風音土香

21世紀初頭、地球の片隅の
ありをりはべり いまそかり

街は世につれ

2024-07-25 | 社会

ネット上でこんな路線図を見つけた。
44年前の1980年の東京路線図。
当時私は20歳、大学2年の頃で東京に住んでいた。
当然のことながら大江戸線、南北線、副都心線はまだ無い。
半蔵門線も永田町で途切れている。
(当時は「銀座線と並行してて、こんな線要る?」思っていた)
とはいえ、現代の路線図とは一見そう違わない。
上記の線が無くても、そう困ることはなかった気がする。

路線図上ではそうだが
実際の街は大きく変わったと感じている。
表参道は大人の街だった。
(とはいえ、1歩裏通りに入ると下町の雰囲気が残っていた)
六本木はおしゃれで他の街とは別世界。
まだ恋文横丁などが残っていた渋谷はサラリーマンの街で
新宿歌舞伎町は雑多な感じではあったが、
駒劇場などがあって、少なくとも風俗の街ではなかった。
六本木を除くと、どこの街にも伝統的な東京が残っていた。
なんならまだ戦後を引きずっているような街も。

再開発という名のもとに
古い建物がどんどん無機質な高層ビルに変わると同時に
「東京」の文化が消えていっている気がする。
自分の進学時に憧れた「文化の中心」たる東京の求心力は
今ではすっかり薄れてしまい
「マネー中心」「他地方の生産を消費する街」になった気がする。
(カロリーベースで北海道、東北4県、新潟だけが100%を超えている。
 例えば電力供給率なども都市部は地方に頼っている)
「消費」という表現なら耳触りがいいけれど
「搾取」となると厄介な話になってくる。
食料自給率が総じて高い北海道〜東北の食糧に頼り、
原発のリスクを地方に負わせて電力を使い、
沖縄の基地に守ってもらい、
地方からの労働力によって経済を回している街「東京」。

ここで気がつかないと、日本全体の未来はない。
まずは「東京の文化」を再評価すべきなのではないかと思うのだ。
コメント
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