吉澤兄一のブログ

お江戸のど真ん中、平河町から、市井のトピックスを日記風につづりたいと思います。

貧困のない世界への歩みを。

2009年02月22日 | Weblog
 世界には、一日1ドル未満で暮らしている人が10億人もいるという。わが国の貧困層イメージとは大きく違う。アメリカ金融危機発の昨年後半からの景気経済の後退によるわが国の失業や家を失った人々は、約10万人といわれている。ただいまのホームレス人口とも言えるが、彼らとて一日1ドル生活ほどではない。だからと言って、”手当て”が遅れていることがゆるされていいと言っているのではない。

 職や家を失ったこの間の派遣や期間従業を解雇された人々への国の公務員宿舎の一定期間の緊急貸し出し。空き家対策に困っていたとはいえ、久しぶりの官僚政府のヒット策に拍手していたが、今日の朝日新聞(2/21夕刊)に落胆した。1000戸以上もある募集枠に対してまだ2戸の応募入居だという。国が緊急措置したのだから、募集や対応や家賃保障、徴収などは各自治体がやれと”丸投げ”された自治体が対応できないからだという。バカも休み休みにしろのお役所シゴトの典型だ。

 100万世帯以上になったという生活保護世帯の増加を嘆いたものだが、この支給申請や支給業務にも結構いい加減な情況があると聞く。国も窓口の自治体もお役所シゴトに明け暮れているようだ。ただいまのわが国政府の貧困者対策は、年収200万円以下の1000万人の方々をターゲットにした施策だ。ポスト定額給付金問題の大きな課題だ。

 もっと広く世界に目を向ければ、一日2ドル以下で暮らしている人々が世界総人口の約半数だという。実に30から35億人になる。世界最貧国バングラディッシュのノーベル平和賞受賞者(2006年)ムハマド・ユヌス氏の『貧困のない世界を創る』(早川書房、猪熊弘子訳)の示唆に感激した。あのマイクロ・クレジット革命のグラミン銀行の総裁と言った方が紹介的なのかもしれない。

 貧困国の小さな村の小さな問題からスタートした女性や担保や信用のない貧しい人々への信用貸付を定款にしたグラミン銀行の成功発展が、彼にソーシャル・ビジネスと新しい資本主義を提案させたのだろうが、時代的だ。ただいまCSR(企業の社会的責任)や新市場原理主義などと言って時代遅れのままROI資本主義に固執している人々に、ぜひ熟読してほしい『本』だ。

 格差社会の解消は、まずは極貧困者の貧困からの解放から進めることなのだ。わが国の政府にもよくご理解を得たいと思っている。
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