風音土香

21世紀初頭、地球の片隅の
ありをりはべり いまそかり

「飛水」

2013-11-16 | 読書
ただの恋愛小説じゃない。
切なく、熱く、
そして最後まで読むとまた最初に戻りたくなる
驚きのストーリーと展開。
語り口は淡々としているからこそ
余計に読む者の切なさをかきたてる。
人生をかけた恋と言ってもいいのかな。
こんな想いを抱いて生きている人たちがいるという
そのことだけでも勇気をもらえる気がする。

それにしても、文章表現の巧みさに舌を巻いた。
2人でいる時の濃厚な描写とは裏腹に
会話は軽妙で意味深に含み笑いを伴う。
一方で主人公がひとりのシーンは淡々としていて
それがまた内に秘めた熱を感じさせてリアル。
狂おしい想いを心に抱きつつ
何気なく日常を生きる「女」に畏怖すら感じる。

初めて触れた作家だが
もう少しこの人の作品をひもといてみようか。

「飛水」高樹のぶ子:著 講談社文庫
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