風音土香

21世紀初頭、地球の片隅の
ありをりはべり いまそかり

Blues Music

2004-08-24 | 風屋日記
Bluesの話をしようか。

Bluesの発祥は、そんなに古い話じゃない。
1900年前後、綿花畑で働く黒人達の楽しみは、
一定のリズムに手製のギターを持って、即興の歌を歌い踊ることだった。
それがBluesのはじまり。
徐々に上手い歌歌いが現れ、3コードに1・2連のリフレインフレーズという
Blues独特のスタイルが確立されて行く。
Charlie PattonやRedberryの登場だ。
やがて酒瓶の上部を使ったボトルネック奏法のSanhouseなどが現れ始め、
悪魔に魂を売った代わりにギターテクを身につけた(笑)という
Blues最初のヒーローRobert Johnsonの登場を見る。

その後Bluesは、Big Bill BroongeeやMuddy Waters達によってシカゴで発展し、
ダブルのスーツに身を包み、エレキギターを抱えたエンターテイナー達の時代を迎えて、
全てのポップスに影響を与えて来た現代へと繋がって行く。

しかし、スポットライトの下で活躍するほど裁量のなかった人達(笑)は
それぞれ細々とギターを弾き続けるもの(Mississipi John Hurtなど)
音楽から離れ、都会に出て底辺の生活をしたり、ホームレスになったり(Sleepy John Estisなど)
人を殺してムショに入るものまで、人生イロイロだった(笑)。
1960年代のフォークブームで、スポットライトの下に引っぱりだされた時には、
みんなすっかり年老いていた。

私はBluesが好きだ。
それも前者より後者が・・・。
あのジイさん達は、スポットの下に引っぱりだしたレコード会社から
GIBSONのピカピカのギターを与えられ、
それでもマイペースでギターを弾き、当たり前のように歌っていた。
たぶん誰も聴いていなくても、好きな歌を歌っていたのだろうと思う。
故郷の古い小屋の前で。
私が今ギターを弾くのは、将来そんなジイさんになりたいから。
ギターのうまいへた、歌のうまいへたを越えた、
人間のSoulがそこにはあるような気がする。
コメント (2)
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