![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/49/70/0d0da3ea8ecde848ac6293d50d4fd991.jpg)
始まったばかりのテレビドラマを1〜2回見て
なかなか面白そうだと思って原作の小説を買ってきた。
読み始めたら、もう止まらない。
読みながら抱く推理がことごとく裏切られる。
めくるめく展開と心理戦。
こりゃーいくら頑張ってもドラマ化は完全には無理だ。
案の定、ドラマはこの小説の半分ぐらいから始まるけれど
前半部分がなければ(ある意味助走だ)深さに欠ける。
全体の展開に比べて、前半が占めるウエイトが高く
少々冗長に見えるけれど(そしてその部分も案外面白い)
だからこそ読者は間違った推理をのちに裏切られる。
サイコパスやマニピュレーターたちの物語。
それらが蠢く舞台が政治の世界というのが妙にリアルだ。
それを思うと、背中に嫌な冷たい汗をかく。
ネタバレになることを書くつもりはないが
この小説の結末はこのタイトルにもあるマトリョーシカだ。
清家一郎の事務所にあるものが大きな意味を持つ。
あぁ、またすぐに読み直したい。
「笑うマトリョーシカ」早見和真:著 文春文庫