吉澤兄一のブログ

お江戸のど真ん中、平河町から、市井のトピックスを日記風につづりたいと思います。

バナナとバショウ(芭蕉)の閑話

2020年03月15日 | Weblog
最近スーパーの売り場などで、バナナが目立つ。ダイエットフーズ狙いか子どもからお年寄りまでの”おやつ”目的かは知らない。わが国のバナナ輸入量は全体で年100万トンぐらいらしいが、全世界のバナナ生産量は、約1億トンもあるという。相対的にみると、輸入量が大分少ないように見えるが、沖縄や奄美の国産バナナも量的にはそんなにない。


本州は関東あたりで、よく見かける”バナナ"(木)は、「バナナではなく、バショウだ」という。沖縄でよくみる芭蕉布の元のバショウ(糸芭蕉)らしい。木葉はそっくりだが、少し花の色が違う。バナナの花は少し紫がかっているが、バショウの花は少々黄色っぽい。花以上に実(果実)が違う。まっ黄色に熟したバナナは、木に房状に実っている(収穫期の)時は濃い緑。バショウの実も同じく青いが、房が小さくズンぐりしている。食する気にはなれない。


バナナもバショウもバショウ科の同属だが、同じバショウ(芭蕉)でもミズバショウ(水芭蕉)は、いささか異なる。サトイモ科の植草だ。よく沼や湖の湖畔や近くの湿地に、初夏白い花で咲く。尾瀬沼や網走湖畔などに群生している。バショウを漢字で書くと、あの俳人松尾芭蕉翁を想起する。芭蕉との俳号は、何から何処からきたのだろうかと検索したら、どうもご本人の命名ではなさそうだ。ご自分の住む庵・草庵の庭先に木立つバショウから、弟子たちがそう呼んだらしい。桃青がいつの間にか、芭蕉になったのだという。うらやましい。

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