風音土香

21世紀初頭、地球の片隅の
ありをりはべり いまそかり

読書日記1

2004-08-28 | 風屋日記
「輪違屋糸里」を読んでいる。
浅田次郎には騙されることが非常に多く、
「たかが浅田」と軽い気持ちで読んでいながら
ついつい涙にくれてしまう。
そのテクニックに抗ってみても、つい引き込まれる。
まんまと「浅田ワールド」にハマってしまうのが悔しいので、
できるだけ買わないようにしているのだが、
今回は知人が「読んでみて」と家に置いて行った。
仕方なく頁を開く・・・止められない(笑)
人のハートの柔らかい部分をツンツン刺激してくる。
くそ。

現実の世界があまりにも厳しく、
最近は小説を読み続けることに耐えられなくなっていた。
イラクやアフガン、東南アジアやアフリカについての
ドキュメンタリーやルポを好んで手にとっていた。
小説は、既存の文壇の中でその存在をアピールすべく、
奇を衒っていたり、アンタッチャブルを犯したりしている。
評価できるのは、最近では重松清の「疾走」位かな。

でも浅田次郎はそんなことお構いなし。
マイペースで人の心を揺さぶってくる。
ころっとハメられる自分が悔しい。
コメント (2)
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