風音土香

21世紀初頭、地球の片隅の
ありをりはべり いまそかり

10人のお坊さん

2022-08-19 | 映画・芝居・TV

たまたま目にしたこの番組。
どうやら今年1月〜2月に放送されたものの再放送らしい。
様々な宗派の男女のお坊さんによって
その日のテーマに沿った講話を1回あたり3人ずつ放送している。
話だけなので一見単調な番組なのだが
見て見るとなかなか奥が深く、また考え方もいろいろで面白い。
今回の再放送は今日が最後らしいが
もっと続けて欲しいと思った。

一番面白いと思ったのは
天台宗や真言宗など歴史が古い宗派は哲学的な話が中心である一方
一般の民衆救済のために成立した浄土宗や浄土真宗は
私たちひとりひとりにとって身近なわかりやすい話だったこと。
なるほどなぁ。
どちらの話もそれぞれ心に響くんだけどね。
大学時代の講義でも宗教学は面白く受講した思い出があるけれど
もう一度自学してみようかなぁ。

今回の放送で一番心に残ったのは一昨日の放送。
テーマは「生きる意味」だった。
天台宗の方からの
「お釈迦様が生まれた時に言った『天上天下唯我独尊』という言葉は
 『世の中で自分が一番偉い』と誤解されているが
 実は『人間ひとりひとりがそれぞれの使命を持っている
 という意味なのです」
浄土宗のお坊さんからの
「『分別』というと一般にはいい言葉と思われていますが
 それは『人を分けて考える』ということ。
 どんなひとか、自分と同じ・違う人かを分けて考えずに
 『無分別』というのが人として生きる上で大切なことだと思います」
特に「無分別」はすーっと心の中にその言葉が入ってきた。
性別や国籍や人種や文化の違いなど瑣末なこと。
右利きか左利きか、メガネをかけているかかけていないかと同じ。
もちろん性的指向も性自認も。

先日取材した人から
「ダイバーシティ」という言葉に違和感がある」
と言われた。
「多様性」とは前提として「人としての違い」がある。
それを認めようというのが「ダイバーシティ」。
確かにそうだと思って聞いていた。
でもね「無分別」ならすんなり理解できるよね。
深い。

たまたま見始めた時にはなんとなく聞き流していたから
この番組をもう一度始めから見たい。
コメント
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