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Jonson, "Echo's Song"

ベン・ジョンソン(1572-1637)
「こだま」の歌

透明な泉……ゆっくり……ゆっくり……わたしの塩の涙と同じ速さで。
もっとゆっくり、お願い、弱く、優しい、泉のような涙、
静かな、沈んだ曲にあわせて。
〈悲しみ〉も泣きながら歌を重ねてくれるから。
うなだれて、草花。
降ってきて、嘆きの雨。
美しいものはみな消えていく。
ああ、わたし、
(岩の丘で溶ける雪のように)
ぽとり……ぽとり……ぽとり……と、滴って消えたい。
この世で一番きれいな人は、今はもう、枯れた水仙。

*****
(20110521)

ゆっくり……ゆっくり……澄んだ泉よ、
塩辛いわたしの涙とリズムをあわせて。
もっとゆっくり、お願い、
弱々しく、穏やかな泉のように流れる涙よ。
この曲の静かな、沈んだ旋律をよく聴いて。
「悲痛」も泣きながらメロディを重ねるから。

草花よ、うなだれて。
悲しみよ、雨になって降ってきて。
美しいものはみな消えてしまう。

ああ、わたしも、
(けわしい岩の丘で溶ける雪のように)
ポト……ポト……ポト……ポト……と滴って消えてしまいたい。
この世で一番美しかった人が、枯れた水仙になってしまったのだから。

*****
Ben Jonson
"Echo's Song" (from Cynthia's Revels)

Slow, slow, fresh fount, keep time with my salt tears;
Yet slower, yet, O faintly gentle springs:
List to the heavy part the music bears,
Woe weeps out her division, when she sings.
Droop herbs and flowers;
Fall grief in showers;
Our beauties are not ours:
O, I could still
(Like melting snow upon some craggy hill,)
Drop, drop, drop, drop,
Since nature's pride is, now, a wither'd daffodil.

---
英文テクストは、Ben Jonson, Cynthias Revels:
Or, The Fountayne of Selfe-Loue
, in
The Workes of Benjamin Jonson (London, 1616) を
ベースに編集。
- スペリングは現代のものに修正。
- コンマ、コロンなどのパンクチュエーションは原文通り。
- 5-7行目の歌を示す二重引用符は削除(ミスプリントと思われる。)
- 行頭のスペースは削除。

これが1616年版の原文。


******
まず、オウィディウスの『変身物語』第3巻から
「こだま」の話を。

もともと「こだま」はニンフのひとりでとてもおしゃべり。
ユピテル(ローマの最高神)とニンフたちの浮気の現場を
彼の妻ユノーがおさえそうなとき、いつも「こだま」はくだらない
おしゃべりで彼女を引きとめてニンフたちに逃げる時間を与えていた。
しかし、このようなトリックもやがてユノーにばれてしまう。
怒った彼女により、「こだま」の話す能力は奪われる。
そして「こだま」は自分から話せないように、他の人の話の
最後の言葉をくり返すいわゆる「こだま」に、なってしまう。

そんな「こだま」はナルキッソスに恋するが相手にされず、
やつれていき、やがて骨と声だけになり、そしてその骨も
石にかわって最終的には声だけの存在になる。

他方、ナルキッソスは泉の水に映る自分の姿を愛し
(ナルシズムの語源)、それに恋い焦がれるあまり
やつれて死んでしまう。そのあとには一輪の水仙が咲いていて……。
この一部始終をを見ていた「こだま」はさらに嘆き悲しむ。

Ovid, Metamorphoses (Penguin Classics, 1955)
Ovid, Metamorphoses, Books I-VIII (LCL 42, 1916)
オウィディウス 『変身物語(上/下)』 中村善也訳 (岩波書店、1981年)

---
図版を数点。

ニコラ・プーサン(プッサン、プサン)(1594-1665, フランス)
『エコーとナルキッソス』(1628-30)

http://www.nicolaspoussin.org/Echo-and-Narcissus-1628-30-large.html
岩になった「こだま」の描き方に工夫が。

水仙

http://commons.wikimedia.org/wiki/File:Narcissus_asturiensis.jpg
By flickr-user Juan_Sanchez (Juan José Sánchez)

*****
以下、解釈例。

1行目 fresh
淡水の。fresh fount と salt tears が対になっている。

1行目 fount
ナルキッソスが自分を見つめて死んだ泉。

2行目 faintly (adj)
弱々しい--流れる涙が、それから1-4行目の音楽の比喩に
そって、涙の奏でる音楽が。

2行目 springs
複数形なので、1行目の塩からい涙があふれる泉としての
「わたし」(「こだま」)の両目。(神話ではこのときすでに
「こだま」にはからだがないはず、などと興ざめなことは考えない。)

3行目 heavy
遅い、生き生きしていない / 重苦しい、耐えがたい。
OED, "heavy" a.1, 19, 20)。

3行目 the music
この詩はCynthia's Revelsという劇中で実際に
歌われたものなので、その曲そのもの、またはそのときの
伴奏のこと。(このような背景を無視して、「こだま」の
悲しい気持ちが音楽にたとえられている、と考えてもいい。)

1-3行目
「こだま」は、まず泉に対して、自分の涙とリズムをあわせて、といい、
次に自分の涙(目)に対して、劇中の曲(とそれがあらわす心の
悲しみ)にあわせて、といっている。悲しみと涙と泉の三重奏。

4行目 Woe
女性として擬人化された「悲痛」。

4行目 division
早くて華やかでメロディアスな音楽の一節。
特に、主旋律やシンプルな歌にかぶせられる装飾的な
ものとして(OED 7)。

つまり、静かで遅く沈んだ主旋律に対して、「悲痛」が、悲しくも
装飾的な(おそらく短音階の)副旋律を重ねる、フィルインを入れる、
ということ。たとえば、悲しい気持ちでいるときに、時折特に
強い悲しみがこみあげてきて涙があふれる、ということのたとえ。

5-7, 10行目(+ 8, 11行目)
上記の通り、この詩はCynthia's Revelsという
劇のなかで、登場人物の「こだま」が歌う歌の歌詩だが、
音声から構成を見ると、そのなかでも語りの部分と歌の部分が
わかれている。その歌のなかの歌がこの部分。
(8行目、11行目も歌かも。以下を参照。)

*****
以下、スキャンジョンなど。





1-4
散文的な弱強五歩格で語り口調から入る。特に1行目は、
コンマによる休止やストレスのある音節が多く、また
弱強格がひとつもなく、強強格(spondee)で強調的に、
かつ文字通り、ゆっくり……ゆっくり……静かに……。

5-7
5行目からストレス・ミーター(四拍子)になり、歌のなかの
歌がはじまる。(上のスキャンジョンのB=beatのところで
手拍子を打ちながら読めば、明確なリズムが聞こえてくるはず。)

8
この行は、解釈によっていろいろな扱い方ができるので、
行の下に二種類の拍子を示す。上のBBB(B)のかたちでよめば、
5-7行目と同じリズムで歌うことができる。同時に、このページの
上部にあげた1616年のジョンソン全集における活字の組み方を
見ると、歌の途中に少し休止を入れてこの行を語る、
という読み方をうながしているようにも思われる。
(おそらく、それゆえ5-7行目とは脚韻を踏んでいない。)

9
カッコに入れられていることからも、ここは明らかに
歌の途中に入るつぶやきのような語り。リズムもストレス・
ミーターではなく、より散文的な弱強五歩格に転調。

10
ストレス・ミーターの歌に戻る。水が一滴ずつ
ポト……ポト……と落ちるようすをあらわすように、
コンマを強調して読む。

11
この行も解釈によって複数の扱い方が可能。エンディングで
あることを強調する弱強六歩格(たとえばスペンサー連の
最終行のような)とも考えられるし、Bで示したように、
歌として5-7(+8)行目のリズムを二回くり返しているとも
考えられる。個人的は、後者のようにも聞こえる前者、
という雰囲気かと思う。(上記の通り、これまた微妙な
8行目と脚韻を踏んでいることからも。)

---
詩のリズムについては、以下の入門書がおすすめ。

ストレス・ミーターについて
Derek Attridge, Poetic Rhythm (Cambridge, 1995)

古典韻律系
Paul Fussell, Poetic Meter and Poetic Form, Rev. ed.
(New York, 1979)

*****
響きあう母音/子音の重なり各種--

Slow - slow - salt
fresh - fount
slower - O
faintly - gentle (- springs)
Woe - weeps
flowers - Fall - grief
Drop - pride (- daffodil)

(頭韻、行内韻、母音韻、子音韻、パラライムなどの
用語は定義があいまいなので使わない。)

*****
Henry Youll, Canzonets to Three Voices, (1608) に
この曲のスコアがある、ということなど、Oxford Poetry
LibraryシリーズのBen Jonsonに情報があり。
ご参考まで。

*****
学生の方など、自分の研究/発表のために上記を参照する際には、
このサイトのタイトル、URL, 閲覧日など必要な事項を必ず記し、
剽窃行為のないようにしてください。


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Milton, "Elegia Septima: Anno Ætatis Undevigesimo"

ジョン・ミルトン
「エレギア 7:19歳の年に」

ウェヌスさま、まだあなたの教えを知りませんでした。
まだ若くて、あなたの神殿の炎で胸が焼かれていなかったから。
それからクピド、君のはおもちゃの矢だと思ってた。
だから、本当は強いって知らなくて、君を完全にバカにして、
つい言った--ねえ、ボク、へなちょこハトポッポでも狙えば?
お子ちゃま兵士にはまねっこの戦争がお似あいだよ?
ほら、あそこのスズメをやっつけておいで。
勝てるかな?
人を撃つ? 無理無理。
大人をからかっちゃダメだよ。

これでクピドがキレた。(ああ見えても、神のなかで
あいつがいちばんキレやすい。) いつもの倍くらい燃えあがってた。

春になって、家の屋根の上から日がさしてきた。
光あふれる五月の最初の日。でも
逃げてく夜に、ちょっと待って、と目が言ってた。
朝の光はまぶしすぎて。え?
ベッドの脇に七色の翼……は? クピド? 早起きだな。
矢をかついで準備万端、元気いっぱい、
意地悪でかわいい目しやがって。
どこから見てもガキなのに神なんだよな。
オリュンポスの山にいるガニメデと同じ感じ。死なない神々にまじって、
ユピテルにカクテルつくってるあのトロイの子。
それか、水の精の女の子たちを誘惑してキスしてた美形のヒュラスとか。
そのまま水に引きずりこまれて死んだ、あのテイオダマスの王子。
とにかく、そんな感じのクピドが怒ってた。怒っててもかわいくて、
でも目が威嚇してた。毒のある顔。で、
こう言った。「言葉に気をつけろよ、弱いくせに。
ぼくの力、証明してやるから
せいぜい思い知れ、他の奴らみたいに。
痛い目見れば、ぼくの偉さがわかるだろうよ。
知らないの? ぼくだからね、ピュトンを倒して調子こいてた
アポロをぶちのめしたの。ぼくの完全勝利。
あいつ、ダプネのこと思い出していつも言ってるから、
ぼくの矢は正確で強力でさすが、って。
ぼくのほうが弓、うまいからね、
馬から後ろに矢を放つパルティアの奴らより。
キュドンの奴らだってぼくより下。自分の
奥さんを知らずに殺したあのケパルスだって同じ。
強そうなオリオンも前にやっつけた。
ヘラクレスとか、その連れとかも。
ユピテルが雷で撃ってきたって平気。
こっちだってあいつのわき腹に矢を撃ちこむだけ。
まだ信じない? じゃ、あとはぼくの矢に訊いて。それか、
自分の心に訊いて。今から本気で撃ってあげるから。
詩の女神は守ってくれないよ。
アポロの蛇だって意味ないし。」
こう言って、金の矢じりの矢を振りまわしながら、
クピドはあたたかいウェヌスの胸に飛んで帰っていった。
そこから、脅すような、バカにするような目をしてぼくをにらんできた。
ぜんぜんこわくなかったけど。

それで、町のみんなが出歩くところや、
カントリーハウスのある田舎に行ったりして遊んでた。
女神とまちがえそうな、きらきらな女の子たちがたくさんいて、
道の真ん中を行ったりきたりしてて、
それで太陽がいつもよりまぶしかった。倍くらい光ってた。
というか、むしろアポロが女の子たちから光を借りてた?
ぼくはまじめだけど、こんなすてきな景色はやっぱり見ちゃう、
若いから。自分でもどうしようもない。だから、
ダメ、危険だ、とは思いつつ、つい輝く子たちのほうを見た。
うん、目が離せなかった。
そのなかにひとり、最高に光ってるかわいい子がいて、
その子がぼくの不幸のはじまり。
ウェヌスが人になるとしたら、絶対この子を選ぶはず。
神々の女王ユノも、この子にそっくりだったんじゃない?
そんな子を、性格悪くて執念深いクピドの奴がぼくの前に連れてきた。
あいつに決まってる、こんな罠をしかけるなんて。
ていうか、そのクピドも近くにいた。たくさんの矢と
たいまつを、よいしょ、って背負って重たそう。なのに奴は
あの子のまぶた、次に真っ白なおでこにぶらさがって、
そしてくちびるに飛んで、最後にほっぺにのって、みたいに
あちこち飛びながら矢を撃ってきた。
ぼくの胸は蜂の巣状態、千か所くらいやられた。
胸が熱くておかしくなりそうだった。
心の内側から恋に燃えた。むしろぼく全体が燃えた。でも、
もうこの子だけでいい、この子がいれば幸せ、とか思ってるうちに
見失った。最悪。それでぼくは言葉もなく、
うそ、泣き言を言いながら、今も放心状態で出歩いてる。
出かけてもしかたない、と思いつつ。心が分裂してて、
やめようと思っても、ついその子のことを妄想しちゃう。
舞いあがって、すぐに落ちた気分。今、楽しいのは泣いてる時だけ。
たぶんユノの子のウルカヌスと同じ気持ち。天から追い出されて
レムノスの町に落とされた時の。
たぶん、今のぼくみたいな目で太陽をふり返りながら、死の世界に
呑みこまれたんだ、アンピアラオスも。馬も巻き添えにして。
なんなの、この不幸? 悲しいって思うたびにどんどん好きになる。
好きな気持ちを忘れられない。何もできないのに。
もう一度あのかわいい子の顔が見たい!
この悲しみを言葉にして直接伝えたい!
心が鋼鉄、なんてことはないはず。たぶん。
ぼくの話を聞いてくれない、なんてことはないはず。おそらく。
いや、マジ、こんな不幸な恋なんてない。
最初で最後の例として記録に残すべきじゃない?
お願い、助けて、やさしいクピド! 空飛ぶ恋の神さま!
恋を応援するのが仕事だよね!
まいりました! 君の弓は最強! 今さら遅い?
さすが女神の子! 君の矢、すごいね! 君の炎も熱いね!
お供えものするの、もうこれから絶対忘れないから!
空に神さまはいっぱいいるけど、君が最高! 君だけが本物!
お願い、この燃える気持ちを何とかして。うそ、何もしないで!
よくわからないけど、恋してる人って不幸で幸せなんだね。
ね、やさしいクピド、一個だけお願い。いつかぼくに
彼女ができるとしたら、ぼくとその子を一本の矢で撃ってくれない?

*****
John Milton
"Elegia Septima, Anno Ætatis Undevigesimo"

Nondum blanda tuas leges Amathusia norâm,
Et Paphio vacuum pectus ab igne fuit.
Sæpe cupidineas, puerilia tela, sagittas,
Atque tuum sprevi maxime, numen, Amor.
Tu puer imbelles dixi transfige columbas, [ 5 ]
Conveniunt tenero mollia bella duci.
Aut de passeribus tumidos age, parve, triumphos,
Hæc sunt militiæ digna trophæa tuæ.
In genus humanum quid inania dirigis arma?
Non valet in fortes ista pharetra viros. [ 10 ]
Non tulit hoc Cyprius, (neque enim Deus ullus ad iras
Promptior) & duplici jam ferus igne calet.
Ver erat, & summæ radians per culmina villæ
Attulerat primam lux tibi Maie diem:
At mihi adhuc refugam quærebant lumina noctem [ 15 ]
Nec matutinum sustinuere jubar.
Astat Amor lecto, pictis Amor impiger alis,
Prodidit astantem mota pharetra Deum:
Prodidit & facies, & dulce minantis ocelli,
Et quicquid puero, dignum & Amore fuit. [ 20 ]
Talis in æterno juvenis Sigeius Olympo
Miscet amatori pocula plena Jovi;
Aut qui formosas pellexit ad oscula nymphas
Thiodamantæus Naiade raptus Hylas;
Addideratque iras, sed & has decuisse putares, [ 25 ]
Addideratque truces, nec sine felle minas.
Et miser exemplo sapuisses tutiùs, inquit,
Nunc mea quid possit dextera testis eris.
Inter & expertos vires numerabere nostras,
Et faciam vero per tua damna fidem. [ 30 ]
Ipse ego si nescis strato Pythone superbum
Edomui Phœbum, cessit & ille mihi;
Et quoties meminit Peneidos, ipse fatetur
Certiùs & graviùs tela nocere mea.
Me nequit adductum curvare peritiùs arcum, [ 35 ]
Qui post terga solet vincere Parthus eques.
Cydoniusque mihi cedit venator, & ille
Inscius uxori qui necis author erat.
Est etiam nobis ingens quoque victus Orion,
Herculeæque manus, Herculeusque comes. [ 40 ]
Jupiter ipse licet sua fulmina torqueat in me,
Hærebunt lateri spicula nostra Jovis.
Cætera quæ dubitas meliùs mea tela docebunt,
Et tua non leviter corda petenda mihi.
Nec te stulte tuæ poterunt defendere Musæ, [ 45 ]
Nec tibi Phœbæus porriget anguis opem.
Dixit, & aurato quatiens mucrone sagittam,
Evolat in tepidos Cypridos ille sinus.
At mihi risuro tonuit ferus ore minaci,
Et mihi de puero non metus ullus erat. [ 50 ]
Et modò quà nostri spatiantur in urbe Quirites
Et modò villarum proxima rura placent.
Turba frequens, faciéque simillima turba dearum
Splendida per medias itque reditque vias.
Auctaque luce dies gemino fulgore coruscat, [ 55 ]
Fallor? an & radios hinc quoque Phœbus habet.
Hæc ego non fugi spectacula grata severus,
Impetus & quò me fert juvenilis, agor.
Lumina luminibus malè providus obvia misi,
Neve oculos potui continuisse meos. [ 60 ]
Unam forte aliis supereminuisse notabam,
Principium nostri lux erat illa mali.
Sic Venus optaret mortalibus ipsa videri,
Sic regina Deûm conspicienda fuit.
Hanc memor objecit nobis malus ille Cupido, [ 65 ]
Solus & hos nobis texuit antè dolos.
Nec procul ipse vafer latuit, multæque sagittæ
Et facis a tergo grande pependit onus.
Nec mora, nunc ciliis hæsit, nunc virginis ori,
Insilit hinc labiis, insidet inde genis: [ 70 ]
Et quascunque agilis partes jaculator oberrat,
Hei mihi, mille locis pectus inerme ferit.
Protinus insoliti subierunt corda furores,
Uror amans intùs, flammaque totus eram.
Interea misero quæ jam mihi sola placebat, [ 75 ]
Ablata est oculis non reditura meis.
Ast ego progredior tacitè querebundus, & excors,
Et dubius volui sæpe referre pedem.
Findor, & hæc remanet, sequitur pars altera votum,
Raptaque tàm subitò gaudia flere juvat. [ 80 ]
Sic dolet amissum proles Junonia cœlum,
Inter Lemniacos præcipitata focos.
Talis & abreptum solem respexit, ad Orcum
Vectus ab attonitis Amphiaraus equis.
Quid faciam infelix, & luctu victus, amores [ 85 ]
Nec licet inceptos ponere, neve sequi.
O utinam spectare semel mihi detur amatos
Vultus, & coràm tristia verba loqui;
Forsitan & duro non est adamante creata,
Forte nec ad nostras surdeat illa preces. [ 90 ]
Crede mihi nullus sic infeliciter arsit,
Ponar in exemplo primus & unus ego.
Parce precor teneri cum sis Deus ales amoris,
Pugnent officio nec tua facta tuo.
Jam tuus O certè est mihi formidabilis arcus, [ 95 ]
Nate deâ, jaculis nec minus igne potens:
Et tua fumabunt nostris altaria donis,
Solus & in superis tu mihi summus eris.
Deme meos tandem, verùm nec deme furores,
Nescio cur, miser est suaviter omnis amans: [ 100 ]
Tu modo da facilis, posthæc mea siqua futura est,
Cuspis amaturos figat ut una duos.

https://www.dartmouth.edu/~milton/reading_room/elegiarum/elegy_7/text.shtml

*****
24 Thiodamantæus
Thiodamas, Thiodamantis / Theiodamas, Theiodamantis (3rd decl.)
+
aeus (eus)
https://tinyurl.com/yrxvn854

48 Cypridos
Cypris
Cypridos / Cypridis
Cypridi
Cypridem
Cypride
Cypris
- Styx, Stygos / Stygis と同じパターン。

90 surdeat
次の論文を参照:
John B. Dillon, "Surdeo, Saumaise, and the Lexica: An Aspect of Milton's Latin Diction", Humanistica Lovaniensia 27 (1978): 238-52.
https://www.jstor.org/stable/23973473

*****
圧倒的にかわいい子をどこかで見て、でも
すぐに見失って何もできなかった、名前も知らない……
という話を恋愛エレギア詩に書いたのは、
確かにミルトンが「最初で最後」。たぶん。
でも、そういう不幸な、というか淡い、恋のようなものは、
「最初で最後」どころか、まったくふつうでありきたり。
誰にでも経験のある、ありふれた経験。

カトゥルス、ティブルス、プロペルティウス、
オウィディウスら古代ローマのエレギア詩人や、
15-16世紀のネオ・ラテン詩人たちの描くような、
攻めの姿勢を貫く熱い恋人たち、幸不幸どちらの時でも
にぎやかでけたたましい恋愛関係のほうが、実は
稀なはず。(イタリア人にとってはそれがふつう?)

*****
あるいは……
ダンテとベアトリーチェ、ペトラルカとラウラのような
関係を、ミルトンは恋愛エレギアのジャンルに、
それからイギリスに、もちこもうとしている?
少なくともこの二人は相手の名前などを知って
いたのだから、それすら知らないというこの詩の
設定は、確かに「最初で最後」。

*****
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Buchanan, "Majae Calendae"

ジョージ・ブキャナン
「五月一日」(エレギア 2)

お祭りの日、陽気にふざけたい気分。輪になって踊り歌う子たちが、
楽しそうな恋の神が、いっしょにどう? って誘ってる。
軽いふざけ心でいけない遊びに手を出しそう。
いつも縛られている首も、今日は解き放たれて自由。
夜に眠らせてくれない心配ごとなんて、しばらくさよなら。
心配ごとを生むつらい仕事にも、しばらくさよなら。
裁判沙汰なんか遠くに消えてしまえ。口げんかもやめよう。
泣き声まじりの不満話も聞きたくない。
今、五月が過ぎ去った時を呼び戻して、
光る春の色で若い大地を染めてる。10
澄んできれいな、まぶしくあざやな空も
行ったりきたり、晴れたり曇ったりせず、
消えたりせず、毎朝日の出とともに戻ってきてる。
絶対に疲れない馬の戦車に乗って、太陽が空を旅してる。
おいで、〈おふざけ〉の精。クピドと優しいウェヌスさまのおかげで
今、心は自由。毒のない笑いがあっていい。
陽気な〈喜び〉の精と、その妹の〈楽しさ〉の精もおいで。
はだけてる、おしゃれな〈おおらかさ〉の精の力で、胸が。
そしてリーダーはウェヌスさま。ますますきれいに輝いて、
空にまぶしい炎を投げかけてる。20
いつも以上に優雅な洗練、白雪の首にはたくさんのネックレスを、
恋人のマルスに見せるため。
クピドも応援、シキリアのエトナ山のマグマで恋の矢を焼き直し、
きらめいて心に刺さる矢の先を石で研ぐ。
こっちの矢は神の香水に、あっちの矢は苦い薬に浸して、
恋の松明(たいまつ)をいつもより明るく燃やしてる。
ね、ウェヌスさまからアッシリアの香水の香りがしてくるのがわからない?
黄金の髪を春の花で編んでるのが見えない?
夜明けのエメラルドで手が輝いてるのが、
光るきれいな足を包んで黄金のドレスが広がるのが、見えない? 30
あの悪い子、クピドが矢を引いて、踊ってる子たちの輪をねらってるよ?
手は小さいけど、矢をあちこちで命中させてるよ?
ほら、恋の明かりで、恋の炎で、クピドが女の子たちを攻めてるよ?
難攻不落の女心に入りこんで、恋の不可侵条約を結んでるよ?
ウェヌスさまが通れば道じゅう花の香り、
ローマの真ん中の神々の森も緑色。
クピドがやってきたら、祭りの通りは拍手喝采、
みんなの明るい声が空に舞ってる。
ウェヌスさまの生まれた海も静かな波で拍手して、
楽しげな魚の群れも陽気に歌ってる。40
若いクピドには若い女の子たちが拍手喝采、
それで彼の裸の胸がいけない炎で熱くなる。
みんながウェヌスさまとクピドを称えてる。潤う空に、
大地に、海に生きるすべてのものが。
雨雲は風に散って、白い羊の毛みたいに広がって、
優しい地上の風が木の葉を髪のように揺らしてる。
金の手綱を手にした火星がいつもより明るく輝いて、
そしてもっと明るい太陽神アポロが海から出てくる。
朝日が草に光り、草が大地に光り、木の葉が木に光ってる。
楽しそうな羊の群れが、楽しそうな牧場で草を食べてる。50
檻の監獄から自由になって、馬が広い大地を駆けまわってる、
首を振って、たてがみを大波のように揺らしながら。
牧場で羊が草を食べ、その子たちは元気に跳びはねる。
あそこには、真っ白な妻の前で戦う雄牛。
ありえない崖の茂みを登る雌のやぎと、
その後ろの子やぎ。臆病者なんか押しのけて。
その頃羊飼いは、気持ちいい木陰に寝転んで、
田舎っぽい歌で暇つぶし。
それから草の香りにうつらうつらしたり、
近くの川の音で目を覚ましたり。60
というのも、誰かが岸にすわって釣りをしていて、
魚に引かれて糸が震えたらしいから。でも、逃げられた。
それで、針にまた餌をつけたり、
大きな網をていねいに広げて用意したり。
近くの森では、抱きあうようにからんだ蔦(つた)が
裸の樫の木の服みたい。それか、養子みたい。
色とりどりの木の実が森に、ぶどうの木にはぶどうの実、
畑のとうもろこしは今にもあふれそう。
羊飼いのティテュルスが白い百合をかごに摘んで、
君に贈りもの。料理係のテステュリスも金色のりんごを集めてる。70
つばめのプロクネと妹のピロメラは巣のなかで大丈夫。
かわいい鳩は君といっしょに家のなか。
蜂の群れは、にぎやかに緑の枝のあいだで遊んでる。
鳥の歌の魔法で森は穏やか。
楽しくねっとりキスを交わしてるカオニアの鳩、
イティスの死を悲しんで鳴く母つばめ、
太陽に向かって気持ちよさそうに羽を広げてるこっちの鳥、
餌をくわえて巣に帰るそっちの鳥、お腹を空かせたヒナが待ってる。
土のなかの虫探しをやめて顔を上げるあの鳥、空を飛んで逃げてく鳥。
おいしそうに川の水を飲んでる鳥もいる。80
大地が笑ってる。森も笑ってる。空がキラキラまぶしい。
やさしい風が静かな海を包んでる。
胸を苦しめる心配ごとなんて、もうはるかかなたにさよなら。
手に入らないものを求めてやきもきしたって意味ないし。
そこのおじいさんたち、死のことなんか考えないで。目がこわいよ?
暗い顔はやめて。厳しい現実とか忘れたら?
新しい年になれば前の年の悲しみなんてどこかに消えるよ?
いい匂いの花があちこちにたくさん広がるし。
霜の冬、死にたくなるくらい寒くたって、
春になったら、野原に去年以上の花が咲くんじゃない? 90
しばらくのあいだ、やさしい顔でいてよ?
死の脅しとか、厳しい定めとか、どうでもよくない?
短い人生、できるだけ楽しまないと、
若返ったつもりで、歳なんて忘れて。
今のこの瞬間は、微笑む人生からの贈りもの。
すべてを生む大地一面にたくさんの花、すごくない?
何もできなくてつまらない冬は終わったよ?
うずうずする気持ちをなくしちゃダメだって! 不自然だよ!
貯めて隠してあるいちばんの果実を食べちゃおう。
大丈夫、運命の女神があふれる富をもっといっぱい返してくれるから。100
たっぷりあるから、蔵に眠らせてるなんてもったいない、
バスクの砂地のぶどうのワイン。
飲まないとすっぱくなるのは
人生と同じ。できる時にできることをしないと。
怖い先生の皆さん、こどもたちに嫌われてるよ? うるさいって。
いつも鞭(むち)をブンブンビシバシ振りまわしてる。
気持ちいい季節だから、意地悪な顔、やめようよ。
先の分かれた鞭とか、脅迫とか拷問の道具でしょ?
小枝でピシピシ叩かないで。
鞭で手を縛るのもやめて。痛そう。110
キラキラのこどもたちの顔、涙でぐしょ濡れにしたらダメ。
雪みたいに真っ白な顔にミミズ腫れとか、かわいそうなことしないで。
そしたらいつか、みんな詩の女神とのびのび自由にできるようになるから。
パルナッソスのカスタリアの泉からたくさん詩が湧き出てくるから。
さ、若いみんな、輪になってたくさん踊ろ! 歌お!
楽しく笑って五月のお祭りして、この地の精霊といっしょに遊ぼ!
けんかしてたら楽しくない。悲しみなんか笑い飛ばしちゃえ。
言いあいするなら笑おうよ。悪口言うより歌おうよ。
うるさい旦那がお嫁さんを閉じこめるとか、
ありえない。ドアはちゃんと開けておかないと。120
心配性のママが怖がりな女の子を
暗い家に閉じこめて隠すとか、もっとありえない。
ウェヌスさまがしているように、大きく出して、白いミルクの胸を。
金の髪をほどいて白いミルクの首に投げかけて。
燃える赤の宝石の唇のなか、ポエニの真珠の歯をきらきら光らせて。
かわいい顔を恥ずかしそうに赤く染めて。
女の子のほてった赤い顔は最強。まるで無敵の矢。
神々だって腰砕けでメロメロ。
数えきれないたくさんの男の子が、その矢の嵐に撃たれて
逝く。もっとたくさんの男の子が、撃たれて逝きたいと思ってる。130
さあ、輪になって踊れる若いうちに、誘うように楽しげな春を、
五月のお祭りを、自由に楽しめるあいだに、
薔薇の花を摘もう。摘まなければ、茂みの花だって枯れる。
君の命も同じだよ?
冷たく凍える北風が吹けば、きれいな大地の草花は台なし、
灰色の雪に覆われる。
森の木々から葉っぱが奪われ、庭から花が消え、
川の水は凍って固まる。
君も同じこと。髪が醜い灰色になったら生活が変わるよ?
顔もカサカサでシワシワになるんだよ? 140
ゆるんだ肌はたれ下がってくるし、歯も汚れて
グラグラになってくるし、泣きすぎて目は充血するし、
甘い蜜のような言葉も出てこなくなるし、
ほら、君の人生のいちばん暗くて寒い日がそこまで来てるんだよ。
だから、意地悪な運命の女神たちが見逃してくれてるあいだに
春の季節を楽しく過ごそう、大人も、若い子たちも、みんな。

*****
George Buchanan (1506-1582)
"Majae Calendae" (Elegia II)

v.1 Festa vocant, laetisque comes Lascivia festis,
2 et chorus, et choreae blandus amicus Amor :
3 ludit et admissis levis Indulgentia frenis,
4 et levat assueto libera colla jogo.
5 Interea vigiles paulum secedite curae,
6 et genitor curae dure facesse labor.
7 Este procul lites, et amarae jurgia linguae,
8 mixtaque flebilibus maesta querela sonis ;
9 dum renovat Majus senium revolubilis aevi,
10 et tenerum verno pingit honore solum ;
11 dum caeli juvenile decus, mundique juventa,
12 per non ingratas itque reditque vices,
13 inque recurrentes sine fine revertitur ortus,
14 et numquam fessis saecula lustrat equis.
15 Hunc Jocus, hunc tenera mensem cum matre Cupido
16 vindicat, hunc risus, et sine felle sales ;
17 hunc hilaris Genius, Genii et germana Voluptas,
18 et pellucentes Gratia picta sinus.
19 Ipsa suo Cypris praesens aspirat honori,
20 et recreat flamma splendidiore polum ;
21 ipsa novos cultus, niveoque monilia collo
22 induitur, Marti ceu placitura suo.
23 Laetus Amor, jaculis Sicula fornace recoctis,
24 splendida sanguinea spicula cote terit.
25 Has linit ambrosia, linit illas felle sagittas,
26 et renovat flamma lucidiore faces.
27 Cernis ut Assyrios late Dea fragret odores,
28 implicet et flavas verna corona comas ?
29 Ut manus Eois radiet stellata smaragdis,
30 ut fluat in nitidos aurea palla pedes ?
31 Lustret ut intento choreas puer improbus arcu,
32 ut tenera fundat spicula certa manu ?
33 Ut face nunc juvenes, face nunc petat ille puellas,
34 asperaque invicto foedere corda domet ?
35 Qua Dea progreditur fragrant per compita flores,
36 et media placidum frondet in urbe nemus.
37 Qua Deus ingreditur festi per compita plausus,
38 et vox laetitiae testis in astra volat.
39 Applauditque Deae stratis mare leniter undis,
40 laetaque lascivis squamea turba choris.
41 Applauduntque Deo pueri innuptaeque puellae,
42 queis rudis in vacuo pectore flamma calet.
43 Plaudit utrique Deo quicquid creat humidus aer,
44 quicquid alit tellus, aequora quicquid alunt.
45 Rara procellosae fugiunt in vellera nubes,
46 mollior arboreis sibilat aura comis.
47 Purior auratis Pyrois splendescit habenis,
48 Phoebus ab aequoreis purior exit aquis.
49 Herba comis, tellus nitet herbis, frondibus arbor,
50 luxuriat laetum laeta per arva pecus.
51 Carcere liber equus spatiis lascivit apertis,
52 jactat et undantes per fera colla jubas.
53 Tondet ovis pratum, petulans salit agnus in herba,
54 pro nivea taurus conjuge bella gerit.
55 Rupis inaccessae scandunt dumeta capellae,
56 haedus et infirma proelia fronte movet.
57 Interea pastor geniali stratus in umbra
58 discutit incomptis taedia lenta modis :
59 nunc et odorata somnos invitat in herba,
60 nunc strepitum captat praetereuntis aquae.
61 Intentus sedet liquidas piscator ad undas,
62 dum tremulum fallax linea sentit onus ;
63 forsan et elusos quaerit quibus instruat hamos,
64 explicat aut cauta retia longa manu.
65 Pampinus appositae complexus brachia silvae
66 vestit adoptivis robora nuda comis.
67 Poma nemus pingunt, meditatur vinea botros,
68 proventu segetis dives inundat ager.
69 Tityrus in calathis tibi lilia, Thestyli, cana
70 servat, et in calathis aurea mala suis ;
71 cumque suis nidis Procnen, Procnesque sororem,
72 et te cum nidis, blanda columba, tuis.
73 Garrula per virides ludunt examina ramos,
74 et tenui silvas gutture mulcet avis.
75 Basia Chaoniae jungunt lasciva columbae,
76 ingemit exstinctum tinnula mater Ityn.
77 Hanc juvat ad nitidum pennas extendere solem,
78 haec querulam pleno convolat ore domum :
79 haec luteum suspendit opus, fugit illa per auras,
80 et liquidas alis stringere gaudet aquas.
81 Ridet ager, rident silvae, micat igneus axis,
82 et placidum sternit lenior aura fretum.
83 Hinc procul ergo abeant cruciantes pectora curae,
84 vanaque quaerendae sollicitudo rei.
85 Pone supercilium capulo vicina senectus,
86 de tetrica rigidas excute fronte minas.
87 Utque novus, posito veteri squalore senectae,
88 pandit odoriferas fertilis annus opes ;
89 postque pruinosae languentia frigora brumae
90 rura novat veris floridioris honos ;
91 vos quoque paulisper placidos diffundite vultus,
92 aspera cum duris ponite jussa minis :
93 carpite, dum fas est, fugitivae gaudia vitae,
94 credite vos juvenes esse, fuisse senes.
95 Ut sua munifico diffundit praemia vultu
96 omniferos pandens copia larga sinus !
97 Ut vetat ignavae reparans incommoda brumae
98 turpia sollicitae damna timere famis !
99 Pandite sepositas quas celant horrea fruges,
100 parcaque congestas arca refundat opes.
101 Nec tenebris claudat generosum celle Lyaeum,
102 quem dat arenoso Vasconis uva solo :
103 qui, nisi depromis, acri languescit aceto,
104 teque monet vitae commoditate frui.
105 Vos quoque turba feri pueris invisa magistri,
106 qui geritis dura lenta flagella manu,
107 ponite difficiles in idonea tempora vultus,
108 incutiant nullos verbera secta metus ;
109 parcite plagosis ferulis, virgaeque sonorae,
110 nec scuticae teneras laedat habena manus ;
111 Candida nec maestis suffundite fletibus ora,
112 nec foedet niveam pustula rupta cutem.
113 Post sua Pieriis succedent otia Musis,
114 largaque Castalius fenora reddet ager.
115 Interea, juvenes, molles celebrate choreas,
116 et genium festis exhilarate jocis.
117 Laeta fugent lites, ludis concedite luctus,
118 pro rixa risus, crimine carmen eat.
119 Nec tetrici nuptas custodia dura mariti
120 arceat, aut dura janua clausa fera :
121 sollicitae timidas nec matris cura puellas
122 cogat in obscura delituisse domo.
123 Pandite lacteolas (jussit Cytherea) papillas,
124 excipiant flavas lactea colla comas.
125 Luceat igniferis Sidonia palla pyropis,
126 pulchra verecundus purpuret ora pudor.
127 Haec sunt militiae Mavortia tela potentis,
128 tela triumphatis imperiosa deis ;
129 tela, quibus fusis juvenilis millia turbae
130 plurima cum pereant, plura preisse petunt.
131 Dum choreas, aetas, dum blandi gratia veris,
132 libera dum festus gaudia Majus habet,
133 carpe rosas, et, ni carpas, peritura ligustra,
134 et vitae credas haec simulacra tuae.
135 Horrifer ut Boreas agri genialis honorem
136 exuit, ut canas fundit in arva nives,
137 frondibus ut spoliat silvas, ut floribus hortos,
138 pigraque concretis flumina frenat aquis :
139 sic tibi deformes mutabunt tempora cani,
140 contrahet et vultus arida ruga tuos,
141 pendebit laxata cutis, rubigine dentes
142 squalebunt, oculos inficietque rubor ;
143 mellea deficiet facundae gratia linguae,
144 imminet en vitae figida bruma tuae.
145 Dum nos ergo sinunt fata invidiosa, senecta
146 temporis utatur vere, juventa suo.

http://carmina-latina.com/cariboost_files/BUCH_ELE_TWD.txt

*****
エレギア elegy
ネオ・ラテン詩 Neo-Latin poetry
五月祭 May Day
カルペ・ディエム carpe diem

*****
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Carew, "Persuasions to Enjoy"

トマス・ケアリ(1594/5-1640)
「歌:楽しもう」

君の目に光る命は
すぐに老いて死んでいく。
かわいさ、美しさは
君の顔を見棄てて消える。
だからシーリア、楽しみの果実を摘みとろう、
腐る前に。

黄金の髪は永遠に色あせず、
年をとっても雪の白にならない。
太陽のように光る目は永遠に曇らない。
君は永遠に若くてきれい。
だから、シーリア、楽しみの果実を摘んで。
大丈夫、摘んでも、また実る。

結論:〈時〉に殺される前に楽しもう。
〈時〉は逃げていかないから、何回でも楽しもう。

*****
Thomas Carew
"Song: Persuasions to Enjoy"

If the quick spirits in your eye
Now languish and anon must die ;
If every sweet and every grace
Must fly from that forsaken face ;
Then, Celia, let us reap our joys
Ere time such goodly fruit destroys.

Or, if that golden fleece must grow
For ever free from aged snow ;
If those bright suns must know no shade,
Nor your fresh beauties ever fade ;
Then fear not, Celia, to bestow
What, still being gather'd, still must grow.
Thus, either Time his sickle brings
In vain, or else in vain his wings.

http://www.luminarium.org/sevenlit/carew/persuade.htm

*****
形式は変則ソネット。
ペトラルカ由来。

内容は変則カルペ・ディエム。
古典・ネオラテンの恋愛エレギア由来。

Sonnet
Petrarch

Carpe diem
Neo-latin
Elegia / Elegy

*****
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本郷ふじやま公園 202102

本郷ふじやま公園 202102
http://www.hongofujiyama.jp/



























(聖と俗)


*****
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平塚美術館 202102

平塚美術館 202102
http://www.city.hiratsuka.kanagawa.jp/art-muse/index.html

































(DIC川村記念美術館のものより自信ありげで挑発的)


*****
画像は無加工(光はデジカメの機嫌しだい)
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The Cranberries, "Zombie"

クランベリーズ
「よみがえるゾンビ」

首から力が抜けて
こどもがゆっくり死んでいく
暴力に言葉を失う
わたしたちはわかってない、誰の話か

だって自分じゃない
自分の家族じゃない
頭のなか、勝手に思う
戦ってるのはあの人たち
あの人たちの戦車と爆弾
あの人たちの爆弾と銃
頭のなか、勝手に思う
あの人たちが泣いてる

頭のなか、勝手に思う
よみがえったゾンビのしわざ、心のない奴ら
頭のなか、何を勝手に思う?
よみがえったゾンビ、心のないあなた、ねえ?

次に別の子が死んで
別の母が泣き叫ぶ
暴力に言葉を失う
わたしたちはわかってない

同じこと
1916年から
頭のなか、勝手に思う
ずっと戦ってるのはあの人たち
あの人たちの戦車と爆弾
あの人たちの爆弾と銃
頭のなか、勝手に思う
あの人たちが死ぬ

頭のなか、勝手に思う
よみがえったゾンビのしわざ、心のない奴ら
頭のなか、何を勝手に思う?
よみがえったゾンビ、心のないあなた、ねえ?

*****
The Cranberries
"Zombie"

https://www.azlyrics.com/lyrics/cranberries/zombie.html

原曲
https://www.youtube.com/watch?v=6Ejga4kJUts

1999
https://www.youtube.com/watch?v=8MuhFxaT7zo

*****
Zombie:
魔術などによって肉体だけよみがえった死体。
あたたかい感情のない人、頭の鈍い人。

北アイルランドのイギリスからの独立、および
アイルランド統一を目指して戦うアイルランド共和軍
(IRA)が主題。そのテロ活動により一般の人たちが
犠牲になってきた。

1916年はアイルランド共和同盟(IRB)による
イースター蜂起の年。IRAはその後1919年に発足。
この蜂起の頃と同じことが今も起きている、
という内容。

*****
口語的な人称のゆれがこの歌詞のポイント。
They, their = IRB/IRAの兵士・その犠牲者(および犠牲者の家族)
Your = IRAとは無関係な一般の人(わたしたち)・IRAの兵士

このあいまいさゆえに、
「IRB/IRA兵士 = その犠牲者 = 無関係な一般の人(わたしたち)」
という構図が浮かびあがる。

つまり、この歌詞のゾンビとは、よみがえったIRB/IRA兵士
であると同時に、その犠牲者や、まったく無関係な
一般の人(わたしたち)のことでもある。
このような、正義と悪などという安直な対立では
整理できない問題の存在、どうしようもない虚無感や絶望を、
この歌詞は暗示する。

加害者 = 被害者 = 目撃者・傍観者
(上の原曲PVを参照のこと)

そんな絶望をあらわすかのような重苦しい曲、
ある種の狂気を感じさせるドロレス・オリオーダンの
声・歌いかたが、なぜか美しい。

*****
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The Rolling Stones, "Jumpin' Jack Flash"

ローリング・ストーンズ
「星跳ピカル」

生まれてみれば嵐の弾丸
痛くておぎゃー、殴り雨
でもいいじゃん、今、マジ最高
ま、いいって、俺、星跳ピカル
超サイコー

育ての親は歯抜けのヒゲばば
しょっちゅう背中に鞭打ちくらう
でもいいじゃん、今、マジ最高
ま、いいって、俺、星跳ピカル
超サイコー

溺れて流れてほぼ死体
転んで足から血どばどば
めしはパンの耳くず最悪
王さまみたいに頭に杭打ち
でもいいじゃん、今、マジ最高
ま、いいって、俺、星跳ピカル
超サイコー

*****
The Rolling Stones
"Jumpin' Jack Flash"

(原詩)
https://www.azlyrics.com/lyrics/rollingstones/jumpingjackflash.html
https://genius.com/The-rolling-stones-jumpin-jack-flash-lyrics

(原曲)
https://www.youtube.com/watch?v=0cPXwc-5Kw8
ギター:オープンE

(ライヴ)
https://www.youtube.com/watch?v=XCMrXC8D05Q 1972
https://www.youtube.com/watch?v=CJOPGU7UBTg 1981
https://www.youtube.com/watch?v=tYGITmvnwhw 2013
ギター:オープンG、4カポ

*****
Jumping Jack (Toy)
https://tinyurl.com/4c578cg6

*****
Jumping Jack (Star Jump)
https://tinyurl.com/2avbalmf

*****
いわば、マザー・グースのロック・ヴァージョン。
意味はないけど、超サイコー。

OED, s. v. "gas", n.1, 5.d
(Esp. prec. by indef. article.) Something or someone
that is very pleasing, exciting, impressive, admirable, etc.
"The Stones . . . were a screaming, speeding, sexy gas." (1971)

*****
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Milton, "Elegia prima ad Carolum Diodatum"

ジョン・ミルトン
「エレギア 1: チャールズ・ディオダーティに」

親友のチャールズ、君からの手紙が届いたよ。待ってた。
君の声が聞こえる気がした、
チェシャーのディー川の西、
アイルランド海に勢いよく攻めこむあの川のところから、ね。
うれしい、本当だよ、遠くにいても
ぼくのことを思ってくれる、大事に考えてくれるなんて。
まるで、遠くの地に君を貸してるけど、
ひと声かければすぐに返してくれる、みたいな感じだね。
ぼくは今ロンドンだ。寄せては返すテムズの波が洗う町。
別に嫌じゃないよ。生まれ故郷だし。
葦の生えたカム川のとこに戻りたい、とは思わないな。
ちょっと前に追い出された寮が恋しい、ってこともない。
畑ばかりで何もないし、涼しい木陰もないし、
ま、あそこはアポロン信者の詩人にとっちゃ最悪だね!
きっついおっさん教員に脅されてばかりで嫌になるし、
いろいろ性格にあわないこともやらされるしさ。
追放されたみたいになってるけど、結局地元に戻って、
悩みもなくのんびり楽しく過ごすだけだから、
停学処分も別に嫌なことじゃないね。
むしろ楽しいかも、追放されて。
ほんと、この程度の追放だったらよかったのに、
かわいそうに、オウィディウスとかトミに流されてさ。
イオニアのホメロスにだって実際劣ってなかったはずだし、
いちばん称えられてるけど、マロくんだって負けてたよな?
ここでは、詩の女神といっしょに静かに自由にゆっくり詩が書けるし、
本を読めばこの世のことを全部忘れられる。
疲れても、劇場で舞台をかけめぐる人たちを見れば元気になるし、
にぎやかなセリフを聞いて、気がついたら拍手してる。
知恵ある父とどら息子の話、とか、
鎧を脱いだ兵士が恋する男に早変わり、とか、
弁護士はだらだら十年裁判を続けてぼろ儲け、
バカばかりの法廷でバカみたいな話をしてるだけ、とか
よくあるのが、頭のいい召使いが家の子の恋を手伝う話。
頑固なおやじをあっちこっちで騙しまくる、っていう。
それから、初めての熱い恋に女の子が戸惑う話もよくあるね。
え? 恋って何? とか思いながら、すでに恋をしてる、みたいな。
狂乱憤怒の悲劇とかも見るよ。王殺しとか、
髪をとっ散らかして頭をぶんぶんふりまわす感じのやつ。
胸が痛いけど、見ちゃう。見て、胸が痛くて、でも、それがいいんだな。
涙が出るほどの悲しみが楽しかったり、ね。
かわいそうに、男の子がまだ知らない恋の幸せを
あきらめて、崖から飛び降りる話とか、
死の国に向かう舟のなか、火葬用のたいまつをもった悪霊が、
情け容赦なく、罪深き死者たちを震えあがらせる話とか、
ペロプスの子孫や、トロイを建てた偉大なイルスの一族が不幸になる話とか、
それから、クレオンが裁いて先祖の汚れを償う話とか。
でも、いつも家のなか、町のなかに隠れていたらダメだね、
春の季節を無駄にするってのも、ね。
だから、近くの楡(にれ)の木立とか、
町はずれの木陰にも行くよ。あそこは人気でね、
キラキラの星みたいな
女の子たちが、よく歌ったり踊ったりしてる。かわいいよ。
いやマジ、もう奇跡かってくらいきれいで見とれちゃう子ばかりで
気が遠くなる。ユピテルのじじいだって、そりゃあ元気になるよ。
だってみんな、目とか宝石なんかよりずっと光ってて、
空をめぐる星よりまぶしいから。
首もすべすべで、一回死んだペプロスの肩の象牙なんか目じゃないし、
歩いてる道は神の酒が流れる天の川みたいだし、
ありえないくらい顔がきれいで、髪もさらさらで、
まるでクピドが金の網を張って待ち伏せしてるみたいだ。
ほっぺの色とか、もう大好き。あれを見たら、ヒヤシンスの
ピンクも、アドニスの花のアネモネの赤も、泥の色だね。
オウィディウスが褒めてた昔の偉い女の人たちなんか、どうでもいい。
不倫の達神ユピテルに気に入られた子たちも、はい、退場。
冠のせたペルシャの女の子たちだって、ふーん、って感じ。
スサにも東のアッシリアにも、かわいい子はいるだろうけど。
さ、負けを認めようか、ギリシャの女の子たち、それから
トロイやローマの人妻のみなさんも!
オウィディウスも、ポンペイウスの柱の道や劇場のこと、もう
自慢できないな。きれいな南イタリアのドレスの子がたくさんいても。
ということで、イギリスの女の子が優勝!
外国の子たちはおまけ、ただの引き立て役!
ああ、ロンドン最高! トロイ人がつくった町で、
そびえ立つ塔が遠くからも見える。
まさに大都市! 幸せ! ここの城壁のなかには
何でもあるよ、宇宙にぶらさがるこの星の美しいものが!
夜になれば、澄んだ空からたくさんの星の光が降りそそぐ。
エンディミオンを愛した月の女神の召使いたちだね。
でも、もっとたくさんのかわいい子たちが、この町を黄金の光で
照らしてる。表通りでキラキラ輝いていて目が離せない。
双子の鳩の引く戦車に乗って、昔ここにきたんだって、命の母、
つまり子づくりの女神のウェヌスがね、矢を背負ったクピドを連れて。
自分の本拠地のクニドスより、シモエイス川の谷より、もうひとつの
本拠地のパポスより、薔薇咲き誇るキュプロスより、ここのほうがいいって。
でもさ、目隠しの少年クピドにつかまらないうちに、
早くこの楽しい町から出ないとね。
信用できないあの魔女キルケの屋敷で変なことに
ならないように、モーリュの草の力を借りて。
そろそろカム川の岸の葦沼大学に戻って、
もう一回、耳障りな議論に参戦しようかと思って。
ま、そんなこんなで、心からの友情をこめて、
つまらないことをあれこれエレギアの詩で書きました。

*****
John Milton
"Elegia prima ad Carolum Diodatum"

Tandem, chare, tuæ mihi pervenere tabellæ,
Pertulit & voces nuntia charta tuas,
Pertulit occiduâ Devæ Cestrensis ab orâ
Vergivium prono quà petit amne salum.
Multùm crede juvat terras aluisse remotas [ 5 ]
Pectus amans nostri, tamque fidele caput,
Quòdque mihi lepidum tellus longinqua sodalem
Debet, at unde brevi reddere jussa velit.
Me tenet urbs refluâ quam Thamesis alluit undâ,
Meque nec invitum patria dulcis habet. [ 10 ]
Jam nec arundiferum mihi cura revisere Camum,
Nec dudum vetiti me laris angit amor.
Nuda nec arva placent, umbrasque negantia molles,
Quàm male Phœbicolis convenit ille locus!
Nec duri libet usque minas perferre magistri [ 15 ]
Cæteraque ingenio non subeunda meo,
Si sit hoc exilium patrios adiisse penates,
Et vacuum curis otia grata sequi,
Non ego vel profugi nomen, sortemve recuso,
Lætus & exilii conditione fruor. [ 20 ]
O utinam vates nunquam graviora tulisset
Ille Tomitano flebilis exul agro;
Non tunc Jonio quicquam cessisset Homero
Neve foret victo laus tibi prima Maro.
Tempora nam licet hîc placidis dare libera Musis, [ 25 ]
Et totum rapiunt me mea vita libri.
Excipit hinc fessum sinuosi pompa theatri,
Et vocat ad plausus garrula scena suos.
Seu catus auditur senior, seu prodigus hæres,
Seu procus, aut positâ casside miles adest, [ 30 ]
Sive decennali fœcundus lite patronus
Detonat inculto barbara verba foro,
Sæpe vafer gnato succurrit servus amanti,
Et nasum rigidi fallit ubique Patris;
Sæpe novos illic virgo mirata calores [ 35 ]
Quid sit amor nescit, dum quoque nescit, amat.
Sive cruentatum furiosa Tragœdia sceptrum
Quassat, & effusis crinibus ora rotat,
Et dolet, & specto, juvat & spectasse dolendo,
Interdum & lacrymis dulcis amaror inest: [ 40 ]
Seu puer infelix indelibata reliquit
Gaudia, & abrupto flendus amore cadit,
Seu ferus e tenebris iterat Styga criminis ultor
Conscia funereo pectora torre movens,
Seu mæret Pelopeia domus, seu nobilis Ili, [ 45 ]
Aut luit incestos aula Creontis avos.
Sed neque sub tecto semper nec in urbe latemus,
Irrita nec nobis tempora veris eunt.
Nos quoque lucus habet vicinâ consitus ulmo
Atque suburbani nobilis umbra loci. [ 50 ]
Sæpius hic blandas spirantia sydera flammas
Virgineos videas præteriisse choros.
Ah quoties dignæ stupui miracula formæ
Quæ posset senium vel reparare Iovis;
Ah quoties vidi superantia lumina gemmas, [ 55 ]
Atque faces quotquot volvit uterque polus;
Collaque bis vivi Pelopis quæ brachia vincant,
Quæque fluit puro nectare tincta via,
Et decus eximium frontis, tremulosque capillos,
Aurea quæ fallax retia tendit Amor. [ 60 ]
Pellacesque genas, ad quas hyacinthina sordet
Purpura, & ipse tui floris, Adoni, rubor.
Cedite laudatæ toties Heroides olim,
Et quæcunque vagum cepit amica Jovem.
Cedite Achæmeniæ turritâ fronte puellæ, [ 65 ]
Et quot Susa colunt, Memnoniamque Ninon.
Vos etiam Danaæ fasces submittite Nymphæ,
Et vos Iliacæ, Romuleæque nurus.
Nec Pompeianas Tarpëia Musa columnas
Jactet, & Ausoniis plena theatra stolis. [ 70 ]
Gloria Virginibus debetur prima Britannis,
Extera sat tibi sit foemina posse sequi.
Tuque urbs Dardaniis Londinum structa colonis
Turrigerum latè conspicienda caput,
Tu nimium felix intra tua mœnia claudis [ 75 ]
Quicquid formosi pendulus orbis habet.
Non tibi tot cælo scintillant astra sereno
Endymioneæ turba ministra deæ,
Quot tibi conspicuæ formáque auróque puellæ
Per medias radiant turba videnda vias. [ 80 ]
Creditur huc geminis venisse invecta columbis
Alma pharetrigero milite cincta Venus,
Huic Cnidon, & riguas Simoentis flumine valles,
Huic Paphon, & roseam posthabitura Cypron.
Ast ego, dum pueri sinit indulgentia cæci, [ 85 ]
Moenia quàm subitò linquere fausta paro;
Et vitare procul malefidæ infamia Circes
Atria, divini Molyos usus ope.
Stat quoque juncosas Cami remeare paludes,
Atque iterum raucæ murmur adire Scholæ. [ 90 ]
Interea sidi parvum cape munus amici,
Paucaque in alternos verba coacta modos.

https://www.dartmouth.edu/~milton/reading_room/elegiarum/elegy_1/text.shtml
一部修正

*****
1
chare = care (呼びかけの "dear")
Charles にかけている?

65
Ninos / Ninus
Nini
Nino
Ninon / Ninum
Nino
Nine
(N2, m)

78
Endymioneus, a, um

*****
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雪:パリ、2021

雪:パリ、2021
Paris en Neige, Janvier 2021






*****
知人から写真が届きました。

雪のパリ。
油絵のような色。

*****
写真:楓さん
©︎maplerin.photo
https://www.instagram.com/maplerin.photo

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From Cowley, Davideis, bk. 2

エイブラハム・カウリー
『ダヴィデ』第2巻より

愛とは何か? 人智を超える偉大な愛とは?
どんな源からその不思議な性質が?
あらゆる点でこの世の原動力は愛。
愛がこの世のしくみを支えている。それですべてが
定められた場所・役割におさまる。
愛がすべてをつくり、生かす。
よくわかる、はっきりわかる、
愛が生まれる時と消える時。
でも愛が見えるのは心の目にだけ。しかも
ぼんやりとだけ。本当の愛の姿や理由はわからない。
不思議な自然の傑作、肌のきれいな磁石が
荒くれ者の鉄に愛されて、その妻となるのはなぜ?
剣はどうやってつくられる? あの見えない炎は何もの?
人を斬る強い鉄を打ち負かす炎は。
(この世を美しくする)愛は人やものの性質を変える。
愛を感じる人・ものは、自分の体を忘れる。
月桂の冠の賢い人たちに訊きたい、
どうして蔦は樫の木を抱きしめる?
樫は恋愛にいちばん向いていないのに?
吹きつける風と同じくらい乱暴なのに?
どうして見えない極が方角の針を引きつける?
北極・南極の凍える寒さから熱い愛が生まれている?
羽あるものたちが軽やかに舞いあがるのはなぜ?
重いものが下、地球の中心に向かうのはなぜ?
命ないものも愛の法則に従う、でもその理由は、
人にもほとんど、ものにはまったく、わからない。

*****
Abraham Cowley
From Davideis, bk. 2

What art thou, Love, thou great mysterious thing?
From what hid stock does thy strange Nature spring?
'Tis thou that mov'est the world through every part
And holdst the vast frame close, that nothing start
From the due Place and Office first ordain'd.
By Thee were all things Made, and are sustain'd.
Sometimes we see thee fully, and can say
From hence thou took'est thy Rise, and went'st that way;
But oftner the short beams of Reasons Eye, 50
See onely, There thou art, nor How, nor Why.
How is the Loadstone, Natures subtle pride,
By the rude Iron woo'd, and made a Bride?
How was the Weapon wounded? what hid Flame
The strong and conqu'ering Metal overcame?
Love (this Worlds Grace) exalts his Natural state;
He feels thee, Love, and feels no more his Weight.
Ye learned Heads, whom Ivy garlands grace,
Why does that twining plant the Oak embrace?
The Oak for courtship most of all unfit, 60
And rough as are the Winds that fight with it?
How does the absent Pole the Needle move?
How does his Cold and Ice beget hot Love?
Which are the Wings of Lightness to ascend?
Or why does Weight to th' Centre downwards bend?
Thus Creatures void of Life obey thy Laws,
And seldom We, they never know the Cause.

*****
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Milton, "At a Solemn Musick"

ジョン・ミルトン
「聖なる音楽」

天国の幸せを歌う精霊、
〈声〉と〈詩〉、星に生まれたふたりの姉妹、
聖なる響きを重ね、力をあわせ、
死せるものを貫き、命を与え、
超自然の幻を聴かせて、
純真な調和を、静かな歌を、聴かせて、
サファイア色の玉座の前でいつも
あの方に歌う歌を、
澄みあふれる高音で厳かに祝いつつ--
燃えて輝く熾天使たちが並び、
空に向かいトランペットを吹き鳴らすなか、
千の智天使たちが
永遠のハープの黄金の弦を弾くなか、
正しい天使たちが勝利の棕櫚を手に、
心からの賛美と礼拝の歌を
永遠に歌うなか--
そして、わたしたちも地上で、乱れぬ声で、
天の歌に応える、
かつて、罪が
自然の鐘の音を乱しやかましく
壊す前に、この世のすべてのものが
偉大な主に捧げていた歌、神の愛が導くリズムで
完璧に響きあっていた歌、真っ直ぐ立ち、
神に従い善であった頃の歌で--
そう、あの歌をとり戻し、
天の歌にあわせて歌えたなら--いつか、
歌い奏でる天使たちとともに、
神と生き、終わりのない朝の光のなか、声をあわせられたなら。

*****
John Milton
"At a Solemn Musick"

Blest pair of Sirens, pledges of Heav'ns joy,
Sphear-born harmonious Sisters, Voice, and Vers,
Wed your divine sounds, and mixt power employ
Dead things with inbreath'd sense able to pierce,
And to our high-rais'd phantasie present, [ 5 ]
That undisturbed Song of pure concent,
Ay sung before the saphire-colour'd throne
To him that sits theron
With Saintly shout, and solemn Jubily,
Where the bright Seraphim in burning row [ 10 ]
Their loud up-lifted Angel trumpets blow,
And the Cherubick host in thousand quires
Touch their immortal Harps of golden wires,
With those just Spirits that wear victorious Palms,
Hymns devout and holy Psalms [ 15 ]
Singing everlastingly;
That we on Earth with undiscording voice
May rightly answer that melodious noise;
As once we did, till disproportion'd sin
Jarr'd against natures chime, and with harsh din [ 20 ]
Broke the fair musick that all creatures made
To their great Lord, whose love their motion sway'd
In perfect Diapason, whilst they stood
In first obedience, and their state of good.
O may we soon again renew that Song, [ 25 ]
And keep in tune with Heav'n, till God ere long
To his celestial consort us unite,
To live with him, and sing in endles morn of light.

https://www.dartmouth.edu/~milton/reading_room/at_a_solemn_music/text.shtml

*****
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Milton (tr.), The Fifth Ode of Horace. Lib. I

ジョン・ミルトン(訳)
ホラティウスのオード1.5

-----
「どんな細くて若い男が、君にたくさんの薔薇のなか」を、英語で可能なかぎりほぼ逐語訳。ラテン語詩と同様、脚韻は用いない。
-----

どんな若くて細い男が、香水を滴らせながら
君に迫ってる? 薔薇で飾ったすてきな洞穴で?
ピュラ、そいつを思ってしばってる?
草の冠で金の髪を、

質素におしゃれに? ふふっ、その男、
嘘つきな神さまたちに泣きつくことになるね。荒れた
海を、黒い雨の嵐を、
初めて見たら驚くだろうね。

今は何も知らず、金色に輝く君といて幸せ。
いつも無垢、いつもかわいい、と
君のこと思って。気づいていない、
そよ風のような嘘に。かわいそうに、

初めは君、光って見えるから。神殿の壁の
誓いの札を見ればわかる、ぼくはもう
ずぶぬれの服を捧げたって、
偉大な海の神さまに。

*****
John Milton (tr.)
The Fifth Ode of Horace. Lib. I

Quis multa gracilis te puer in Rosa, Rendred almost word for word without Rhyme according to the Latin Measure, as near as the Language will permit.

What slender Youth bedew'd with liquid odours
Courts thee on Roses in some pleasant Cave,
Pyrrha for whom bindst thou
In wreaths thy golden Hair,

Plain in thy neatness; O how oft shall he [ 5 ]
On Faith and changed Gods complain: and Seas
Rough with black winds and storms
Unwonted shall admire:

Who now enjoyes thee credulous, all Gold,
Who alwayes vacant, alwayes amiable [ 10 ]
Hopes thee; of flattering gales
Unmindfull. Hapless they

To whom thou untry'd seem'st fair. Me in my vow'd
Picture the sacred wall declares t' have hung
My dank and dropping weeds [ 15 ]
To the stern God of Sea.

https://www.dartmouth.edu/~milton/reading_room/fifth_ode/text.shtml

*****
Horace
Ad Pyrrham

Horatius ex Pyrrae illecebris tanquam è naufragio enataverat, cujus amore irretitos, affirmat esse miseros.

Quis multa gracilis te puer in rosa
Persusus liquidis urget odoribus,
Grato, Pyrrha, sub antro?
Cui flavam religas comam
Simplex munditie? heu quoties sidem [ 5 ]
Mutatosque deos flebit, & aspere
Nigris æquora ventis
Emirabitur insolens,
Qui nunc te fruitur credulus aurea:
Qui semper vacuam, semper amabilem [ 10 ]
Sperat, nescius auræ
Fallacis. miseri quibus
Intentata nites. me tabula sacer
Votiva paries indicat uvida
Suspendisse potenti [ 15 ]
Vestimenta maris Deo.

https://www.dartmouth.edu/~milton/reading_room/fifth_ode/latin.shtml

*****
自分も一回、嵐のようなピュラとの関係のなかで
溺れ死ぬ思いをした、いうこと。

質素におしゃれに、というのは、
最初の見かけだけ、といういやみ。

*****
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Milton, "On Time"

ジョン・ミルトン
「時」

飛んで進め、〈時〉、ねたみ深いおまえなんて早く終われ。
鉛の足で歩く〈分〉や〈時間〉を駆り立てて、
重いふりこ以上の速さで走らせろ。
おまえが生み出すものが生まれる前に食いつくせ、
どうせみんな無意味ないんちき、
すぐに滅びるごみだから。それで
ぼくらに損はない。
おまえに得もない。
おまえが悪をすべてを墓に葬って、
最後に自分を食いつくせば、
ぼくらに最高の、永遠の、幸せがくる、
口づけとともに。
洪水のような幸せ、
本当に善いすべてのもの、
神々しく完璧なものと、
真理と平和と愛がいつも、いつまでも輝く、
最高神の王座に。
唯一幸せをもたらす神のそば、
天に、魂は導かれて昇る、
汚い土の体を棄て、
星の服を着て。そこで永遠に生きる、
〈死〉と〈運〉とおまえ、〈時〉を超えて。

*****
John Milton
On Time

Fly envious Time, till thou run out thy race,
Call on the lazy leaden-stepping hours,
Whose speed is but the heavy Plummets pace;
And glut thy self with what thy womb devours,
Which is no more then what is false and vain, [ 5 ]
And meerly mortal dross;
So little is our loss,
So little is thy gain.
For when as each thing bad thou hast entomb'd,
And last of all, thy greedy self consum'd, [ 10 ]
Then long Eternity shall greet our bliss
With an individual kiss;
And Joy shall overtake us as a flood,
When every thing that is sincerely good
And perfectly divine, [ 15 ]
With Truth, and Peace, and Love shall ever shine
About the supreme Throne
Of him, t' whose happy-making sight alone,
When once our heav'nly-guided soul shall clime,
Then all this Earthy grosnes quit, [ 20 ]
Attir'd with Stars, we shall for ever sit,
Triumphing over Death, and Chance, and thee O Time.

http://www.dartmouth.edu/~milton/reading_room/on_time/text.shtml

*****
この世の終わりの話。イメージはきれいだが、
非クリスチャンとして共感は困難。ただ、
以下のような文章よりはるかに穏健、
というところが重要か、とも思う。
From Deios, That the Pope is That Antichrist
From Napier, A Plaine Discouery of the Reuelation
From Marshall, The Song of Moses

Cf.
Donne, ("Death be not proud")

*****
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Marvell, "On Mr. Milton's Paradise Lost"

アンドリュー・マーヴェル
「ミルトン氏の『失楽園』について」

盲目だが勇気ある詩人ミルトン氏が、
小さな本に壮大な物語をくり広げる--
天の王たる救い主、神の厳しい定めと赦し、
反逆の天使たち、禁じられた木の実、
天国、地獄、大地、混沌、つまり全世界--これを見て
わたしは不安になった。壊すつもりか?
(確かにあの人にはその力がある。)
神の真理を砕いてつくり話や民謡のように歌うのか?
(サムソンが神殿の柱をわざと倒したように)
世界をひっくり返すのか? 失った視力の復讐のために。

読みはじめて少しほっとする。
おもしろい……だが、このまま結末まで語り通せる?
この広大な戦場のなかどう進む?
足の悪い信仰が目の見えない思考をどう導く?
解き明かそうとして話を難しくしてしまわないか?
かんたんなことを偉そうに語って読者を遠ざけないか?

また、このように無限な世界が描かれるのを見て、
気になった、どこかの二流詩人--
優れたものを前にしゃしゃり出てきて、
その上を行こうと下手な真似をする者たち--
が天地創造を横どりし、
場面に分けて劇にしてしまうのではないか、と。
すみません、偉大なミルトンさん、
他意はなくとも、根拠のない不安を最初少し感じたので。
今思えば、そんなあつかましい者などいるはずがない。
あなたの労作のおこぼれに与ろうとする者など。
書くに値することをあなたはすべて書き、
値しないことはひとつも書いていない。
だから他の詩人の入りこむ隙間はない。
そうして無知を晒すだけ。便乗の醜さと。
荘厳さがあなたの詩を隅々まで支配していて、
神を敬う者を惹きつけ、不敬な者を退ける。
神聖なことが神聖に語られていて、
誰もその神聖さを、そしてあなたを、汚すことはない。
楽しさと恐ろしさで心を奪う、
それがあなたの重々しい、しかし優しい歌声。
人が飛べる高さを超えて飛ぶ、
強く、安定した、柔らかいあなたの翼。
あなたの詩から名づけられた楽園の鳥のように
常に飛び続け、けっして落ちない。

あれほど広大な世界をあらわす語彙はどこから?
あれほど広大な世界を構想する知性はどこから?
テイレシアスと同様、天は
あなたに預言の力を与えた、視力のかわりに。

あなたは正しい。読者の耳を惹くために
脚韻を鳴らさない、内容に自信があるから。
逆に、町で売れっ子の詩人たちは音を確かめながら書く、
鈴のない荷馬のようにゆっくりと。
彼らのアイディアは房つきの紐(ひも)のよう。
服の上下をつなぐように、言葉をつないで韻にする。
流行りもの好きなわたしは不肖。
あなたを称えるかわりに推奨。
あなたの詩の主題は崇高、かつ言葉の
長さも重さも響きも至高。だから脚韻などいらない。

*****
Andrew Marvell
"On Mr. Milton's Paradise Lost"

When I beheld the poet blind, yet bold,
In slender book his vast design unfold,
Messiah crowned, God's reconciled decree,
Rebelling Angels, the Forbidden Tree,
Heaven, Hell, Earth, Chaos, all; the argument
Held me a while, misdoubting his intent
That he would ruin (for I saw him strong)
The sacred truth to fable and old song,
(So Sampson groped the temple's posts in spite)
The world o'erwhelming to revenge his sight.

Yet as I read, soon growing less severe,
I liked his project, the success did fear;
Through that wide field how he his way should find
O'er which lame faith leads understanding blind;
Lest he perplexed the things he would explain,
And what was easy he should render vain.

Or if a work so infinite he spanned,
Jealous I was that some less skilful hand
(Such as disquiet always what is well,
And by ill imitating would excel)
Might hence presume the whole creation's day
To change in scenes, and show it in a play.
Pardon me, Mighty Poet, nor despise
My causeless, yet not impious, surmise.
But I am now convinced that none will dare
Within thy labors to pretend a share.
Thou hast not missed one thought that could be fit,
And all that was improper dost omit:
So that no room is here for writers left,
But to detect their ignorance or theft.
That majesty which through thy work doth reign
Draws the devout, deterring the profane.
And things divine thou treat'st of in such state
As them preserves, and thee, inviolate.
At once delight and horror on us seize,
Thou sing'st with so much gravity and ease;
And above human flight dost soar aloft,
With plume so strong, so equal, and so soft.
The bird named from that paradise you sing
So never flags, but always keeps on wing.

Where couldst thou words of such a compass find?
Whence furnish such a vast expanse of mind?
Just heaven thee, like Tiresias, to requite,
Rewards with prophecy the loss of sight.

Well mightst thou scorn thy readers to allure
With tinkling rhyme, of thine own sense secure;
While the Town-Bayes writes all the while and spells,
And like a pack-horse tires without his bells.
Their fancies like our bushy points appear,
The poets tag them; we for fashion wear.
I too, transported by the mode, offend,
And while I meant to praise thee must commend.
The verse created like thy theme sublime,
In number, weight, and measure, needs not rhyme.

https://en.wikisource.org/wiki/On_Mr._Milton%27s_Paradise_Lost

*****
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