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Lovelace, "Orpheus to Woods"

リチャード・ラヴレイス (1618-1657)
「オルペウスが森にいう」

聞け! なあ、聞けよ、おまえたち! 罪深い木々よ、
おまえたちの暗い木陰の道で、
もっともひどい殺人が、これまで太陽を
翳らせてきたきたなかでも最悪の人殺しがなされたんだ。
これからは、おまえたちなんか、
芽も小枝も枯れてしまえ。
一年の季節なんか、
おまえたちの髪を剃りあげる冬だけになってしまえ。
おまえたちの子宮から削ってつくられるものは、
棺桶と墓だけになってしまえ。

* * *
Richard Lovelace
"Orpheus to Woods"

Heark! Oh heark! you guilty Trees,
In whose gloomy Galleries
Was the cruell'st murder done,
That e're yet eclipst the Sunne;
Be then henceforth in your twigges
Blasted e're you sprout to sprigges;
Feele no season of the yeere,
But what shaves off all your haire,
Nor carve any from your wombes
Ought but Coffins, and their Tombes.

* * *
(参照)
オウィディウス『変身物語』10-11巻

* * *
英語テクストは次のページより。
http://www.luminarium.org/sevenlit/lovelace/
orpheuswoods.htm

* * *
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Rukeyser, "Waiting for Icarus" 

ミュリエル・ルーカイザー (1913-1980)
「イカロスを待っている」

彼は言った--帰ったら一緒にワイン飲もう。
彼は言った--なんでももっとうまくいくようになるよ、って
彼は言った--ぼくたちの関係、一歩先に進もうとしてるんだ
彼は言った--もう、絶対父さんにヘコヘコしたりしないから
彼は言った--プロの発明家になる、って
彼は言った--愛してる(あれがわたしに入ってくるとき)
彼は言った--社会に出るんだ、空に出るんだ
彼は言った--ベルトはみんな頑丈だよ
彼は言った--ロウは最高級品だし
彼は言った--ここの海岸で待ってて
彼は言った--泣かないで

わたしは思い出す--カモメたちと波
わたしは思い出す--海に浮かぶ島がだんだん暗くなって
わたしは思い出す--女の子たちが笑ってて
わたしは思い出す--いってた、あの人、あんたと別れたいだけなのよ
わたしは思い出す--お母さんはいってた、発明家なんて詩人と同じで社会のゴミ
わたしは思い出す--お母さんはいった、発明したものを本当に使うなんて、もっとバカ
わたしは思い出す--こうもいってた、いちばんバカなのはそんな連中を好きになる女たち
わたしは待っている、一日中、それか、もっと経ったかも。
あの羽、わたしが試したい、っていえばよかった。
そのほうが、こんなことになるよりよかった。

* * *
Muriel Rukeyser
"Waiting for Icarus"

https://murielrukeyser.emuenglish.org/wp-content/uploads/2014/02/Waiting-for-Icarus.pdf

* * *
このような羅列系の文章の場合、だいたい
真ん中と最後がポイントかな、と思って
「彼は言った」11行と「わたしは思い出す」
7行をそれぞれ見てみると……。

Cf. オウィディウス『変身物語』8巻

* * *
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