風音土香

21世紀初頭、地球の片隅の
ありをりはべり いまそかり

音楽メディア

2017-11-19 | 音楽
20歳過ぎぐらいまではレコードとカセットテープ。
特に(お小遣いではなかなか買えなかったけど)
LPレコードは貴重で大事なものだった。
散々迷って新しいレコードを買って
ビニール袋からジャケットを取り出す時には
ワクワク、ドキドキしたものだった。
まっさらなレコードから立ち上る樹脂の匂い。
ホコリひとつ付いていないレコードをターンテーブルに乗せ
目を近づけながら傷つけないように慎重に針を乗せる時の緊張。
レコードは大事なので、
最初にかける時にはすぐにカセットテープにダビングし
その後基本的にはテープで聴いたものだった。
(本当はオープンリールが欲しかったけど、高価で断念)

初めて買ったレコードはやまがたすみこ。
そしてパーシーフェイスオーケストラのビートルズカバー。
かぐや姫、イーグルス、クラプトン、ビートルズ、
そしてはっぴいえんど・・・
すべてレコードで買ってテープで聴いていたものだ。
カセットテープは、安物とメタルでは音が大違い。
ほとんどのカセットはテープが伸びるまで散々聴いた。
実家近所にあった私立図書館でレコードの貸し出しをやっており
しゅっちゅう借りてきては片端からテープに録っていった。

大学4年の時に、アルバイトで貯めたお金で
初めて自分のステレオコンポを買った。
それまでは大学入学時に親に買ってもらった
レコードプレーヤーがついたモジュラーステレオを使っていた。
新品のコンポにはレコードプレーヤーとCDドライブがついていた。
当時流行っていたカセットテープのウォークマンは
私は持っていなかったので
音楽を聴くのは自分のアパートの部屋でだけ。
初めて聞くCDの音は
レコードのような重厚かつ繊細な音ではなく
シャープでむき出し、レコードにはないピンピンした音で
(今考えるといかにもデジタルな音)
当時人気だったグローバーワシントンJrなどのような
ファンキーなフュージョンがぴったりだった。

そのうちレコードが姿を消して、CDが主流に。
そして登場してきたのがMD。これは本当に便利だった。
レンタルCDが全盛時代で、次々に借りてきてはMDに録る。
テープと違い、CDのように頭出しが簡単にできるし
小さくて車にたくさん載せていても邪魔にならないから
とにかくどんどん増えていった。
便利さは音の劣化に勝り、ポータブルのプレーヤーも使っていた。

データで聴く時代になり、ipodなども使ったけれど
メディアで音楽を聴いていた世代の私は
あくまでCDが主体だった。
CDからデータをPCに取り込み、それをipodに入れていたのだ。
家で聴く時にはCDか、PCからCD-Rに焼いたもので。
音楽をダウンロードするという習慣がなかなか身につかない。

今CDすらあまり売れないとのこと。
ほとんどデータをスマホやPCなどのデバイスに取り込み
それと同時に音楽がBGM化している印象だ。
お手軽なデジタルデバイスではなく、ステレオコンポなどで
じっくりと聴き込むことが少なくなっているのではなかろうか。
音楽までもが消耗品化しているようで、ちょっと残念だ。

まぁ、誰しもが忙しい現代。
高音質なステレオの前で
じっくり音楽を鑑賞する時間を取ること自体
もしかしたらとても贅沢なことなのかもしれないけれど。
コメント
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