ
③デスゲーム、サバイバル、脱出ゲーム
④「余命もの(死亡確定ロマンス)と「死者との再会・交流」
要は4つの型が三大ニーズを満たすことが多いと。
これを見て笑ってしまった。
これって今に始まったことじゃないよね、昔からだ😁
私が子どもの頃好きだった「長靴下のピッピ」や「宝島」など
あるいはコロボックルものなども見事に当てはまる。

ところで著者はMBAを取得後に出版社で編集に携わり、
その独立してウェブカルチャーや子どもの文化を研究している
評論家、作家とのこと。
面白い経歴で、アプローチの仕方も独特だ。
なるほど本書も面白い。
ほんの一部を紹介したけれど、最初から最後まで納得。

「『若者の読書離れ』というウソ」飯田一史:著 平凡社新書

 
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