風音土香

21世紀初頭、地球の片隅の
ありをりはべり いまそかり

メディア

2021-07-27 | 社会
「メディア(media)」の語源は「ミディアム(medium)」
「中間」という意味から「伝達、媒体物」という意味だ。
つまりメディアとは中間者。
何かと何かを繋ぐもの、伝達するものということになる。
情報を不特定多数の誰かの元へ、人と人、地域と地域をつなぐものだ。

口コミを除き、昔は紙の媒体が全てだった。
江戸期は本と瓦版、明治になっても書籍と新聞。
新聞が即時性、書籍が詳細性を担っていたのだろう。
のちに即時性ある電波がニューメディアとして一般的になってくる。
戦時中はラジオが重要な情報源となった。
(統制もされていたけれど)
戦後はテレビが大きな役割を果たした。
それでもまだまだ書籍や新聞も大きな存在だった。
その頃の役割分担といえば
即時性、広汎性という部分は電波が
詳細性、記録性という部分は紙メディアがカバーしていた。
(新聞の即時性は電波に取って変わったが
 電波で第1報を知り、翌日の新聞で詳しく知る形となった)

インターネットの登場はメディアを大きく変えた。
即時性と詳細性を併せ持ち、
しかも特定のメディエイター(mediator-発信者)」だけではなく
誰でも手軽に情報発信者になれる媒体。
要は電波と紙の両媒体を凌駕する存在となったのだ。
ただし弱点もある。
誰でも手軽に情報発信者になれるということは
専門性が欠如してしまうということ。
もちろん手練れもいるが、いわば玉石混交、
流される情報の真偽が定かではなくなっている。
膨大な量の情報が溢れ、本当に必要な情報の触れられない。

なにかひとつのメディアが突出して優れているとはもう言えない。
これからの情報発信は、メディアの取捨選択が大事だ。
ネットだけだと検索に引っかからなければ見てもらえない。
SNSだけでは情報が軽い。
紙は手渡しが必要だし、電波はすぐに通り過ぎてしまう。
たぶんメディアミックスが必要だろう。
書籍や新聞にQRコードを載せてwebに誘導するとか、
電波を使って紙を手に取ってもらうとか、
SNSから書籍購入を促すとか、
それをいかにうまく駆使できるかがメディエーターの優劣を決める。
出版不況だとか、新聞が売れないとか、
テレビの視聴者が減っているとか、ネガティブな話もあるが
プロモーションの手段が広がっている今
個人的にはとても面白い時代だと感じている。
コメント
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